利益が上がっても、お金が増えているとは限らない

今回は利益とお金の関係についてお話をしたいと思います。

クライアントである会社の社長さんから「預金通帳を見るとお金は減っているのに、決算書では利益が上がっていて、税金もたくさん払っているのだよね。税金を払うお金も足りないし、銀行で借りてまで税金を払うのは腑に落ちない」などというお話を聞くことがあります。

通常は資産が増えたときに利益が発生します。

財産というと「現金」というイメージがありますが、預金通帳の残高の増加と利益を比較しても、必ずしも同じ動きをしているとは限りません。

 

現金預金の動きだけをみるのは「キャッシュ・フロー」と言いますが、利益というのは必ずしも現金の増加だけが要因ではありません。

 

バランスシートの左側は財産の運用形態(どんな財産を持っているか)を表しています。

会計の世界では「お金」「権利」「モノ」の3種類が財産になります。

 

経営者にとってはお金が大事なので、どうしてもお金の増減と利益の増減を結びつけてしまいがちですが、実はお金以外の財産が増えても利益は上がったことになります。

 

たとえば売掛金は権利という財産なので、その時点でお金は入らないけれども、ツケで売ったときには売掛金という形で利益になります。

 

お金は入ってこないけれども財産が増えたと考えて、税金の計算上や会計上は利益とされます。

 

それと、上がった利益で商品を買ったり設備投資をした場合など、モノを買った場合も利益になります。

モノは財産ですので、現金から現物に変わったときにも利益は減りません。

 

いったん現金が入ったけれども、そのお金で商品在庫や設備などを買ったときにも利益は減りません。

 

このように利益というのは、現金預金などのお金、売掛金や貸付金などの権利、商品在庫や固定資産などのモノの3つの形態に分かれています。

 

利益が上がっても、その先にある財産は現金とは限りません。

お金以外の財産が手に入って利益が上がったとしても税金の計算対象になってしまうので、お金が足りなくなることがあるのです。

 

利益の先には「カネ」「モノ」「ケンリ」の3つの財産の形態があって、お金で増える割合が少ないと資金不足になりやすいと考えていただければいいと思います。

 

こういったことを考えることによって簿記・会計が身近になって面白いと感じていただければ幸いです。

ぜひご参考になさってください。

 

私はいつもあなたのスキルアップとレベルアップを心から応援しております。

ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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