企業の存在意義と戦略【経営戦略を学ぶ】

第1回目の「経営戦略を学ぶ」をお送りします。

 

この番組の目的は、ビジネスマンに経営戦略というものがどういうものか、そしてそれを仕事や経営に活かすにはどのようなところに気をつけたら良いのか、そのようなヒントやコツを分かりやすくお伝えできればと思います。

 

私は公認会計士・税理士として1992年から企業の監査やコンサルティングを行っており、自らもインターネットを使った会社の経営をしています。

 

そのような観点から、実践に使える経営戦略論を5分から8分でお伝えしようと思っています。

お気軽に空いた時間などでご覧ください。

 

今回のテーマですが、「企業が存在する意義と戦略」です。

なぜ企業があるのかが分かると、戦略というものが見えてきます。

 

「戦略」というと難しく聞こえますが、あまり難しく考えずに軽く考えましょう。

そもそも、なぜ会社があるのかという、存在する意味がある程度はっきり分かると、そこから逆算をして戦略を考えることができます。

 

「財務を制する者は企業を制する」という私が好きな本がありますが、そのなかでは「企業の存在意義というのは『公共』『営利』『健全』の3本柱が大事だ」と言っていますが、「公共」というとどうしても政府や官公庁のようなお役所のイメージがあるので、私は「公共」の部分を「貢献」と言い換えています。

 

「貢献」「営利」「健全」の3本柱が会社や個人事業が存在する意義ではないかなと思っています。

 

たとえば市場があります。

要するに、ドラッガーでいうところの「社会」です。

 

物を買うお客さんたち(顧客)がいます。

こういうお客さんたちへ満足を与えるのが会社である個人事業なのです。

 

たとえば自分をA社として、B社、C社……Z社など、いろいろな会社があります。

いろいろなライバル企業があるなかで、1つのマーケットにおいて、たとえばA社がマーケットに貢献をします。

 

これを先ほどの本では「公共性」と言っていますが、つまり「役に立つ」ということです。

世間の役に立つことがまず第一です。

役に立ってお客さんとの関係作りをすることなのです。

 

マーケットにおいてお客さんたちに満足してもらうということは、お客さんたちに貢献をして信頼を得ることが一番です。

 

これがあってから次に「営利」というものがあります。

営利というのは利益を追求することです。

 

お客さんが満足をしてお金をいただくのですが、このお金が利益です。

その利益をきちんと会社の中に貯めて、無理な支出をせずに安全に会社を運営すれば、当然財務体質が良くなります。

 

これが「健全性」といって、簡単に言うと「借金が多くないこと」です。

これはまた別の機会にお話しますが、「健全」というのは、必要以上に借金をしないということです。

 

多すぎず少なすぎず、適正な借金ということです。

借金は多すぎるより少ないほうがいいのですが、借金が少ないということは事業のチャンスを失うので、企業拡大ができなくなることがあります。

 

このあたりのさじ加減もありますが、多すぎるよりはマシです。

まずは貢献をし、お客さんが喜んでくれたらお金をいただき、これが営利になりますが、それを浪費すると健全性には繋がりません。

 

よくあるのが、儲かって成金のようになって良い車をガンガン乗り回したり、銀座で飲みまくったりするオーナー社長さんの話があります。

 

身の丈以上に遊び過ぎると健全性が損なわれるので、「貢献→営利→健全」の3つのサイクルがきちんと回ることが大切なのです。

財産がきちんとあるから貢献するためにお金が回せるのです。

 

このサイクルが高速回転することによって貢献がどんどん増えて、お客さんがたくさん喜んでくれます。

 

たくさんお客さんが喜んでくれるということは、たくさん買ってくれるのでマーケットも拡大するのです。

 

こうやって貢献→営利→健全、また貢献→営利→健全、そして3巡目の貢献→営利→健全というように、どんどんこのサイクルの頻度が上がっていき、成長発展していくというのがマーケットの拡大です。

 

つまり、貢献を増やすのです。

貢献を増やすには利益が必要です。

そして、利益を無駄遣いせずに新しい事業のチャンスに投入します。

 

それによってまたお客さんが喜んでくれて、さらに貢献が増えて、営利が増えます。

営利が増えて、その利益を正しく使って健全な財務体質でまた貢献を行います。

この流れが大事なのです。

 

ただし、問題なのは、A社だけではなくB社もC社も、どの会社もそれぞれが幸せになりたくて、それぞれが一生懸命頑張るわけです。

 

ということは、他のライバル企業との兼ね合いで自分も競争して頑張らないと努力できません。

 

もし、ライバル企業がないとどうなるでしょうか。

努力しなくてもお金が儲かってしまい、やる気がなくなって、結局事業は停滞してしまいますので、ライバルはいたほうがいいのです。

 

ライバルがいるからこそ、相手に負けないように努力するのです。

これが戦略が必要な1つの理由です。

 

会社が1つだと「独占企業」といって、ダラダラしてしまうのです。

電気事業などがそうです。

他に競争者がいないと不当に料金を上げたりします。

 

独占企業というのは料金を上げやすいのです。

きちんと競争するからこそ値段を不当に上げずに価格競争をしたり、健全な努力をします。

 

したがって、社会的にはライバルはいたほうがいいのです。

あなたの会社の市場にもライバルはいるはずですが、ライバルとの切磋琢磨でお互いにレベルアップするのです。

 

ライバルがいるからこそ自分も発展するしマーケットの拡大するのです。

ということは、ライバルの存在というのは必ずしも悪いことではないのです。

そこで戦略ですが、たとえばA社以外にZ社という他社がいたとします。

 

他社も頑張って「貢献」「営利」「健全」のサイクルで頑張るわけですが、それを見てA社も「Z社が頑張っているから負けていられない。Z社がやっていることを一生懸命研究して、お客様のことをきちんと理解して、さらに貢献を増やそう」というような、お互いの競争によってどんどん発展していくのです。

 

競争のときに何のルールもなく適当にやってしまうと勝てません。

そこで、ライバルとの関係などでライバル企業との競争に勝つ、負けない。

 

そして経営の目的という貢献をより高いレベルで達成する。

この2つのために戦略があると思ってください。

 

戦略というのは、1つは経理の目的を効率良く達成するための方法・ルールであるのと、もう1つはライバル企業との経営競争に勝つための方法・ルールだとイメージしていただければ結構です。

 

自分たち1社だけしかないと、人間というのは怠けてしまうのです。

だから、ライバル企業がいると「負けられないぞ」と思って頑張れます。

そこで戦略というものが出てくるのだと思ってください。

 

いろいろな解釈がありますが、まずはこのようなイメージで結構です。

ぜひご参考になさってください。

 

私はいつもあなたの経営戦略の能力の発展、そして成長にいつもサポート・応援を惜しまないつもりです。

 

ぜひ今後の動画にもご期待ください。

ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
商品に関するご質問・ご相談はこちら