第148回日商簿記3級の講評と感想
みなさん、第148回日商簿記検定3級の受験お疲れさまでした。
受験されたあとのご感想をいろいろお持ちかと思いますが、まずはここまで努力した自分を褒めてあげてください。
柴山会計ラーニングのほうでは本日中に解答速報をアップしますので、宜しければご覧ください。
今回の試験について、私の感想を申し上げたいと思います。
全体的には標準レベル~やや易しいほうかなということで、取り組みやすい問題だったのではないかという印象です。
ただ、第五問だけは見慣れない表現や国語読解力が必要な部分もあるので、ここで点数を落とす方もいらっしゃるでしょう。
それでも7割以上を取るには十分な難易度です。
第五問だけは若干難しいですが、第一問~第四問までは正直言ってやや易しいです。
第五問で半分ぐらい取れていれば、他の問題でカバーして7割は得点できるような問題でした。
では各問について見ていきましょう。
第一問は満点を狙えますが、イージーミスを1個して4点マイナスして20点満点中16点です。
ここで12点以下だったとしても他で挽回できますが、もし第一問が半分取れないレベルだとこの後もそれほど取れないかもしれません。
なぜなら、それぐらい第一問は典型的な問題が多いのです。
例えば1番目は手形の裏書ですが、これは(借方)仕入 (貸方)受取手形・当座預金となります。
貸方を支払手形と書いてしまうレベルだとまずいです。
手形の裏書なので貸方は受取手形になります。
この1番ができるかどうかでも結構この先の点数がある程度占えると思います。
仕入代金の一部が受取手形で、残りが当座預金での支払いです。
2番目は見慣れないですが、売掛金と買掛金の相殺です。
他店商品券と商品券の精算のようなイメージで、これが売掛金と買掛金になったと思えば良いです。
相殺という言葉がわかれば大丈夫です。
これもAランクにしました。
差額は当座預金で決済(小切手の振出)で、よく見るとそれほど難しい問題ではありません。
3番目は有価証券の取得ですが、これは債券の取得です。
これもできます。
4番目は土地の取得原価で、普通は土地本体の金額プラス整地費用なのですが、今回は整地費用だけです。
それぐらいのものですが、整地費用だから借方は土地だということがわかればOKです。
表現としては「整地費用」という言い方ではなくて「整地作業が完了し」となっていましたが、これぐらいの言葉の言い換えは整地費用として判断できていただきたいと思います。
5番目は借入の返済です。
日割り計算の利息がありますが、これも普段の勉強で練習を積んでいただければそれほど悩むことはないと思います。
利息の金額は4,000円です。
第一問は20点中20点取れる問題ですが、1個落としたとして16点が目標です。
第二問は勘定記入で、これも昔からよくある内容です。
資本金と引出金ですが、今回は資本金に関して当期純利益の損益勘定から振替というのがないので、比較的面倒臭い勘定記入がありません。
ですから、ここも10点満点中10点が狙えます。
もう1つは引出金の借方合計が382,000になるかどうかがポイントで、そこさえクリアできれば勘定科目2つと数字2つでどれもそれほど難しくありません。
ただ、ここも1個落としたとして10点中の8点が目標です。
第三問は非常にやりやすくて、これも30点満点が狙えます。
なぜかというと、残高試算表の問題にしては取引数が少ないのです。
普通は25~30ぐらい、多いときは30以上の取引がありますが、今回は14個しかありません。
取引数が普段の試験の半分強しかないので、とてもやりやすいです。
取引数が少ないということはそれだけミスの危険が低くなるので、満点が狙いやすいです。
しかし、イージーミスが2個あったとして(1個3点として)24点が目標です。
第四問は伝票と日計表ですが、これも10点狙える問題です。
日計表というのは簡単に言うと合計資産表ですので、伝票の処理を集計すれば良いのです。
もう1つの問題で、出金伝票と振替伝票を1つの取引についてというのは、ピンと来た方はみなす方法か取引を分解する方法かと気づく人もいると思います。
伝票でよくあるのが、出金伝票と振替伝票があって、仕入のときに出金伝票の相手勘定が買掛金だった場合はいったん全て掛け取引とみなして買掛の支払いとする方法もあります。
しかし、今回は出金伝票の相手勘定が仕入勘定なので、そこさえ気づけば、要するにこれは取引を分解する方法なので、出金伝票の金額の8,000と振替伝票の仕入の金額55,000を足して63,000ということがわかればできる問題です。
63,000というのが(2)の出品伝票202と302の合計なのです。
これが出せれば満点が狙えます。
若干のイージーミスがあったとして8点はいけます。
ここまでは全部8割取れますので、控えめにみてもここまでで56点は取れるでしょう。
あと14点取れば受かりますので、第五問は半分しか正解できなくても受かるのです。
ただ、第五問に関しては備忘価額といって1円で表示しなければいけないものがあったり、あまり見慣れない嫌な問題があるので、迷って6割ぐらいの得点になってしまう可能性があります。
しかし、ここは15点でも受かります。
第一問~第四問のどこかで満点が取れていれば60点ぐらいはいく可能性があるので、そうすれば第五問は10点で受かります。
ですから、第五問はパニックにならずになんとか頑張って15点前後を取っておけば7割超える可能性は十分あります。
冷静にやれば20点ぐらいは取れるかもしれませんが、一応目標は18点としました。
以上を踏まえると、第一問が16点以上、第二問が8点以上、第三問が24点以上、第四問が8点以上、第五問が18点が目標です。
全てを足すと74点ぐらいで合格という形で十分合格が可能です。
今回は読みづらいのですが、下手をすると50パーセント以上の合格率になる可能性があります。
受ける方の状況によるので場合によっては30パーセント台になる可能性もありますが、パッと見た感じでは40パーセントは下回らないと考えています。
40パーセント台~50パーセントを超えても不思議ではない難易度です。
ずばり、イメージとしては45パーセントぐらいかとは思っていますが、違っていたらごめんなさい。
全体としては標準的でやや易しい問題も多かったので、真面目に取り組めば誰もが合格のチャンスが大いにあった問題であったと考えてよいでしょう。
今回の試験で手応えがあった方は、この勢いで日商簿記検定2級を6月以降に目指してみてください。
以上で第148回日商簿記1級3級に関する柴山からの感想と講評を終わりにします。
本日はお疲れさまでした。