上場企業の売上高経常利益率が最高に!
2015年4月~9月期の第2四半期決算を終えた3月決算企業1530社の今期見通しを日経新聞が集計しました(金融等を除く)。
その結果、売上高経常利益率が6.6%と、金融危機前の2007年3月期の6.5%を上回るそうです。
ちなみに、4月~9月の実績が7.1%とはじめて7%を超えました。
なお、親会社のみの単独決算が主流だった1980年~1990年代は、意外にも売上高経常利益率が3%前後と低かったようです。
経常利益の合計額を見ると、今通期で34兆887億円で、過去最高だった前期から6.9%も増えるとのことです。
円安や原油安の追い風だけではなく、各企業の技術力や商品力が高まっていることが原因ではないかと考えられています。
ここで基礎知識です。
経常利益
営業利益※に営業外収益を加算し、営業外費用を控除して求めた利益のこと。
本業の儲けに加え、財務活動などの成果である営業外損益(営業外収益・営業外費用)を考慮するため、毎期発生する経常的な経営活動の総合的成果として捉えられている。
経営者の総合的な経営力を判定するための指標として我が国では非常に重用されている。
※営業利益=売上高-売上原価-販売費及び一般管理費
損益計算書の表示をおさらいしておきましょう。
1.売上高
2.売上原価
※※※売上総利益
3.販売費及び一般管理費
※※※営業利益
4.営業外収益
5.営業外費用
※※※経常利益
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(以下省略)
ここで、営業外収益とは、営業活動ではないが、毎期発生する経常的な活動から生じる収益のことで、受取利息・受取配当金・有価証券評価益・有価証券売却益・為替差益・雑収入(雑益)などがあります。
また、営業外費用とは、営業活動ではないが、毎期発生する経常的な活動から生じる費用のことで、支払利息・有価証券評価損・有価証券売却損・為替差損・雑損などがあります。
こういった、毎期経常的に発生する収益と費用を比較して求められる利益が経常利益なのですね。
この経常利益は、売上高に対しておおむね5%前後が標準的な目標といえるでしょう。
ただし、資本力や財務安全性に不安のある中小企業にあっては、そもそも金額規模が小さいため、できれば売上高経常利益率は10%を目指したいところです。
そういった意味では、上場企業で平均的に7%を超えようとしている売上高経常利益率は、かなり全体的に収益力の底上げがされてきているような印象を受けますね。
ぜひ、11月17日の日経1面と15面の記事をご参照なさってみてください。
(日経15*11*17*1)