未渡し小切手【簿記2級2016】
今回は新しい番組編成となっています。
今日は2016年7月11日の午前9時ですが、簿記2級に関する対策の動画番組は毎朝9時配信としたいと思っています。
今後変わるかもしれませんが、12月までの月曜から土曜の毎朝9時頃に簿記2級に関するお話ができればと思っています。
個別論点についてお話することありますし、勉強法や生活習慣など、簿記2級の学習に関係したお話をしていきたいと思うので、よろしくお願いいたします。
今回は商業簿記の未渡小切手についてお話をしたいと思っています。
柴山式の簿記検定2級商業簿記の講座では最初に出てくるテーマです。
多くの専門学校や簿記のテキストでも未渡小切手は比較的早い時期に出るケースが多いのではないかと思います。
今回は、小切手を振り出したけれども相手に渡すことができなかったというシチュエーションについてお話をしてみたいと思います。
ある程度簿記の勉強をされている方も多いと思うので、計算例を使ってご説明したいと思います。
問題「買掛金支払いのため10,000円の小切手を振り出したが、決算日時点で未渡しだった」
想像してみてください。
たとえば、3月31日決算の会社があって、決算日の近くになって、仕入代金があったのだろうと考えられますが、前提として(借方)仕入10,000 (貸方)買掛金10,000があった状態で、それが決算日の直前に当座預金を減らしました。
細かく言うと、小切手を振り出すということは、小切手用紙を用意して、チェックライターという機械で金額を印字して、銀行員を押して、いつでも渡せる状態で用意をすることです。
要するに、振り出したからといって相手に渡ったとは限らないのです。
普通であれば「振り出した」というと「相手に渡した」というイメージがありますが、受験簿記上は小切手を用意した段階で「振り出した」ということになります。
「振り出したが未渡し」という場合は、「用意をして渡す直前で結局渡しそびれた」という状況です。
小切手の用意をした段階で、渡すことを見越して、(借方)買掛金10,000 (貸方)当座預金10,000とやったけれど、たとえば相手に事務所に来たときに渡す約束だったけれど、都合が悪くて来られなくなったために渡せなかった場合、決算日である3月31日で締めた後でも小切手が自分の会社の金庫にありますから、渡してないことになります。
渡してないということは、相手はそれを取立に渡すことができません。
物理上、自分のところに小切手がまだあって、渡していないのだから、当座預金が減るわけがありません。
したがって、当座預金を減らしたという処理は間違えていることになるので、また足し戻しましょうということで、いったん当座預金をマイナスにした仕訳を取り消してプラスにします。
これをもって「当座預金のプラス」とよく言います。
マイナスの取り消しなのです。
そうすると、買掛金が減ったのも間違えているので、(貸方)買掛金10,000となります。
当座預金をマイナスにする処理を先にやってしまっていたけれど、渡していないためにこれが間違いだということです。
減るはずがないので、これを足し戻すということです。
そして、小切手を実際に渡したときにあらためて減らします。
これを柴山式総勘定元帳という帳簿で行ってみます。
柴山式の講義をご覧になっている方は分かると思いますが、左上が資産エリア、右上が負債エリア、右真ん中が純資産エリア、右下が収益エリア、左下が費用エリアとなります。
これは工業簿記のときに威力を発揮します。
上半分が貸借対照表、下半分が損益計算書となります。
まさに財務諸表と同じ並びですが、これが柴山式総勘定元帳の特徴です。
資産グループには当座預金、負債グループには買掛金、費用グループに仕入があって、前提が2つあります。
まず前提1は、(借方)仕入1,000 (貸方)買掛金10,000で、いったん買掛金が10,000発生しているという状況です。
先ほどの問題文には「小切手を用意して振り出した」とあります。
振り出したのだから、相手に渡すことを想定して、すぐに(借方)買掛金10,000 (貸方)10,000とやって、買掛金と当座預金をマイナスしあって、買掛金はいったんゼロになったはずなのです。
しかし、渡しそびれてしまったので、当座預金のマイナスを取り消すということで、(借方)当座預金10,000 (貸方)買掛金10,000と仕訳をして、結局買掛金の残高が残ったということになります。
このような感じで、仕訳と柴山式総勘定元帳を絡めて1つ1つの取引をみていきたいと思っています。
特に本番でうっかり間違えてしまうような部分や、知っておいてほしい重要な基本論点については、柴山式総勘定元帳と仕訳の説明を紐づけてお話していきたいと思います。
これであなたの知識がより確実になれば嬉しいと思います。
以上で今回のお話を終わりにしたいと思います。
私はいつもあなたの簿記2級の学習を応援しています。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。