半製品、仕掛品(2級工業簿記)

今回は「簿記ャブラリ第3章:2級の工業簿記「半製品」、「仕掛品」について見ていきましょう。

まず、工業簿記でも「仕掛品」はよく聞く言葉だと思いますが、「半製品」という言葉はあまり馴染みがないかもしれません。
そこで今回は、この仕掛品との違いについて説明していきます。

では、まず「半製品」についてお話ししますね。
仕掛品ほど頻繁には出てこないため、重要度は星1つにしています。
半製品の定義ですが、製造過程においてまだ完成していない、つまり未完成の状態ではあるものの、そのままでも販売できるものを指します。
これが半製品です。

関連する言葉としては、「仕掛品」「原材料」「製品」があります。

解説します。原材料を投入して少しでも加工を加えると「仕掛品」になります。
仕掛品は未完成の製造物で、半製品と似た部分もあります。
仕掛品の製造過程で発生したコスト、つまり材料費、労務費、経費などは仕掛品の在庫評価に含まれます。

製造途中で未完成という点では、仕掛品と半製品には共通点がありますが、仕掛品はそのままでは販売できません。
それに対して半製品は販売可能です。
この違いが大きなポイントですので、ぜひ覚えておいてください。

勘定科目の流れとしては、まず現金を支払い、原材料や労務費、経費を消費して「仕掛品」という未完成のものができます。
この仕掛品が半製品の状態を超えて進んでしまうこともあります。これが問題となることもありますので、気をつけましょう。
以上が半製品についての説明でした。

次に、もう一つ重要な「仕掛品」についてお話しします。こちらの方が一般的で、重要度も星3つと非常に大切です。しっかり理解しておきましょう。

仕掛品の定義は、製造に着手したものの月末時点で未完成のものを指します。

関連する言葉としては、「製品」「半製品」があります。

解説します。材料費、労務費、経費の3つは、個別原価計算制度の場合「直接材料費・直接労務費・直接経費・製造間接費」の4つに分けられます。

また、総合原価計算制度では「直接材料費・加工費」に分類され、直接材料費とそれ以外の費用、つまり直接労務費、直接経費、製造間接費が「加工費」に集約されます。

各製品にかかる費用は、すべて「仕掛品」勘定に転記されます。つまり、原価計算を行う以上、全ての製造原価は必ず一度仕掛品勘定を通ることを覚えておいてください。

そして、月中に完成したものは「製品勘定」に振り替えられ、月末時点で未完成のものはそのまま「仕掛品勘定」に残り、翌月に繰り越されます。

仕掛品勘定は資産項目に分類され、貸借対照表における棚卸資産の1つです。したがって、製造業における棚卸資産としては、「原材料」「仕掛品」「製品」「半製品」の4つがあることを理解しておくと良いでしょう。

特に試験対策では、「原材料」「製品」「仕掛品」の3つがよく出てくるので、しっかりと覚えておいてください。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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