利益率と原価率の関係【簿記1級】
今回は原価率と利益率の関係というテーマでお話をしたいと思います。
「原価率」「利益率」「利益付加率」という3つの関係について考え方を整理しておくと、後々迷うことがなくなると思いますので、解説をしたいと思います。
この部分は分かる方は分かるのですが、混乱する方も一部いらっしゃるようです。
簿記2級の勉強にも使えますし、商売でも役に立ちますので、この機会にぜひ覚えてください。
それでは事例を使って解説します。
売価が1,000円で原価が800円の物があったとすると利益は200となりますが、この場合の3つの関係について説明しましょう。
まず、売価が1,000円とすると、売上高1,000-売上原価800円で売上総利益(粗利益)は200円となります。
一番分かりやすいのは、売価と原価の比較です。
原価÷売価で原価率を求めることができます。
問題で原価率を聞かれたら、原価と売価の比較で、原価率は80パーセントとなります。
あとはこのようなパターンもあります。
利益と売価の関係は売上高利益率ですが、損益計算書ならば売上高総利益率といいます。
あと、稀にご質問をいただくことがあるのは、利益付加率についてです。
利益付加率についてピンとこなくて混乱する方がいらっしゃいますが、これは原価と利益の関係です。
原価に対する利益の比率を利益付加率といい、マークアップともいいます。
原価の800に利益200をアップするという感じです。
経済学ではマークアップ原理と言ったりもしますが、利益の付加率です。
利益付加率は利益÷原価で求めることができます。
利益÷売上のことを売上高利益率といいます。
原価÷売上のことを原価率といいます。
これらを知っていただければいいと思います。
昔は日商簿記検定2級で本支店会計の内部利益率というのがありました。
たとえば「800の原価に対して25パーセントの利益を付加する」というような内容の問題もありました。
それから、売価還元法という期末の評価方法を勉強すると原始値入額というものが出てきます。
スタートは原始値入額で、そこから値上げや値下げを足し引きして、売価還元原価法の原価率を出すということもあります。
今後、売価還元法を勉強するときにもこの関係をイメージするといいと思います。
今回は利益付加率という考え方をぜひ知っておいてください。
利益付加率は利益÷原価で求めることができます。
原価率、利益率、利益付加率の3つの関係をこの図でイメージしていただければいいと思います。
ぜひご参考になさってください。
このようなことを頭の中で柔軟にコロコロ転がして応用ができるようになっていただくと、商売でも使えますし、利益率の計算というのは財務分析でも使いますので、参考になさってください。
私はいつもあなたの簿記1級合格を心から応援しております。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。