資本コストと貨幣の時間価値

資本コストとは

資本コスト・・・企業が事業を行う際調達した資本に対して支払うことが期待されるリターン
企業は資本コスト以上の利益を確保することが求められる

資本コストは、自己資本(株式)コストと他人資本(負債)コストの二つに区別できます。

自己資本コスト・・・自己資本の提供者は株主であり、株主が株式に対して出資した金額に対して期待するリターン。

他人資本(負債)コスト・・・他人資本の提供者は社債の保有者や借入金の貸出者であり、これら債権者が要求するリターン、つまり社債の利回りや借入金利。

加重平均資本コスト・・・この自己資本と他人資本それぞれの期待収益率を構成比率により加重平均したもの。

WACC(Weighted Average Cost of Capital)と呼ばれます。

WACCを算出する場合、一般的に他人資本の期待収益率は借入金や社債の金利を用い、自己資本の期待収益率については配当金の株価に対する利率及び株価上昇率等が用いられます。
このように算出されるWACCは、将来のキャッシュフローを現在価値に引き戻す際の割引率として利用されています。
資本コストと貨幣の時間価値

貨幣の時間価値

たとえば、年の利回りが10%の世界を想像してみましょう。

銀行に100万円預ければ、一年後には「100万×(1+0.1)=110万円」になって返ってきます。
そして、さらに一年間その110万円を預けていたとします。

金利は、複利計算が基本ですので、110万円を新たな元本としてそれに10%の金利が上乗せされます。

つまり、110万円×(1+0.1)=121万円になるのです。

「今の100万円が、2年間寝かせるだけで121万円に…」

もう少し、計算してみましょう。
このまま、結果として10年間、10%の金利で預けたままにしておいたら…

100万円×(1+0.1)の10乗ですから、なんと10年後には約259万円にも膨らんで帰ってくるのです。

何もしなくても、金利10%なら10年で約2.6倍ですから、複利計算の威力はすさまじいものがあります。
この性質を応用すると、次のようなことが計算で求められるようになります。
「金利5%の世界で、3年後に100万円をA社に支払わなければならないとしたら、現在、いくらの現金を用意したらいいのか?」

3年後に、100万円を銀行から引き出して支払に充てればいいのですから、100万円を3回(1+0.05)で割り戻してやると、今必要な元金が明らかになります。では、実際に計算して、みましょう。

100万円÷1.05÷1.05÷1.05=約86.4万円となりました。

つまり、「今86.4万円を用意して銀行に年利5%で預ければ、3年後には100万円を引き出すことができる」ということです。

言い換えるならば、「金利5%の世界では、3年後の100万円という貨幣の価値は、現在の86.4万円に等しい」という結論を得ることができるのです。

「金利5%の世界では、3年後の100万円=現在の86.4万円」ですね。

このような状況を、「3年後の100万円の現在価値は86.4万円である」と表現するのです。

だから、同じ額の収入100万円でも、3年後にもらうよりは2年後、2年後にもらうよりは1年後、1年後にもらうよりは今もらう方が、貨幣としての価値が高いのです。

この発想は、正味現在価値法で投資案を評価するときに用いますので、しっかりと覚えておいてください。
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柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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