財務諸表の種類と会計期間【知識ゼロからの会計学入門005】

知識ゼロからの会計学入門、今回は第5回「財務諸表の種類と会計期間」というテーマで一緒に勉強していきたいと思います。
今回も財務会計の全体像から見ていきます。

入金・入金、売上、仕入、設備の購入、株の売買などの経済活動を仕訳帳と総勘定元帳という2冊の帳簿に書き、最後にそれを貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書などの表にまとめて、外部の利害関係者(ステークホルダー)に報告をするのが財務会計という行為です。

では、財務諸表の種類について見ていきます。
財務諸表は、対象とする範囲や会計期間などから分類ができます。

今回はもう1つ「株主資本等変動計算書」という財務諸表が出てきますが、今回はまだ難しいので、いずれ純資産会計という勉強をするときにやりたいと思います。

会計学の理論で最終的に勉強するのは4つなのですが、そのうちほとんどが貸借対照表と損益計算書の2つを勉強します。
そして、特殊論点としてキャッシュ・フロー計算書を勉強します。

キャッシュ・フロー計算書とは、1年間の資金の動きを「営業活動」「投資活動」「財務活動」という3つの観点から、どのようにお金が増えたり減ったりしたのかということを表示するものです。

貸借対照表は「バランスシート(B/S)」と言います。
損益計算書は、かつては「Profit and Loss Statement」から「P/L」と言っていましたが、海外の決算書を見ると現在は「Income Statement」という言い方が主流になっています。

今でも経理の現場などでは「P/L」と言っていると思いますが、海外では「Income Statement」という言い方をするということを覚えておいてください。

そして、株主資本等変動計算書は、貸借対照表の右下に資本金や利益剰余金というものがありましたが、そこの株主の取り分の1年間の増減を表したものです。

入門段階のみなさんが強く意識してほしいのは、貸借対照表と損益計算書の関係です。
ここが決定的に大事です。
極論を言うならば、この2つが分かれば十分なのです。

去年と今年の貸借対照表があればキャッシュ・フロー計算書に近い分析ができます。
そのため、しばらくは貸借対照表と損益計算書の書き方を想定した会計や簿記の勉強をしていきます。

これらの財務諸表の範囲を見ていきましょう。
まず、今インターネットなどで、IR情報と言うのですが、有名な大手企業は企業グループで財務諸表を出します。

親会社だけではなくて、それを支配している子会社も含めたグループの集団として出す決算書を「連結財務諸表」と言います。

インターネットで大きな会社のホームページを見ると「IR情報」という項目があると思いますが、これは「Investors Relation」の略で、投資家向けの情報です。

「IR情報」や「投資家のみなさまへ」という部分をクリックしてみると、このような財務諸表を見ることができます。

ほとんどが連結財務諸表で、グループ全体で儲かっているかどうかを表しています。
今の上場企業の決算は連結財務諸表がメインとなっています。

連結財務諸表はどういう構成になっているか簡単にいうと、A社という親会社がいて、さらにB・C・D…という子会社があります。

たとえば、セブン&アイ・ホールディングスであれば、子会社はセブンイレブンジャパンやイトーヨーカドーなどです。

日商簿記2級を勉強されている方は分かるかもしれませんが、親会社の中にも本店と支店という形で、会社の中の会社というような形で別の事業部があります。

その場合はまたそれぞれに帳簿があり、本店と支店それぞれに経理担当者がいてそれぞれ決算を行います。

会社の中にある会社のような形で、あたかもバーチャル企業のような形で、本店・支店で独自に決算を組むようなやり方を「本支店会計」といいます。

本店と支店の決算書を合算して親会社の個別財務諸表というものをつくります。
今後の勉強は、支店がない、個別財務諸表の本店の取引だと思ってください。
このような親会社の個別財務諸表は「単体(単独)財務諸表」といいます。

まずは親会社単独の決算を考えます。
多くの会社は未公開企業で260万社から270万社あり、全体の99パーセントです。

連結決算をしなければいけない、金融商品取引法で規制されている上場企業は4,000社弱で、全体の1パーセントもない状況です。

単体だけでなく、グループ経営をするために子会社というものを持っています。
親会社A社がB社という株の100パーセントを持っています。

100パーセントの株を持っているということは、株主総会というところで100パーセントA社の意向を反映させることができるということです。
これを完全子会社といいます。

まったく混じりっけのない子会社なので、本店が支店に投資しているのとほぼ同じ状況です。

80パーセントの株を持っているC社には、100人中80人の議決権があって、多数決では勝ちになります。

それ以外に20パーセントの他人がいますが、これらを「少数株主」と言います。
51パーセントの株を持っているD社は、49パーセントは他の人がいるということなので、かなり緩い支配になります。

しかし、50パーセントを超えている場合、会計の世界では「支配している」と考えますので、A社とB社とC社とD社を合算して調整したものが連結財務諸表になります。

親会社と子会社を合算して一定の調整をしたものを連結財務諸表といいます。
連結決算はこの講座の最後のほうでやります。

50パーセントを超える株(議決権)を持って意見が言える(権利行使)会社を合算して、内部の調整をして、連結財務諸表をつくります。

B~D社以外にも、支配には至らないけれど「重要な影響」を与えることができるE社があります。

50パーセントは超えていなくても、20パーセントから50パーセントを持っていると相当物が言えて、影響が強いです。
つまり、E社はA社の意向を無視して経営ができなくなるのです。

A社にとっては、完全に支配してはいないけれど、かなり自分の意思を反映させて経営方針に参加できます。
これを「関連会社」といいます。

20パーセントから50パーセント程度の株を持っている場合は、支配には至らないけれども経営方針に対して重要な影響を与えることができます。

財務諸表には合算はしないけれども、E社の業績を少し反映させて調整します。
このときに「持分法」という投資の評価方法をします。

連結まではいかないけれども、それに近い形で、E社の決算も少し業績に取り込みます。
「持分法」という言葉は日経新聞でよく出ますが、今は「関連会社の業績の一部を連結財務諸表に反映させる」というぐらいのイメージで結構です。

これはいずれ連結の講義でやります。
ここでは連結財務諸表と、親会社と個別財務諸表の関係を理解していただければ結構です。

次に会計期間について確認しておきます。
これについては意外にやる機会がないのでここで学習しておきましょう。

1か月単位で会計をすることがありますが、これは工業簿記というもので、製造業が細かくコストを計算(原価計算)しますが、これを1か月ごとに集計します。

製造業以外でも、建設業もここに入ります。
ただ、製造業や建設業以外の、小売業や卸売業やサービス業などの製造原価がないところでも、月次決算は行います。

私は会計事務所を経営していますが、顧問先の会社さんには必ず月次決算をしてもらっています。

変化のスピードが激しい時代にあって、月次決算をしないのはかなり自殺行為に近いです。
たとえ個人事業レベルの、1,000万あるかないかの売上のところでも月次決算をしてもらっています。

それから3か月単位ですが、これは上場企業です。
さきほどお話した、連結決算をするようなところは四半期で決算を行います。

これは金融商品取引法で決められていることで、「四半期報告書」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

大手の企業はどこも四半期で報告しています。
ただし、管理会計の目的で四半期報告をすることも柴山会計ではよくやっています。

あなたの勤めている会社が上場企業ではなくても、四半期のごとに決算を出すことは有益です。

3か月で合算してみると、見えない、新たな事実が分かってきます。
月次決算とあわせて、3か月毎にも業績をまとめて管理することも有益です。

そして12か月単位ですが、これはほぼすべての会社や個人事業主に関係するものです。
年度決算、あるいは事業年度といいます。
これは税務署への確定申告や定時株主総会で報告をします。

「年度」という言葉は、会計期間の始まりの日(期首)が属している年のことをいいます。
例えば、平成26年4月1日から始まる会計期間ならば、「平成26年度」となります。

会計期間が1年間ならば、平成27年の3月31日が決算日になりますが、始まりは平成26年からなので、スタートが属する年のことを年度といいます。

ちなみに「事業年度」「会計年度」「会計期間」などと、色々な言い方がありますが、意味はどれも同じです。
以上が今回のお話です。

次回は少し技術的な部分の話になりますが、簿記のことをお話します。
財務諸表と会計帳簿のお話をしたいと思いますので、楽しく会計について学んでいきたいと思います。

ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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