出光興産が在庫評価損などで1379億円の赤字
出光興産は7日に決算発表を行い、2015年3月期の連結最終損益が1379億円の赤字になりました。
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業績の概要は次の通りです。
2014年3月期
売上高 5兆349億円
営業利益 781億円
経常利益 819億円
当期純利益 362億円
2015年3月期
売上高 4兆6297億円(前期比△8.0%)
営業利益 △ 1047億円
経常利益 △ 1076億円
当期純利益 △ 1379億円
売上の減少に加え、原油価格下落による在庫の評価損が1333億円に膨らんでいます。
さらに、石油や石炭の開発事業などで減損損失705億円を計上しました。
減損損失というのは、ある事業や設備などの将来の収益性が低下すると予想される場合に、見込みの損失を計上し、その分だけ固定資産の評価を切り下げる臨時の会計処理です。
損益計算書の特別損失というところに計上されます。
今回の減益をもたらした大きな要因として、棚卸資産の価格下落に伴う評価損の計上があります。
ドバイ原油価格が2014年度平均で1バレル83.5ドルであり、3月末では55ドル近辺にあったようです。
在庫の期末時価が下がると、その分は評価損になります。
損益計算書の売上原価に含めて費用計上されますので、同じ売上高でも売上総利益(粗利益)が減少します。
※出光興産の2015年3月期の損益計算書(売上総利益まで)
売 上 高 4,629,732百万円
売 上 原 価 4,431,066百万円(-)
売 上 総 利 益 198,666百万円
このように、会社本来の営業努力とはあまり関係のない、マーケットの変動要因で会社の業績が大きく左右されることがある、というのも現代の企業決算の特徴といえるでしょう。
2016年3月期の連結業績予測は、売上高が4兆3500億円と6%の減収を見込んでいますが、最終利益は560億円と、黒字化を目指しています。
原油価格の動向に加え、為替相場の変動にも影響を受ける複雑な経営環境下で、今後の出光興産の健闘を期待したいですね。
(日経15*5*8*17)