財務会計・管理会計と決算書の関係

今回の「前を向いて歩こう」は財務会計・管理会計と決算書の関係についてお話をしてみたいと思います。

まず、会計知識に関するスタートラインの話を少しだけします。
財務会計という言葉と管理会計という言葉は日常でも時々使いますが、この違いをきちんと正確に理解して使っていない人もいらっしゃいます。

この機会に、財務会計と管理会計ということについても知っていただければと思います。
財務会計・管理会計の観点から会計知識をビジネスや生活などに活かす方法について明日のセミナーではお話をしようと思っています。

まず、財務会計とは何かということについて説明します。
これは別名外部会計とも言います。

つまり、会社の外部に対して報告をする会計手続きです。
一方、管理会計というのは内部会計と呼ばれています。

内部の人に対して報告する会計手続きです。
それぞれ報告を受け取る需要によって違ってきます。

財務会計というのがみなさんのイメージが強いと思いますが、これは会社全体の業績、全社の貸借対照表と損益計算書をメインとして外部に開示して(税務署ならば確定申告署)、税金計算の基礎となる会社全体の利益がいくらかという計算をするための資料になります。

そして、株主総会では配当がいくらになるのかという全社ベースの利益の情報を知りたいので、全社ベースの貸借対照表や損益計算書などの情報を知りたがっています。

そして、証券取引所ですが、我々は個人としても会社としても株を買うことができます。
これは金融商品取引法という公正かつ厳格なルールに基づいて株式投資をします。
これは資本市場とも言います。

東京証券取引所をはじめとする公の市場において株式を上場している会社の株が買えるのです。

投資をするときに、その会社の株価が上がるか、つまり投資をしていいかどうかを判断するための全社の貸借対照表や損益計算書を見ますが、これが証券取引所などで公開する有価証券報告書また決算短信と呼ばれるものを出しています。

これが全社ベースの外部報告です。
従って、外部報告の情報の8割方は全社ベースの業績を前面に出しているのだと思ってください。

しかし、社長の立場からしたら全社ベースだけでは足りません。
レベル1~3までありますが、レベル1は一番大きいレベルで全社です。

レベル2は、さらに部門や事業部ごとなど、より小さい単位で見たもの(セグメント別情報)です。

全社ベースだとどのセグメントが儲かっているのかが分からないので、どこを改善する必要があるのかが分かりません。

より細かい部門ごとの業績管理を行う場合には、より細かいセグメント単位の貸借対照表や損益計算書を作って社長に提出します。

会社内部で部門から社長に提出する部門別のB/SやP/Lがメインになります。
これは比較的大きなレベルの管理会計の形です。

しかし、ある程度大きい会社だと、部門ごとの業績というのはそれなりの規模になります。
その場合、ある部門の製品別や顧客別の損益計算書の情報をその部門の部長に対して提出します。

これがレベル3の最も深いレベルの損益計算です。
このように、実は内部会計というのは3段階あります。

それぞれの階層によってそれぞれの決算書が内部のルールで作られます。
これが内部管理会計です。

現状の分析や将来予測に役立つような細かいデータになってきて、会社ごとに違ってきます。

このように管理会計(内部会計)と財務会計(外部会計)の違いをしっかり知って、自分はどの会計の知識を勉強しようとしているのかを意識すると、会計の勉強の仕方がシャープになって変わってきますし、効率も良くなります。

ぜひ参考になさってください。
私はいつもあなたの成功・スキルアップを心から応援しています。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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