流動性配列法【知識ゼロからの会計学入門025】

知識ゼロからの会計学入門、今回は第25回「流動性配列法」というテーマでお話をしたいと思います。

前回までの復習ですが、貸借対照表の主な表示原則は、左が資産の部、右上が負債の部、右下が純資産の部です。
これが「区分表示」です。

そして、資産は流動資産と固定資産に分けますが、これを「流動固定分類」といいます。
第一ステップとしては、「営業循環基準」、そして営業循環基準に入らないものは「一年基準」を使うということを学習しました。

それ以外には「その他の基準」というものがありましたが、その他の基準の流動固定分類は有価証券でした。

負債の部に関しても、流動負債と固定負債というように分類します。
これも第一ステップは「営業循環基準」で、第二ステップの判断基準は「一年基準」を適用します。

その前に「貸借対照表完全性の原則」というものがあり、会社が所有する資産及び負債はすべて漏れなく貸借対照表に表示するというものです。
言い換えれば、都合の悪い内容を抜いてはいけないということです。

それとの兼ね合いで「総額主義の原則」と言って、資産と負債は意図的に一部相殺して純額表示をしてはいけません。
これは「明瞭性の原則」という明瞭表示に反するからです。

今回は「流動性配列法」の話です。
流動性配列法というのは、簡単に言うと、流動性の高いものから順に並べて表示する方法で、流動項目を上にして、固定項目をその上に配列する表示方法です。

つまり換金性の高いものの順に表示する方法です。
したがって、流動資産の中でも、さらに流動性の高いものから並べていきます。
上から現金預金、受取手形、売掛金、棚卸資産…という順番に並んでいきます。

固定資産も、固定資産の中で配列は決まっていますが、大雑把に、流動資産を上に乗せるべきか、固定資産を上に乗せるべきかという、流動資産・固定資産の上下関係から考えてもらって構いません。

概ね実務ではそのような感じです。
世の中の9割くらいの会社は流動性配列法を採用して、上が流動資産、下が固定資産で、負債の部も上が流動負債、下は固定負債というようにしています。

繰延資産は一番下にきますが、繰延資産ついては後日学習します。
繰延資産は換金性のある財産ではないということを知っておいてください。

今回ポイントにするのは流動と固定の順番です。
流動項目を上に配置する方法を「流動性配列法」と言います。

これは企業の短期的な支払い能力の表示を重視しています。
支払い能力が高いかどうかを見るには、流動項目を上に持っていくということです。

例えば、セブンアイホールディングスの例を見てみましょう。
平成26年2月の決算ですが、流動資産が一番上にあって、現金及び預金が最初に来ています。

受取手形や売掛金などがあって、換金性の高いものが上のほうに並んでいます。
下のほうに来ると、商品や在庫があります。
そして下に固定資産があります。

これがセブンアイホールディングスのような一般的な企業が採用している流動性配列法です。
負債も、上が流動負債で下が固定負債になっています。

次に「固定性配列法」についてです。
これはあまり見る機会はありませんが、たまにあります。

固定性配列法というのは流動性配列法の反対で、固定資産が上に来て、その下に流動性が来ます。

そして繰延資産は流動性配列法と固定性配列法のどちらでも必ず一番下に来ます。
負債も固定負債が上に来て、流動負債が下に来ます。

この配置の仕方は電力会社・ガス会社・学校法人など、固定設備の表示を重視する企業で採用されている方法です。

それでは表示例として、東京電力のバランスシートを見てみます。
たしかに固定資産が上になっています。

ちなみに、原子力発電設備は7,455億で大きいですが、さらに大きいのが送電設備で1兆9千億、配電設備2兆円です。

電力会社にとってはこのような発電設備が重要なので、固定設備が重要な企業が固定資産が上に来て、その下に流動資産が来ます。

流動性配列法という、流動資産(負債)が上に来て、固定資産(負債)が下に来る、短期支払い能力を表示するのが、一般的な事業会社における貸借対照表の基本的な考え方です。

しかし、電気・ガス・学校のような一部の事業形態においては、短期支払い能力よりも固定設備がどれくらいあるかが重要なので、固定資産を上に持ってくるという「固定性配列法」があるということも知っておいてください。

以上が今回のお話です。
次回は、損益計算書の表示方法に関する基本原則を学びたいと思います。
ここまでお疲れさまでした。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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