自立習慣作りの解説(6)「6.時中を見極めよ」について

今回の「前を向いて歩こう」は、自立習慣作りということで、柴山式行動原則15カ条の6番目のお話をしたいと思います。

これまで第5条までのご案内をしました。
例えば第1条は「自立せよ」という最高概念についてのお話でした。
第2条は「前進せよ」。

第3条は「三方良し(売り手よし、買い手よし、世間よし)とせよ」。
第4条が「目的を設定せよ」です。

自分がどこを目指して進んでいくのかという、長期的なゴールです。
この目的に至る中間地点のゴールが短期的な目標です。

長期が「目的」で、中間的な折り返し地点が「目標」です。
目標に関しては第12条でお話します。

第5条は「変化を味方とせよ」です。
自分にとって好ましくない変化も味方につけるというしたたかさが大事です。

そして今回は第5条までの基礎習慣作りをベースとして、いよいよ「考え方のスキル」というステージに入ります。

「考え方のスキル」の最初が「第6条 時中を見極めよ」となります。
実は第2段階で最も大事なのはこの第6条です。

普段の基礎習慣作りを土台として、その上にまずはその時々の考え方のテクニックとして時中を見極めます。

「時中って何ですか?」という質問を企業研修やセミナーで受けることがあります。
「時中」というのは見慣れない言葉です。

「中心点」ということですが、「中心」というのはいつも固定されているわけではありません。

1年前の中心が今の中心とは限りません。
中心点というのは時とともに変動します。

これは易経の世界では「変易」と言いますが、物事は変わっていくのです。
その時々の中心点を見極めるということは、その「時」の「中」心点で「時中」と言っています。

これの対立概念として「時流」という言葉がありますが、時流というのはその時の流行であって中心点ではありません。

目立つけれども本当に大事なところではないということです。
たまたま目立っているだけで、本質が分からず時流ばかり追いかけていると世の中に振り回されてしまいます。

このようなタイプの人というのは時流追ってしまいます。
時流ではなくて、その時々の一番大事な中心点は何かということを見極めることが大事なのです。

もう少し踏み込むと、例えば「人手が足りなくて人材を採用する」「離職率が高い職場で人が辞めないような職場を作りたい」といった時、色々な問題があります。

給料が安いのかもしれないし、残業が多いのかもしれないし、色々な問題があるかもしれません。

あるいは簿記検定に合格したいけれどもなかなか簿記1級に受からないといった問題もあるかもしれません。

その問題を構成する要素はたくさんあります。
その要素を全て同列に扱うのではなくて、1つ押さえれば連鎖反応的に一気に全体が改善される要素があるはずです。

いわゆるレバレッジのテコです。
これを見極めるのが戦略の着眼点です。

例えば3番目の要素を押さえると1番や2番や4番とか6番の要素まで問題解決に繋がるといったことがあります。

3番が解決して6番の要素が好転すれば、6番と5番は繋がっているので5番が良くなるきっかけができるし、5番が上手くいけば7番との相乗効果で上手くいくというように、物事の各要素の間を関連付けたりすることを考えるのもブレーンストーミングなのです。

他の要素や問題にも影響を与える中心的な要素というのは絶対あります。
しかし、その要素は目立たないのです。
目立つものというのは案外中心ではないのです。

新聞報道でも「消費税がアップした」「何かあった」という報道は全て表面上のことで、その裏側に何があるのかということ、報道で伝えていないことが大事だと私は思っています。

このように、目立たないことにこそ中心点があるのですが、そこを探り当てる洞察力が大事なのです。

そして、他の要素や問題にも影響を与える中心的な要素を見極めるには、体質や背景を見なければいけません。

例えるならば、トイレの臭いを消臭剤や香水でごまかしても、消臭剤や香水の効き目がなくなったら臭くなってしまいます。

ですから、配水管の掃除など大本の臭いの元を断たなければいけません。
大本の原因・体質の例を挙げます。

まず、その人の「思考のクセ」があります。
悲観的すぎたり、楽観的すぎたり、適当すぎるといった思考のクセです。

あるいは、「ムダな習慣」というものもあります。
本人は良いと思っているけれどもムダな習慣だということがあります。

あるいは、「思い込み」というものもあります。
本人の先入観で行動が不正確になることもあります。

あるいは「知識不足」ということもあります。
知識が足りないために適当にやってしまって、そのフォローに時間が掛かってしまうことがあるのです。

「思考のクセ」「ムダな習慣」「思い込み」「知識不足」といったものを直せば目先の問題が解決することもあります。
本当の中心的な要素というのが「時中」ですが、まずはこれを見極める態度も大事です。

そのベースとして「前進する意識」「三方良しとする意識」「目的を設定する意識」「変化を味方とする意識」という習慣ができた上で「時中を見極める」というスキルを使うと、非常に物事の解決がしやすくなって、あなた自身もムダな動きをせずに済みます。

ぜひ参考になさってください。
私はいつもあなたのスキルアップ、成長・発展を心から応援しております。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
商品に関するご質問・ご相談はこちら