純資産の意味を「柴山式・総勘定元帳」で考えてみよう
「純資産」というものの意味について、柴山式総勘定元帳を使って説明します。
柴山式の簿記学習をされている方にはおなじみの表ですが、初めてご覧になる方に向けて簡単に説明をします。
真ん中で十字を書いて、その十字の右上にさらに横線を入れて、全部で5つのエリアに区分します。
左上は資産のグループ
右上は負債のグループ
右真ん中は純資産のグループ
右下は収益のグループ
左下は費用のグループとなります。
この5つのうち、資産と負債と純資産がバランスシートの項目です。
左上の資産から右上の負債を引いた差額が純資産になります。
純資産の「純」というのは「純粋」の「純」ではなく、「ネット(差し引き)」という意味です。
ですので、純資産に対する資産は「総資産」という言い方のほうが適当だと思います。
そして、資産から負債を引いた差額である純資産は誰のものかというと、株主のものです。
株主の立場からすると「自己資本」となります。
このように純資産というのは財産から借金を引いた手取りですが、その内訳が面倒なのです。
純資産という「取り分」は資産から負債を引いた差額なので、全体として取り分がいくらなのかがわかればいいのですが、会計上、どういう理由で発生したかということを明らかにするためにわざわざ区別します。
「資本金」は元本で、最初に出資した金額です。
最初に出資した金額のうち、資本金に入らなかったものを「資本準備金」と言いますが、簡単に言うと、資本金と資本準備金が元本です。
「利益準備金」や「繰越利益剰余金」など、科目名に「利益」とついているものはすべてその後の営業活動で増やした分です。
科目名に「資本」とついている勘定科目は出資額です。
「資本」と「利益」の2つが純資産の構成要素の主なものです。
簿記2級の場合は、この2つ以外に株の時価評価差額が入ってくるので、3つあります。
純資産の部で簿記2級で勉強するのは、「資本金」と「資本準備金」という元本、そして「利益準備金」と「繰越利益剰余金」という儲けの部分、さらに「その他有価証券評価差額金」です。
この3つがあると思って簿記2級の純資産の勉強をしていただくと、柴山式総勘定元帳を使った「純資産の部」という株主の取り分の内訳がよくイメージできると思います。
私はいつもあなたの簿記2級合格を心から応援しております。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。