質問の技術「オープンクエスチョン」【前を向いて歩こう310】



はい、皆さんこんにちは。
前を向いて歩こう、今回のテーマは「質問の技術」という話をしてみたいと思います。

久しぶりにコーチングネタなのですが、これはコミュニケーションを取る上で非常に重要な技術になります。
まあ、技術とは言っても勿論これは相手を操るとかそういう意味ではなく、関係をより良く気持ち良く話をしてもらうとか、人間関係をもっと気を遣わない気楽に、勿論ダラダラしては駄目なのですが、ピシャっといい感じでコミュニケーションを続けていければ当然これはプライベートもそうですが、仕事の場等でも毎日会社に行ったり、外に出るのが楽しくなります。

楽しくコミュニケーションできるような、そういったちょっとした気遣いと思って貰えれば良いです。
実は質問技術、パッと今何となく思い浮かんだ順から書いてみたのですが、まずは「オープンクエスチョン」。

この反対に「クローズドクエスチョン」というのがあります。
その他には「チャンクアップ」、「チャンクダウン」という言葉もありますし、あるいは質問の中に未来思考なのか過去思考なのかという話。

あとは技術というか注意点なのですが、「質問は一回に一つにする」。
一回に二つ以上の質問をすると、結構コミュニケーションが滞ってしまうので。
あるいは自分が考えている優先順位と違う優先順位で話されてしまうと、また違って来るのでこれは一回に一つなのです。

あとは、自分の予め想定している結論に誘導するような質問は良くないという話で。
こういう事が他にもいっぱいあるのですが、今すぐ思い付いたのはこの辺りです。
そして、今回このオープンクエスチョンという物について改めてお話してみようと思っています。

この辺りの技術は恐らく「前を向いて歩こう」も300回くらいになってしまっているので、多分どこかで話している気もするのですが、大事なところは1年に1回とか繰り返し話してみても良いかなという気もしますので、やはり大事なことというのは反復して覚えておきたいです。

そしてオープンクエスチョンというのはすごく大事なコミュニケーション手段なのでここでまた改めてお話をしてみたいと思います。
「オープン」というのは開かれた。
この反対に「クローズド」というのがあるのです。

簡単にセオリーをお話しますと、オープンクエスチョンというのは相手がどんな答えを返してくるか分からない、どんな答えを返してきても良いというものです。
逆にクローズドクエスチョンというのは大体答えが二者択一になります。
決まった答えのパターンしかないというのはクローズドクエスチョンで、これはこれで時間がなくて速く「右か左か」という結論を急ぎたい時にはクローズドクエスチョンを使います。

しかし、コーチングというのは「ある程度時間を掛けてじっくり選択肢を広げ、相手の成長を待つ」というじっくり型のコミュニケーションなので、恐らく8割以上はオープンクエスチョンを用いた方がコーチングは上手くいきます。
ケースバイケースで即断即決、速い結論あるいは最終決断のようにもう選択肢が2つしかない状態で選択させる場合にはクローズドクエスチョンもありです。
クローズドクエスチョンというのはイエス、ノーです。

例えば、「今日は暑いね」と言ったら「そうですね」あるいは「私はそうは思いません」みたいな。
「今の日本は景気がまあまあ良いよね」と言ったら「私も良いと思います」のイエス、あるいはノーです。
イエス、ノーで答えられる場合が大体クローズドクエスチョンの代表例です。
ちょっと仕事のよくある質問例で言ってみたいと思うのですが、ある社内で部下とのコミュニケーションという話題で話をしたとしましょう。

例えば、ある上司が社内ではコミュニケーションを深める、会社の中での人間関係の信頼関係をもっと深める為にはどうしたら良いかという事を話しているとしましょう。
上司から部下に言うわけです「人間関係を深めるにはやっぱり飲みに行った方が俺は良いと思うけど君はどう思う?」とか「人間関係を深めるためにはやっぱり飲みに行ったりするのも大事だよなぁ?」と聞かれたらどうします?
やはりこれはイエスかノーでしか言えません。
はい、とかいいえ、とか。
後は人間関係を考えて、そうですねとしか言いようが無いと思うのですが、あるいは「今の社内の雰囲気のままで良いと思うか?」と言われたら「駄目です」と言わざるをえないとか、これは誘導も入っているのですが、こういった風にイエスかノーでしか言えません。
「人間関係をより深めるためには飲みに行った方が良いと思うんだよね」とか、あるいは「もっと会話を増やした方が良いですよね」とか。

イエス、ノーになりやすい聞き方だと、例えば部下に対して、「A君、今のうちの社内の雰囲気どう?」と言ったら良いか悪いくらいしか言えないですよね。
「どう?」と言ったらオープンにもなり得るけれども、「今のうちの社内の雰囲気って明るいかな?」と言われたら「明るいです」とか「暗いです」としか言いようが無いです。
この様に、ある程度絞ってしまうパターン。

速い決断が必要なときはクローズドもありなのだけれど、相手は2つに1つとしか考えられないので、その他の第三の選択肢が言えません。
これがクローズドクエスチョンのちょっと辛い所です。
割と立場が上の者から下の者に聞く時はイエスとノーしか選択の余地が無いケースがあります。

これだとどうしても広がりが出ないので、もっとオープンにしたい。
例えば今のケースで、取引先との関係が聞きたいとしましょう。
部下のA君がある会社に何回か行っていて、A君にその会社との状況を聞きたい時に、クローズドクエスチョンの場合どうなるかと言うと、A君に対して、「最近あそこの会社に行っているよね、あそこの会社の担当者とどう?信頼関係上手くいっている?」と言われたら、「はい、上手くいっています」と言うか「いえ、今はちょっと上手くいっていません」という風に、イエス、ノーでしか言いません。

という風に、ある程度「どうなの?」とこれについてイエスかノーかという風に聞くような質問はクローズドになってしまうので、今みたいな形だとその先部下からの色々な付加価値のある情報が得られません。
「あの会社の担当者と上手くいっている?」と言われても、あるいは「交渉は順調?」と言われたら「順調です」とイエスと言うか、「いや順調じゃない」とノーと。
とりあえずこれでイエス、ノーになってしまう。

その次の質問を被せるというのもありなのだけれど、まずはイエス、ノーになってしまう。
では「オープンクエスチョン」のように部下からの色々な答えを引き出したい場合はどうするかというと、部下に限らずこれは上司でも同僚でも取引先でもそうなのですが、例えば今のA君に対する話だと、「最近あそこの会社の担当者とよく会っていると思うのだけど、今どんな感じ?」で良いのです。

「今会っている担当者との印象はどう思う?」みたいに聞けば、「最初のうちはちょっと固い感じだったのですけれども、最近相手の担当者の方が色々会社の中の困った事とか悩み事等も言ってくれるようになったので、目先の案件だけでなく長い関係が築けます」とかあるいは、「趣味が同じでゴルフをやっていることに気付いたんですよ」とか「今度一緒にゴルフやろうかという話もしているんです」とかそういう風に、イエス、ノー以外の新しい情報が手に入る可能性があります。
なので、一番簡単なのは「今どんな感じ?」とか「どう思う?」と聞いておけば良いわけです。

例えばさっきの部下との社内のコミュニケーションを高めるという意味でもそうです、「俺は飲みに行くのが良いと思うんだけど君どう思う?」と言われたらイエスかノーでしか言えません。
という風に、そうではなくて例えば、「社内でもっと皆の信頼関係を高めたりとか、コミュニケーションを深めたいよね、君どうしたら良いと思う?」とか聞けば良いわけです。
「どう思う?」とか「どうしたら良い?」とか「どういう風に感じますか?」と相手がどう感じるかということを話しやすいようなクエスチョン、これがオープンクエスチョンになります。

イエス、ノーだけではなくて、相手がどう感じるか、どう考えているか。
「今君はどういう風に考えている?」とか「どんな風に今思うかな?」とか「その辺り意見を聞かせてよ」という風に言えば色々言ってくれると思うのです。
そしてそれに対して否定をしません。
その辺り、承認というテクニックがセットではないと駄目です。

「いやそれは違うだろ」と言われたら、相手は絶対それを予測しますから話しません。
なので、質問だけでなく、オープンクエスチョンをしても、オープンクエスチョンをした後に否定されると思ったら誰も言わないので、質問というのはその後のアクノリッジメントと言いますが、承認という技術とワンセットです。
「何でも言ってよ」と言いながら言われたことに対して「いやそれは違うだろ」と言われたりとか、あるいは話の途中で遮られて話を割り込んで来られたりしたら相手は話しません。

なので、実は聞く時の姿勢も大事だし、承認という次の技術もしっかりと使って組み合わせるという事が大事です。
この「オープンクエスチョン」。
やはりこれが普段10の会話のうち、8割くらいをオープンで話す人と、10のうち8割をクローズドにする人、当然会話の広がりが違ってきます。

ぜひ、これを今日から明日から使ってみて下さい。
あなたの周りのコミュニケーションが変わってくると思います。
私はいつもあなたの成功を心から応援しています。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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