会社番付~自己資本比率~
2014年度末の決算データに基づき、自己資本比率が高い企業をランキングで表したところ、製薬会社やゲーム関連の会社が上位に入ったとのことです。
昨今のアベノミクスの影響もあってか、業績が改善した企業が目立っています。
自己資本比率は、株主に帰属する持ち分である自己資本と会社の総資産の比率です。参考までに、ランキングの上位5位までを見てみましょう。
1位:大平洋金属…91.3%
2位:マブチモーター…91.0%
3位:長府製作所…90.6%
4位:ヒロセ電機…90.1%
5位:小野薬品…89.7%
なお、ここでいう自己資本は、厳密には、バランスシートの純資産(資産-負債)とは一致しません。
ほとんど変わらないので、財務分析上は純資産と総資産の比率でも、さしたる支障はないですが、日経新聞のこの時の記事も、会社の決算発表でも、自己資本は、純資産とは区別して、表記しています。
参考までに申し上げますと、連結財務諸表における純資産の構成要素は、
1.株主資本(資本金・資本剰余金・利益剰余金の合計-自己株式)
2.その他の包括利益累計額(その他有価証券の評価差額など)
3.新株予約権
4.非支配株主持分
の4つからなります。
このうち、3.新株予約権と4.非支配株主持分 を除いた株主資本とその他の包括利益累計額の合計を自己資本とするのがよくあるパターンだと思います。
たとえば、マブチモーターの純資産の内訳を見てみると…
(純資産の部)2015年3月期(百万円)
株主資本・・・・・・・・・・・・213,720
その他の包括利益累計額・・・・・ 19,537→→自己資本233,258(端数調整)
新株予約権・・・・・・・・・・・・・ 54
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〇純資産合計・・・・・・・・・・・233,312
◎総資産・・・・・・・・・・・・・256,368
自己資本比率=233,258百万円÷256,368百万円=91.0%
このような感じで、じつは純資産233,312百万円と自己資本233,258百万円の差は新株予約権54百万円程度と、ほぼ無視してもそれほど印象に差がないのです。
こういったことを知っておくと、また自己資本比率に対する理解が深まりますね。
なお、新聞で注目していた製薬会社とゲーム関連は、5位までの中では小野薬品一社だけでした。
そこで、参考までに6位以下の社名だけ挙げてみますと…
6位:富士機械製造
7位:コーテクモホールディングス
8位:大阪製鉄
9位:ローム
10位:オービック
11位:しまむら
12位:任天堂
13位:ファナック
14位:SANKYO
15位:田辺三菱
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たしかに、コーエーテクモホールディングスと任天堂はゲーム関連ですし、
田辺三菱は製薬会社ですね。
こういった上位に名を連ねた会社だけでなく、2014年度は、どの会社も自己資本を伸ばしたのではないでしょうか。
それと同時に、ROE(自己資本利益率)の伸びも目立ちます。
ROEが高くなると、株価が上昇しやすいので、さらに株高になるのでしょうか。
この辺りは、今後、さらに様子を見ておく必要がありますね。
ただ、どんなマーケットも一本調子で、上げ続けることもなければ、一本調子で下げ続けることもないわけで、かならず踊り場がやってきます。
株は安い時に買って高く売るのが基本ですから、高値づかみにならないよう、投資をする際には注意が必要ですね。
今後の各社の決算、ひきつづき注目していきましょう!
(日経15*6*2*15)