日本の職場と「影響の輪・関心の輪」【お悩み相談】

今回はお悩み相談ということで、早速ですが視聴者の方からのご相談を紹介したいと思います。

「日本の職場はブランク(会社を辞めて再び働き出すまでに1年以上ブランクがある人)に厳しいと感じるのですが、柴山先生はどう考えますか?学校を卒業してからずっと定年まで働き続けるのは結構しんどいと思うのです。私は18年以上ずっと同じ所で働き続けましたが、いろいろ疲れてしまって、今は働いていません。いわば人生の充電期間だと思っています。長期で休むことにもっと寛容な日本になれば、もっと生きやすくなると思いませんか?『働き方ももっと多様になればいいのに』と思います」という内容です。

 

この方は18年以上同じ所で働き続けていたそうですが、これは今時大変なことで、すごいと思います。

 

終身雇用制度が当たり前だった頃ならばともかく、今は転職が一般的になっているので、その中で18年働くというのはなかなかできることではないので、素晴らしいと思います。

 

しかし、今は疲れてしまったようで、充電期間としてお休みしているようですが、ブランクに対して日本の職場はまだまだ寛容ではないということをおっしゃっています。

 

かつては終身雇用・年功序列賃金の制度が一般的でしたが、それに比べて今はずいぶん柔軟になったとは言いながら、まだまだ「入ったら定年まで働くだろうな」という意識を持つ価値観もまだまだあると思います。

 

それが良い・悪いということではなくて、それが日本の職場の特徴だと思っています。

定年までずっと一直線で働くことができるかというと、ケースバイケースで、できる人もいればできない人も多いでしょう。

 

そのときに、一度職場を離れてから再び戻ることに対して日本の職場は冷たいのではないかという提言だと思います。

 

これに関しては、「7つの習慣」の第1の習慣を考えるのに非常に良いケーススタディなので、今回このご相談を紹介しました。

 

第1の習慣は「主体的である」ということです。

良い・悪いではなくて、「質問者の方からいただいた今のご意見はもっともだ」ということを前提で話をします。

 

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、第1の習慣には「影響の輪」「関心の輪」という有名な図があります。

 

「影響の輪」というのは、自分の行動で変えられる範囲、自分が影響を与えられる範囲のことです。

 

もっと広い形で、「こうありたい」や「こうなってほしい」という、自分が関心を持っている大きな輪があります。

その中に、少し小さい「影響の輪」があります。

 

影響の輪が大きければ大きいほど、パフォーマンスの能力(Performance Capability:PC)が高いということです。

 

影響の輪が大きければ、それだけ関心の輪との差が縮まります。

関心の輪にあることというのは、関心はあるけれども自分では変えられないのです。

これが一番厄介で、これに対してストレスが溜まるのです。

 

ちなみに影響の輪には2種類あって、1つは自分が直接的にコントロールできる問題です。

2つ目は間接的にコントロールできる問題です。

2つ目が厄介で、これができてしまうと過信してしまうのです。

 

最初に考えるのは、1つ目の直接的にコントロールできる問題が影響の輪としては一番響くので、ここがポイントです。

 

次に、自立ができて、自分の人格が形成されて(第1の習慣から第3の習慣)、第4の習慣、第5の習慣、第6の習慣というのが後半間接的にコントロールできる問題で、自分が自立した後の話なので、2次的なのです。

 

だから、2つ目はあまり過大評価しないほうがいいと思います。

2つ目が大きくなってくるのも影響の輪に影響しますが、ここがグレーゾーンのようになってしまいます。

 

自分がコントロールできないものを「コントロールできてしまう」と勘違いしてしまう可能性があります。

 

2つ目の間接的にコントロールできる問題というのは、そもそも自分が直接的にコントロールできる問題のレベルを上げなければいけないので、実は2ステップなのです。

 

1つ目がきちんとできてから2つ目ができるというイメージなので、最初は2つ目は小さめに考えておいたほうがいいかもしれません。

1つ目はやればかなりできるはずです。

 

そして3つ目は、コントロールできない問題で、これを見極めることが大切です。

自分ではどうしようもない問題に対してイライラすることがあると思います。

これが関心の輪にあるためにイライラするのです。

 

いろいろな自己啓発の理論で出てくる話を分かりやすく置き換えたのが、この「関心の輪」なのです。

 

今回の質問についてですが、日本の職場の状況というのは影響の輪の中にあるでしょうか?

 

これは変えることができませんので、7つの習慣で考えると、今の日本の職場は不満もありますが、日本の職場全体の問題として、自分がいた職場がどうかというのは、実は関心はあるけれども自分ひとりではどうにもできません。

 

つまり、日本の職場環境の考察というのは影響の輪の外にあって関心の輪にあるという、少し厄介な存在なのです。

 

ではどうするかというと、コントロールできないものは、それはそれとして受け入れて、自分の影響の輪を強化して広げるという努力をします。

 

ここに頭を切り替えると非常に精神衛生上いいです。

関心の輪に対してイライラするという習慣があるならば、イライラすることをやめたほうが無難です。

 

つまり、コントロールできない問題と見切ってしまって、「それは自分では変えられないものだ」というふうに受け入れてしまうのです。

 

もちろん、いろいろ言葉に出して評価・批判をするのも良いと思います。

あとは、自分の行動に転化するときには、コントロールできない問題だと理解して行動を起こしてください。

 

そうすると、精神衛生上いいです。

7つの習慣の第1の習慣(主体的である)にある「影響の輪」「関心の輪」というのはとても大事な原則なので、良かったらご参考になさってください。

 

今回いただいたご質問は、私の解釈では、影響の輪の外にあって関心の輪にあるので、これはコントロールできない問題に対する議論だなということを理解しておきたいと思います。

 

こういうイメージを持つと、これはこれで割り切れると思います。

ご参考になったでしょうか。

頑張ってください。

 

ご質問をいただいた方、本当に貴重なご意見をありがとうございました。

私はいつもあなたの成功・スキルアップを心から応援しております。

ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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