租税回避対策で国際課税の新ルール?
G20は8日夜に、ペルーの首都リマで財務相・中央銀行総裁会議を開き、多国籍企業の租税回避を防ぐ新たなルールを採択したとのことです。
少し前から、各国の法人税率等の格差を踏まえた、グローバル企業の税逃れが増えている、といわれています。
明らかな脱税と異なるのは、外形上、税法の規定に明らかに反しているとはいえない状況だからなのですが、実質的にみれば、租税負担を著しく軽減しようとする意図が明らかと思われる状況をなんとかしよう、というごきです。
国の垣根を越えて、課税側が手を組み、グローバル企業の租税回避に対抗する狙いですね。
G20とOECDが連携して具体的なルール作りをしています。
税率が低い国の子会社に特許を持たせて、特許料収入の税額を低くおさえるなど、さまざまな手法が考え出されています。
なお、企業が支払う代表的な税金として、法人税・住民税・事業税の3つがあります。
これらは、損益計算書の末尾に近いところ、おおむね当期純利益のすぐ上に表示されます。
(損益計算書)
売上高(+)
売上原価(ー)
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売上総利益
販売火及び一般管理費(ー)
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営業利益
営業外収益(+)
営業外費用(ー)
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経常利益
特別利益(+)
特別損失(ー)
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税引き前当期純利益
法人税・住民税・事業税(ー)←ココ!
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当期純利益
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なお、新聞によりますと、OECDの新ルールは、タックスヘイブンで稼いだ利益にも課税するとか、特許を子会社に格安で譲った親会社に追徴課税するとか、子会社への利払いに対する税優遇を制限するとか、いろいろな規制を加えることになりそうです。
ここでひとつ雑学を。
そもそも税という字は、稲と脱が組み合わさってできているという説があります。
収穫物をかっぱがす、という語感ですね。
また、別の見解では、実りの悦びを分かち合う、のように解説されていることがあります。
現実を考えると、誰が悦んで納税するのか、あまり想像がつきません。
分かち合うという尊い精神で、みんなが納税しているなら、今回の記事のようなことはおこらないでしょうしね。
やっぱり、世の中はそんなに綺麗事ではなく、多くの場合、しかたなく払っている、というのが現実ではないでしょうか。
たとえば昨今、増税が当たり前と、世論が誘導されている感のある消費税なんか、価格競争力に乏しい中小企業のどこに、価格転嫁=値上げ交渉力があるというのか、値上げが、もしできなければ、実質値引きになるし、値上げをして、消費者から買い控えという対抗手段を取られたら、結局のところ、トータル税込の売上高はかわらず、税率アップの分だけ納税額が増える、ということもありがちです。
それに、だれもが悦んで消費税を納税するなら、何千億円も滞納がおきるわけないと思うのですが。
数ある国税(法人税、所得税などなど)のなかで、滞納額に関して、消費税はダントツのトップです。
現実は、楽観的にはいかないものですね。
(日経15*10*9*1夕刊)