貸倒引当金の戻し入れ(前年度の設定が多い場合の2年度目以降)


前年度に売掛金が計上され、貸倒引当金を設定しましたが、
一年後の売掛金が、減少したとします。
 この場合、前期末の売掛金をベースに設定した貸倒引当金が過大になってしまったとします。
したがって貸倒引当金を修正する必要が出てきます。このときの仕訳・転記をする方法
を勉強していきます。
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                              lesson.059
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                (読者数3427人) 2004.10.08
 関連HP  http://bokikaikei.net/       (月・水・金 午前中) 
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【CONTENTS】
 ○ 貸倒引当金の戻し入れ(前年度の設定が多い場合の2年度目以降)
(※図が見にくい方は、等幅フォントまたはMSゴシックでご覧下さい) 
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 ○ 貸倒引当金の戻し入れ(前年度の設定が多い場合の2年度目以降)
 たとえば、前期末の売掛金と貸倒引当金の関係が、次のようだったとします。
          +   売  掛  金   -
          ――――――――――――――― 
         |残高 1500|
      ・←←|       |
      ↓  |       |
      ↓   -------|
    枝 ↓
    勘 ↓
    定 ↓  /+    貸倒引当金    - \
      ↓  | ―――――――――――――――  |(売掛金の分身)
      ・→ |        |決算   15  |
         |        |         |貸倒見込み率1%
         \                 |
                          /
 
 では、前年度(第1期)末の貸倒引当金15万円のまま、次年度(第2期)の
期末を迎えたとしましょう!
          +   売  掛  金   -
          ――――――――――――――― 
         |残高 1200|
      ・←←|       |
      ↓  |       |
      ↓   -------|
    枝 ↓
    勘 ↓
    定 ↓  /+    貸倒引当金    - \
      ↓  | ―――――――――――――――  |(売掛金の分身)
      ・→ |        |繰越   15  | 前年度ベース
         |        |         |
         \                 |
                          /
 以上のように、一年後の売掛金が、1500万円から1200万円に変動した
としましょう。
 この場合、前期末の1500万円をベースに設定した貸倒引当金15万円は、
過大ですよね!?
 したがって、当期末は、1200万円×1%=12万円に、貸倒引当金を
修正します。差額3万円は、前期末の方が過大なので、当期の決算に当たり、
取り崩す(貸倒引当金勘定の借方に記入する)仕訳・転記を行います。
<仕訳>
(借)貸 倒 引 当 金  3 (貸)貸倒引当金戻入益 3 
<転記>
          +   売  掛  金   -
          ――――――――――――――― 
         |残高 1200|
      ・←←|       |
      ↓  |       |
      ↓   -------|
    枝 ↓
    勘 ↓
    定 ↓  /+    貸倒引当金    - \
      ↓  | ―――――――――――――――  |(売掛金の分身)
      ・→ | 決算    3|繰越   15  |
         | ・・・・・・・|         |
         \差引 (12)|         |
                          /
 
          -   貸倒引当金戻入益  +
          ――――――――――――――― 
                 |決算    3
 参考までに、貸倒引当金のような、特定の資産(ここでは売掛金)のマイナス項目
を、「評価勘定」といいます。
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 ◆ 練習問題
 次の取引を、仕訳・転記しましょう。
 C社は、受取手形を200万円、売掛金を350万円、期末時点で保有していた。
 期末の決算に際して、受取手形と売掛金の合計額に対し、2%の貸倒引当金を
 設定することとした。なお、決算手続直前の、貸倒引当金の残高は、14万円で
 あった。
【解答用紙】単位:万円
 <仕訳帳>
   ――――――――――――――――――――――――――――――
   (借)            (貸)      
   ――――――――――――――――――――――――――――――
<総勘定元帳の一部>
  ――――――――――――――――――――――――――――――――
  +     受取手形     -      
  ―――――――――――――――    
      200|                        
          |                
  +    売 掛 金    -      
  ―――――――――――――――    
      350|                        
          |                
  +     貸倒引当金    -    
  ―――――――――――――――・ 
         |繰越   14・        
         |       ・        
         |・・・・・・・・
                   -   貸倒引当金戻入益  +  
                   ―――――――――――――――  
                          |                          
                           |                
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
【模範解答】単位:万円
 <仕訳帳>
   ――――――――――――――――――――――――――――――
   (借)貸 倒 引 当 金  3(貸)貸倒引当金戻入益 3      
   ――――――――――――――――――――――――――――――
<総勘定元帳の一部>
  ――――――――――――――――――――――――――――――――
  +     受取手形     -      
  ―――――――――――――――    
      200|                        
          |                
  +    売 掛 金    -      
  ―――――――――――――――    
      350|                        
          |                
  +     貸倒引当金    -    
  ―――――――――――――――・ 
  決算    3|繰越   14・        
         |       ・        
         |・・・・・・・・
                   -   貸倒引当金戻入益  +  
                   ―――――――――――――――  
                          |決算    3                          
                           |
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
 ※当期末の貸倒引当金残高:(200+350)×2%=11万円
  戻入額(差額)    :11万円-繰越額14万円=▲3万円

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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