「兵は『拙速』を尊ぶ」の本当の意味を、深く考えてみる!

孫子の兵法で経営戦略などにおいてビジネスマンの方が参考にする考え方があります。

 

「兵は『拙速』を尊ぶ」という言い方をしますが、これ自体は兵法の本文にはありませんが、この一般的な理解の問題点を確認しつつ、本当の意味は何かということを一緒に考えてみたいと思います。

深く読むときに私が参考にしているのは「孫子塾」という講座のテキストです。

孫子のことを学ぶときに、この孫子塾のテキストはすごく参考になると思っています。

他にもいろいろな孫子の本を読み比べながら勉強をしています。

 

「兵は『拙速』を尊ぶ」というのは歴史の本などを見ると、比較的よく聞きます。

「戦い方が上手くなくても速いほうが良い」というのが一般的な理解です。

 

これはこれで間違ってはいませんが、孫子の兵法の中では「兵は拙速を尊ぶ」というような内容にはあまり触れていません。

 

孫子の兵法の中も「拙速」という言葉は出てきますが、これを踏まえて世間一般ではことわざとして「現場における方法について、少々やり方が上手くなくても速く進めましょう」という意味に捉えがちですが、実はこれは違うというふうに言うこともできます。

 

そもそも、前提を知らないと「拙速」の意味を履き違えてしまうのです。

孫子がもし軍師として現場に行ったら、こんな上手くないやり方はするはずがありません。

成功させるために、1年前2年前に十分な戦いの準備をするのです。

 

商売ならば、「今思いついたことをパッとやるのではなくて、来年の今頃にやることを見越して十分に準備を練りましょう」ということを言っているのです。

 

要するに、事前の準備を年単位で行って、じっくり現場を見るのです。

これが「敵を知る」ということです。

 

地形を見る、情勢を見る、自分の国の状況がどうなっているのか、民衆は疲れているのかなども踏まえて自分や相手を知って、年単位でじっくり準備をしてから手段を考えますから、「手段が上手くない」などということはあり得ないのです。

 

ここが1つの誤解なのです。

戦い方は絶対に上手いのです。

 

そもそも戦い方が下手だったら成り立ちません。

問題は結果なのです。

 

十分に準備を練ってプロセスを徹底した後の結果が思いどおりにいかないと言っているのです。

結果は思いどおりにいかなくても、いろいろな段階があるのです。

 

理想的にベストの目的を達成することもありますが、「目的を達したら、欲をかかずに、深追いせずに、早く収める」というほうが孫子の言っている「拙速」に近いと思います。

 

結果に対する拙速なのです。

この「拙速」は「必要以上に追うな(あまり欲張るな)」ということです。

 

ダラダラと戦いを続けることが良くないのであって、プロセス自体は上手いのです。

臨機応変にその物事を達成したら、後はあまり深追いせずに早く収めろということです。

 

目的を達成して矛を収めるまでについて「拙速」と言っているのです。

したがって、「戦い方が上手くない」という部分がそもそも間違っているのです。

 

こう考えると「拙速」という言葉を非常に前向きに捉えることができます。

「準備を不十分な状態で行う」というイメージは明らかな間違いです。

 

「準備はしっかりやって、その上で結果について深追いせず、次のことを考えろ」と言っているのです。

 

速やかに収束させ、次に向かいましょうというふうに私は解釈しています。

ぜひ参考になさってください。

 

私はいつもあなたの成功とスキルアップを心から応援しております。

ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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