企業の実態とマクロ状況と決算書
企業の実態とマクロ状況と決算書…
冒頭でも申し上げましたが、昨日、SMBCコンサルティング様主催の
セミナーを担当しました。
そのときに、かなり時間をかけてお話させていただいたのが、
下記の内容です。
ちなみに、財務諸表(決算書)を読む時に、
どの実務書にも書いていないけど、実はとっても大事な視点について、
お話させていただきました。
その再現を、ここでいたしたいと思います。
…決算書というのは、企業の実態を知る手がかりです。
そのポイントは、「変化のシグナルを、事が深刻になる前に読み取る」
ということなのですね。
まずは、下記の図を見てみましょう。
企 業
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マクロ状況●――――●決算書
(国、業界)
このように、企業というのは、マクロ状況という大河の流れを
よりどころとして、日々生きていく存在です。
たとえていうなら、
企業といういくつもの小舟が、大河の流れに身を任せながら、
川下へと流れていくさまが、企業の置かれている状況なのです。
ここで、不運にも、大河の天上で、大荒れの嵐(=大恐慌)が
吹き荒れたら、どんなにがんばって操縦しても、
もしかしたら、たまたま嵐の通り道のタイミングで
川の中流にいた企業は、その激流に飲み込まれ、
水中に沈むかもしれないし、
滝のある方向に流されてしまうかもしれません。
あるいは、それほど操縦が上手ではない船長(社長)が
動かす船であっても、たまたま河の状態が非常に良好で、
流れが穏やか(好況)の場合などは、たいした経営手腕では
無い人の会社でも、良い流れに乗ってしまう、という偶然も
あるかもしれません。
このように、企業を取り巻く大河(マクロ状況、市場環境)には、
やはり継続的に目を配る必要があります。
ここに、日経新聞やビジネス雑誌に日々目を通し、大河(市場)の
状況を把握する必要性があるのですね。
だから、日経新聞やビジネス雑誌、経済ニュースから
自社を取り巻く環境のゆったりとした変化や方向性を読み取る能力
は、どうしても必要になります。
特に、管理職として上級になればなるほど…
そして、その大河の流れにも、流れの速いところ、流れの
ゆったりとしたところ、枝分かれしてどんどん狭くなる支流、
あるいは滝つぼにつながる絶望的な支流、海へと続く穏やかな
流れなど、いろいろな行く末があるわけです。
その中で、できるだけ穏やかな流れに乗り、船(自社)を
安全に、かつスピーディに運行することが、大事ですよね。
ちなみに、大河の流れを所与として、
企業が正しい流れに乗っているかどうかを、客観的な目で
チェックできる計器類に相当するのが「決算書」なのです。
決算書で、利益率とか、ある特定の重要な資産項目の
動きを効率的に分析することで、
企業の方向性が正しい流れ(将来の収益性・成長性アップ)
に乗っているかどうかが、かなり正確にわかります。
これは、企業経営をするにも、自社で長く勤めようと
する従業員にも、取引先を分析する際にも、株式投資を
する際にも、不可欠なスキルですよね。
つまり、決算書という「計器類」を使いこなすことと、
日経新聞などのマクロ状況の情報を読みこなすこととの
相乗効果で、その舟(企業)の先行きを自主判断する
ことが、おおいに可能となります。
ここで重要なのは、
「たくさんの財務分析比率」を知ることではありません。
じっさい、ざっとあげただけでも、
30や40の財務分析指標はすぐに思い浮かびますが、
そのすべてに習熟しようとしても、時間が足りませんし、
非効率的です。
せいぜい、4つか5つの重要な(日経新聞にもよく出る)
財務分析指標や決算諸項目をしっかりと縦横無尽に
使いこなすだけで、まずは十分なのですね。
そのような趣旨で、「使える読み方、使える財務指標」
にしぼって作られた教材が、「決算書の読み方・使い方DVD講座」
であるわけです。
現時点では、もっとも決算書の構造や財務分析の基礎を学ぶのに
短期間で効果が出る教材です。
これと、本メルマガの日経新聞のテーマ解説をうまく組み合わせて
いただけると、効果は倍増ですね。
今後も、時事問題と関連付けて、楽しく会計が学べるよう、
いろいろと工夫を凝らしていきます!
どうぞ、お楽しみに!!