財務諸表理論の全体像をつかむ!【かんばろう!税理士簿記財表001】
がんばろう税理士簿記財表ということで、今回は、これから税理士試験の簿記と財表を目指す方向けに、会計の計算や理論の問題としては会計士と並んで最難関といわれている2つの勉強について、上級レベルの学習法についてお話していきたいと思います。
日商簿記検定1級よりも少しレベルが上がってきますので、簿記1級の勉強をされた方は次に簿記論と財表という資格に取り組んでもらってもいいと思います。
今回は財務諸表論についてお話したいのですが、柴山式ではまだ簿記1級をメインに教えていて、簿記論は個別にご相談があったらやっているケースもあるのですが、簿記論は合格者が出ています。
財表は今までやっていませんでしたが、ニーズがあるのでそろそろやってもいいと思っています。
それに、財表は今チャンスなのです。
非常にやりやすいです。
計算は簿記1級の延長でできますし、理論も昔と違って範囲が広くなっているけれども、広く浅くなっています。
昔は試験委員の先生の好みが強くて、すごく掘り下げた問題が多かったです。
一般のテキストには出ていないような問題も昔はありましたが、ここ数年はすごく安定しています。クセのない理論家を輩出しようという意図だと思うのですが、私は良い傾向だと思います。
昔は学者さんの研究課題のマニアックなところが出題されるようなこともありましたが、今は会計基準の素直な知識を聞いてきますので、簿記1級の延長として解きやすいですし、会計士の勉強をしている方も財務諸表論はすぐに受かりやすいと思います。
かつて私が会計士の受験生だったときにも、会計士の受験勉強の過程で、簿記1級と並んで、商業簿記や財務諸表論の上級レベルの力を測るのにはすごく良かったのです。
大手の専門学校の応用答練と同等なのです。
応用答練の力試しと、受かれば資格が取れますので、会計士対策をメインでやりながらも税理士が8月にあるので、試験の2週間ぐらい前になったら過去問を4回分ぐらいは2・3回転ぐらいして受けに行きます。
真面目に勉強すれば受かりますので、私は会計士対策の延長として税理士の簿記論や財表をやっている人は周りでたくさん見ています。
勉強の範囲がかなり被っていますので、簿記1級の延長でもいけると思うし、会計士と並行してもできます。
そういう意味では非常に受けやすい試験で、今回は財表についてお話します。
元々私は財表が得意でした。
財表が苦手な人というのは体系が分かっていないのです。
今回はPDFでも入手できるようにしましたし、アメブロなどでは画像もアップしようと思っていますが、財表というのはB/SとP/Lの繋がりで、全体の論点を、見出しを整理して、覚えればいいのです。
まずは「型」なのです。
財表の理論は、今はそうなのですが、型を覚えておくと楽です。
私が推薦している中央経済の基本書の章立てに合わせてやると分かりやすいです。
完全には網羅していませんが、合格に必要な基礎知識はだいたい入っています。
例えば、1番目、財務会計の基礎理論、役割と機能です。
それから一般原則と会計上の変更、これは、B/SとP/Lの作成を支える土台なのです。
基本はやはりB/SとP/Lなのです。
B/SとP/Lの作成があって、B/Sの構造、資産・負債・純資産と、当期純利益の部分はリスクから解放されている部分です。
当期純利益がP/Lと繋がっています。
P/Lの純利益にその他包括利益というのを足すと、包括利益になるというイメージです。
こういった概念フレームワークも踏まえて、体系というのは、B/SとP/Lの繋がり、そしてこの下を支える総論という“家”の図を中心に周辺の論点を覚えていきます。
そして、どの辺にあるかという“知識の箱”をつくります。
理論というのは知識の箱をつくるのです。
これは財表に限らず、私は監査論なども得意でしたが、何でもそうなのです。
理論というのは、箱をつくらずにやみくもに1ページ目からやるからできないのです。
ピラミッド構造をつくるのが弱いので、私は今後財表の勉強の話をしますが、独学での合格は可能ですが、完全独学で財表は結構難しいです。
なぜなら、みなさんは学校時代の勉強をしてしまうからです。
これは要領が必要なのです。
しっかり要領が分かれば財表は合格できます。
しかし、要領が悪いと財表はすごく時間がかかるので、この大きな流れ知って欲しいです。
これは、いずれガイダンス講義をやります。
将来的には、財表の独学合格を支援するような通信セミナーを考えていますが、簿記論も過去に合格者が出ていますので、簿記論はやりますけど、財表はこれから新しくやろうと思っています。
会計理論に対するニーズが高いのです。
会計士の勉強をする方にも参考になる話ですし、日商簿記検定1級の場合は理論対策にもなります。
それから、簿記検定や会計士・税理士を目指さない方でも、教養としての会計理論にも使えます。
そのために必要な最低限の計算は別にフォローできます。
やはり、簿記2級と簿記1級の間くらいの「中上級レベル」の計算を知っておいたほうが楽です。
資格試験は受けないけれども上級レベルの理論を知りたいという方は、そのための計算の教材をつくっていますので、その講座も考えます。
「財務会計と一般原則」と「会計上の変更」が総論で、その端っこに特殊論点というのがあり、それは「企業結合」とか「外貨換算」とか「連結財務諸表」とか「四半期セグメント」が特論です。
あとは、メインはB/Sなのです。
このようにカテゴリーを5つに分けます。
まずは総論、2番目は貸借対照表関係、3番目は負債・純資産会計、4番目はP/Lで、税効果はP/Lに入れたほうがいいと思います。
なぜかというと、税効果は法人税との性質を、損益を費用とみなしているから税効果があるのです。
費用とみなすから発生主義というのが出てくるので、私はP/Lに入れたほうが分かりやすいと思っています。
5番目が特殊論点です。
大きく5つのカテゴリーで、今自分は、全体地図のどの部分をやっているかという位置づけができることが財表の勉強が得意になります。
財表が苦手な人はこれをやっていないのです。
ポジショニングをしないでいきなり第一章から読んでしまうからダメなのです。
財表はきちんと全体像を把握してから、全体像のロードマップをつくってからそこに当てはめると楽になります。
そのときのポイントは、やはりB/SとP/Lの連結環なのです。
現代会計は、貸借対照表は損益計算の繋ぎ役といわれています。
これは収益費用アプローチの延長なのですが、今は割とIFRSの影響もあって、資産負債アプローチといって、B/Sから来るというイメージもありますが、伝統的には、太い流れは損益計算なのです。
まずはP/Lの損益計算をしながら、その連結環としてのB/Sというのは元々伝統的にあるのです。
それから一部修正が加わったり、色々な微調整をして変えてきたのが資産負債アプローチという話であります。
財表は苦手な人が多いので、ある意味で簿記よりライバルが少ないのです。
財表が得意になるとそれなりに違いますので、財表というものに目を向けてみてください。
財表については、今後ユーチューブ動画で時々アップします。
上級レベルの勉強法で悩んでいる方が多いので、この動画でも勉強法や考え方について要領よくマスターできるようなお話をしたいと思っています。
私はいつもあなたの税理士・簿記財表の勉強を応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。