「自信」は成功体験の上につくられる。【がんばろう!日商簿記1級合格509】
がんばろう日商簿記1級合格、今回は「自信は成功体験の上につくられる」というテーマでお話をしたいと思います。
「自信を持つ」という言葉がありますが、実は何もないところから自信を持つというのは難しいのです。
「自信を持ってがんばろう」という指導をすることがありますが、あの指導というのは裏腹があって、やみくもに言うとダメなのです。
レベルの高くない指導者の方がやるとかえってやる気をなくしてしまいます。
自信を持つにはかならず前提があって、何もないのに「君はできる」とか「自信を持て」と言ってもダメなのです。
なぜかというと、本人に成功体験がないからです。
自信には何か必要かというと、成功体験なのです。
だから簡単に「自信を持て」と言ってはいけないのです。
「私のことを分かりもしないのに勝手に言うなよ」と思われてしまいます。
言う場合は、下準備をしてから言ってください。
松岡修造のような「がんばれ」はコマーシャルだからいいのであって、現場の指導でそれをやるのはキツいです。
まずは生徒に興味を持たせて、モチベーションをアップさせないと自信は持てません。
モチベーションアップの前に何があるかというと、成功体験なのです。
小さな成功体験をいかに持たせるかが指導者の一番のポイントです。
自習するときも同じで、自分自身に対して指導するのが自習です。
自習や独学というのは、自分自身生徒であり、ナビゲーター役でもあります。
独学する人は気をつけてほしいですし、指導者も気をつけてほしいですし、人から習うときにも気をつけてほしいです。
指導者がやみくもに「自信を持て」とか「がんばれ」と言う場合はそれを鵜呑みにしないように注意してください。
自信というのは必ず成功体験がベースにあります。
失敗体験を積み重ねた人に対して「自信を持て」というのは無理なのです。
だから、失敗をした人に「自信を持て」というのは注意が必要です。
成功体験を思い出させて自信を持たせないといけません。
失敗した状態だと、失敗のほうが頭の中に渦巻いていて、その状態では自信は持てません。
自信を持つのは失敗体験を忘れるというところにしかありません。
成功体験を過去に練習などで積み重ねている人だけが自信を持てるのです。
だから、普段の指導で失敗体験ばかり植え付けている指導者が「自信を持て」というのはおかしな話で、そういうケースもあるので、そのような指導者は個人的には一人前とは言えないと思っています。
実際に結果を出すのは生徒であり本人です。
本人がモチベーションアップをして、本当の意味での自信を持たなければ結果が出てきません。
人間の心理というのはそういうもので、自信がない状態ではパフォーマンスを発揮できません。
自信があれば最高のパフォーマンスを発揮します。
それは成功体験の積み重ねなのです。
失敗は一瞬は考えるけどいつまでも引きずらないというのはすごく大事です。
いつまでもくよくよしてしまいがちで、1年前や2年前のことも引きずってしまいますが、それをやらないことです。
感情的に引きずってはダメです。
良い意味で忘れてほしいのです。
なぜかというと、脳の調整機能が正しく働くからです。
成功機能といって、成功体験をよりプラスに置き換えるという素晴らしい機能が潜在意識であります。
失敗体験を意識してしまうと、再び失敗してしまいます。
悪いほう悪いほうで考えてしまうと本当に悪いほうへ行ってしまいます。
あなたの脳味噌は本当に高度なコンピュータなので、失敗体験も知っていていいですが、引きずらないことです。
「自分はダメな人間だ」とは思わないことです。
あなた自身の人格と失敗体験は関係ないです。
失敗体験をしたからといってあなた自身がダメな人間というわけではないのです。
失敗体験を良い意味で忘れてください。
同じ失敗をしないようにという意味で戒めるのはいいですが、失敗自体をいつまでも引きずらずに、良い意味で忘れてください。
そして成功した体験だけをしっかりと記憶して、上手くいったことだけをもう一度繰り返してください。
上手くいかなかったことは、二度と繰り返さないという意味で忘れてしまいます。
例として、釘をハンマーで打つという行為を考えてほしいのですが、最初に慣れないうちに、9回失敗して打ち損なって、1回成功した場合、9回の失敗のほうが圧倒的に多いわけです。
反復をすればするほどその行動が強化されるならば、9回反復をした失敗がもっと強化されて、打ち損じのエキスパートになります。
ということは、単純な反復だけでいいというわけではないのです。
ここがポイントで、今まで「繰り返し勉強しよう」という話をしましたが、慣れないうちは失敗のほうが多いのです。
失敗のほうが多いのだから、何回やっても最初は失敗が多いです。
もし人間の脳が、数多く体験したほうをより強化するならば、失敗のほうがどんどん強化されて、失敗のエキスパートになるはずですが、そうはなりません。
繰り返せば繰り返すほど、最初は9回のうち1回成功したのが、今度は8回に2回、7回に3回となって、何度も繰り返していくうちに、成功が9回で失敗が1回というように逆転します。
なぜ最初に少なかった成功が強化されて、たくさんあった失敗のほうが強化されないのかというと、あなたの脳味噌の中にある「成功キセイ」と言って、失敗を上手に忘れて成功だけをきちんと脳に刻むという効率のいい機能があるからです。
成功体験だけを脳のシナプスに刻み込んで、もう一回これをやるようにするというように、成功の部分だけを脳に刻んでいるのです。
これが反復の本当の意味です。
反復の本当の意味というのは、成功体験だけを脳に刻んで失敗体験を上手く忘れることなのです。
そうすると、失敗体験はだんだん存在感がなくなってきて、9対1で失敗のほうが多かったのが、8対2になり7対3になり6対4になり5対5になり4対6になり3対7になり2対8になり1対9になるというふうに、成功のほうが逆転して多くなります。
あなたの脳が上手く調節しているのです。
だから最初は失敗が多くてもいいのです。
日商簿記検定1級も同じで、最初は失敗が多いですが、その失敗をいつまでも引きずっていると、失敗のほうが量が多いのだから、そちらのほうばかり覚えて成功体験を忘れてしまいもったいないです。
せっかくあなたの脳が上手に調整してくれているのですから、失敗は良い意味で忘れます。
失敗を忘れて成功だけにフォーカスをすれば、だんだん成功の存在感が上がっていって、あなたの脳が上手に数少ない成功体験だけをしっかり脳に刻んで、失敗を上手く捨ててくれます。
そうすると残ってきた成功体験だけが反復が積み重なって、だんだん成功のレベルが上がってきて、それが自信に繋がります。
これはとても大事なことです。
特に指導者の方はよく見ておいてください。
成功体験の積み重ねの上にしか自信は持てないのです。
だから、無理なことは言わないでください。
成功体験をロクに積ませていないのに「自信を持て」というのは、ダメです。
成功体験をさせて、その成功体験に見合った自信を持たせるのが指導者の役割です。
自習や独学をするときにも、自分自身をそうやって勇気づけてください。
成功体験に見合った自信を持てば良いのです。
焦らずに頑張ってください。
私はいつもあなたの成功と日商簿記検定1級の合格を心から応援しています。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。