1.兵は国の大事なり②【孫子の兵法を読んでみる!第1章計篇】

孫子の兵法、「第一章 計篇 テーマ1 兵は国の大事なり」2回目です。

早速ですが、読んでいきたいと思います。

 

道とは、民をして上と意を同じうせ令むる者なり。

故に之と死す可く、之と生く可くして、民は詭わざるなり。

天とは、陰陽・寒暑・時制なり。順逆兵勝なり。

地とは、高下・広狭・遠近・険易・死生なり。

 

将とは、智・信・仁・勇・厳なり。

法とは、曲制・官道・主用なり。

凡そ此の五者は、将は聞かざること莫きも、之れを知る者は勝ち、知らざる者は勝たず。

 

「道とは、民をして上と意を同じうせ令むる者なり」

「道」というのは国の理念のようなもので、民(国民)と上(君子)が同じような心で事に当たることができる、つまり一体感があるというという組織です。

 

会社でいうならば、社長と従業員が同じ経営理念に基づいて整然と行動ができるということです。

 

「故に之と死す可く、之と生く可くして、民は詭わざるなり」

生死を共にするぐらいの覚悟で君主と一緒に行動するという覚悟を持っているということです。

つまり、上も下も同じ気持ちで一致していて、方向性が同じということです。

 

「天とは、陰陽・寒暑・時制なり。順逆兵勝なり」

「陰陽」というのは、夜と昼間、日陰と日なた、新月と満月というような意味です。

 

「寒暑」というのは、寒い・暑い。

「時制」というのは、春夏秋冬のような、巡る季節という感じです。

 

そのような天の時の状況に素直に従うのか、あるいは逆をいくのか、いろいろな道理がありますが、そのような天の時を上手に活用して戦に勝ちましょうということです。

 

「地とは、高下・広狭・遠近・険易・死生なり」

「高下」は高い・低い、「広狭」は広い・狭い、「遠近」は遠い・近い、「険易」は険しい・易しい、「死生」は生き死にという意味です。

生き死にが決まるような決戦の土地の状況を自分の味方にできるかどうかということです。

 

「将とは、智・信・仁・勇・厳なり」

これは人に関する話で、「将」とは将軍のことで、リーダーの心得について書かれています。

 

「智」は知恵がある、つまり判断力があって、知識を持っていること。

「信」は部下から信じられているということ。

「仁」は部下に対して思いやりがあること。

 

「勇」は勇気を持って判断と行動が起こせること。

「厳」は威厳がある、言い換えればオーラを持っているということです。

 

つまり、将軍というのは、知恵があって、部下から信頼をされて、部下への思いやりがあって、勇気があって、威厳があるべきであるということです。

 

「法とは、曲制・官道・主用なり」

「曲制」というのは部局という意味です。

 

「官道」というのは監督者、官僚の動き方のことです。

「主用」というのは君主と将軍(現場のリーダー)の間の指導に関するルールです。

 

人員配置や監督のあり方や指導法に関する仕組みもきちんと定まっていることが大事だということです。

 

「凡そ此の五者は、将は聞かざること莫きも、之れを知る者は勝ち、知らざる者は勝たず」

「聞かざること莫きも」というのは、「聞いたことぐらいはあるでしょ?」ということです。

 

ただ、この次に「之れを知るものは勝ち」という言い方をしていますが、この場合の「知る」はただ「知っている」のではなくて、「深く理解している」ということです。

 

つまり、「道」「天」「地」「勝」「法」という5つの物事(五事)について、概ね知ってはいるけれど、それを深く理解して活用できる将軍のいる国が勝ち、その理解が相手の将軍に比べて足りなかったり上手に用いることができない国の将軍は勝てないということを言っているのです。

 

自分の国と相手の国との相対的な比較で、より「道」「天」「地」「勝」「法」の5つを深く理解して、深く用いることができる将軍がいる組織のほうが勝ちやすいと私は理解しています。

 

このように考えると会社経営にも使えると思います。

「道」「天」「地」「勝」「法」について深く理解をし、それを会社経営やリーダーシップを発揮しなければいけない局面で用いることができるリーダーがいる会社が強いのだというふうに理解しています。

 

このような感じでみなさんなりに活用していただければと思います。

それでは以上で今回のお話は終わりにしたいと思います。

ここまでお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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