柴山式総勘定元帳と「株主資本等変動計算書」の関係

今回の「頑張ろう日商簿記2級合格」は、柴山式総勘定元帳と株主資本等変動計算書の関係というテーマでお話をしたいと思います。
まず、柴山式総勘定元帳について改めて確認します。

十字を書いて、左上がⅠ資産のエリア、右上がⅡ負債グループ、右真ん中がⅢ純資産グループ、右下がⅣ収益エリア、左下がⅤ諸費用のエリアとなります。
こういった5つのエリアに、それぞれの性質にあった勘定科目を区分して書いていきます。
 
たったこれだけのことですが、この柴山式総勘定元帳で多くの方が短期間で日商簿記検定の各級に合格されたり、簿記をマスターしたり、小学生や中学生のお子さんたちも簿記検定にチャレンジして合格を勝ち取っているツールです。
 
今回はこの柴山式総勘定元帳のエリアⅢの純資産についてのお話です。
純資産をさらに細かく言うと、資本金と利益剰余金がありますが、これを株主資本といいます。
 
株主資本に関する1年間の増減を株主資本等変動計算書で表します。
これは簿記2級の範囲に入っています。
 
株主資本等変動計算書が苦手な方も割といらっしゃるので、この機会に柴山式総勘定元帳の理解と合わせてまとめて覚えてしまうと、非常に得点源になりやすいです。
実はここは最近の試験に出ています。
 
これまでにも2回程試験に出ていて、最初はみなさん戸惑ったと思いますが、最近出た試験問題は比較的点数が取りやすいので、ぜひ出たら得点源にして頂きたいです。
 
全く理解しないと全然点数が取れませんが、知っているか知らないかで20点ぐらい違ってくるので、ぜひこの機会に覚えてください。
 
分かれば簡単です。
簡単な事例で紹介します。
 
まず、期首の貸借対照表があって、1年後の期末の貸借対照表があります。
1年間の動きを、損益計算書と株主資本等変動計算書で、特に純資産の動きを明らかにします。
 
まず期首ですが、諸資産の1,000万円、負債が600万円、資本金が100万円、利益剰余金が300万です。
 
利益剰余金が300万でスタートするのが株主資本等変動計算書です。
資本金も本来は株主資本等変動計算書に入りますが、今回は動きがないので省略します。
 
では、いきましょう。
簡単に3つの取引を考えます。
 
最初に費用を払いました。
250万払って費用が発生しました。
(借方)①諸費用250万 (貸方)諸資産250万となります。
 
それに加えて、50だけ負債が発生しました。
(借方)②諸費用50万 (貸方)諸負債50万です。
 
①と②の諸費用の合計で300万の費用が損益計算書に登録されます。
これが費用の集まりで、利益のマイナスです。
 
その一方、③ですが、以上を踏まえて、300の費用に対して480の売上がありました。
(借方)諸資産480万 (貸方)諸収益480万となります。
そうすると、480万の収益が上がりました。
 
エリアⅣは利益のプラス、エリアⅤの利益のマイナスになります。
つまり、右下の収益は純資産のプラスで、左下の諸費用は純資産のマイナスになります。
このようにご理解ください。
 
そうすると、480と300の差し引きで180だけ利益が増えるはずです。
この180をその下の利益剰余金に加算します。
 
簿記2級では損益振替仕訳というものがありましたが、損益振替をします。
これは架空の集計単位です。
 
この差し引きで180が出ますが、これをさらに利益剰余金へ振り替えます(資本振替)。
これは簿記3級でやっていることですが、この流れをイメージしてください。
 
利益剰余金は期首の300と180を足して480になります。
この480が期末の貸借対照表に移されます。
 
この大きな流れを知っておくと、株主資本等変動計算書は意外に難しくないということを分かってほしいのです。
今回は配当などの支払いがないので、マイナスはないです。
 
今度は貸借対照表を作ります。
期末の残高は諸資産が借方1,480貸方250なので、差し引きで借方1,230です。
諸負債は600+50で650になります。
 
そうすると、合計は借方が1,230で、貸方も1,230のはずです。
650+100で750。
750+480で1,230になります。
 
ということは、借方と貸方がイコールになります。
これを貸借平均の原理といいます。
このようにピタッと合います。
 
つまり、柴山式総勘定元帳のエリアⅢのT字勘定の動きを写したのが株主資本等変動計算書と分かって頂ければ良いです。
 
柴山式総勘定元帳が分かると損益計算書と株主資本等変動計算書と期末の貸借対照表の3つの財務諸表の関係が分かって、点が取れます。
ぜひ第二問で株主資本等変動計算書が出たら得点源にしてください。
 
私はいつもあなたの簿記検定2級合格、そして簿記の学習を心から応援しております。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

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