連結超入門1「子会社を作ってみた!」

いよいよ、次回(2017年11月)の第147回から簿記2級の商業簿記に連結財務諸表が入ってきます。

そのため、戦々恐々としている方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。
パターンがある程度決まっていますので、それさえ慣れてしまえば意外に得点源になるかもしれません。

あとは、最近の上場企業などの決算の事情からいって、グループを持っているケースが普通なので、子会社を取り込んだ連結決算を決算発表に使うケースが多いです。

やはり世の中の流れからいっても簿記2級でも連結会計の基本的なところは知っておいたほうが良いと思いますので、この流れについては賛成しています。

現時点で簿記2級を持っていても、日経新聞などで上場企業の決算に関するニュースを読んだときに「連結会計って何だろうな」と頭の片隅で悶々としていた方もいらっしゃったと思いますが、その部分が解消できます。

そして、日商簿記検定1級を受験される方の中にも連結会計に対して苦手意識を持っている方がいらっしゃると思います。

そういう方には「今さら聞けない連結の入門知識」として、この「連結超入門」の動画で連結会計を学習していただきたいです。

市販本や一般の専門学校で教えている連結の入門でも取り上げていないような、基本的な、足下のレベルの内容を分かりやすくお話していきたいと思います。
では早速事例を見ていきましょう。

準備として、子会社(B社)を設立する前のA社の平成29年3月19日時点の個別B/Sです。

株主は「シバ」という人が1人だけです。
この「シバ」という人がオーナーで、A社があります。

このB/Sは子会社を作る直前のもので、子会社は3月20日に設立します。
このB/Sの借方は、現金220、売掛金180で合計400の資産を持っています。

これら資産の調達方法を資本といいます。
資本は2つあって、まず資本金という元手です。

株主シバからの出資で150があります。
それから、利益剰余金とありますが、これは「あまり」のことです。

150の資本金を元に運用して事業を始めて、何年か経って250まで利益を増やして、資本が合計が400になりました。
この400という資本は全て株主シバのものです。

今回は銀行などもいませんので、ここでの利害関係者は株主シバという人が1人でA社を支配しています。

資本金150は株主シバから拠出された財産です。
そして、平成29年3月31日の連結決算を見てみましょう。

現金220が120に減りました。
これはなぜかというと、子会社を設立したからです。

仕訳は(借方)子会社株式100 (貸方)現金100となります。
先ほどは現金が220ありましたので、そこから100減って120になっています。

では、この100はどこに行ったのかというと、子会社株式という形に運用形式が変わったのです。

ですからA社のB/Sは、借方が現金120、売掛金180、それに加えて子会社株式100という子会社への投資額が増えました。

貸方は資本金150、利益剰余金は250で、先ほどと変わりません。
A社は現金220が120に減って、100は子会社株式への投資です。

では、子会社であるB社のB/Sはどうなっているかというと、A社から現金を100受け取ったので借方は現金100で、貸方が資本金100となります。

この「資本金100」というのはA社が株主ですが、A社の株主というのはシバなのです。
ということは、この資本金100というのはシバが出したものなのです。
A社という株主はいますが、A社の元々の所有者はシバです。

A社から派生してB社という会社ができたからA社からの出資ということになりますが、合算したらこの「資本金100」というのは意味がなくなります。
これについてはこのあとに解説します。

ともあれ、形の上では現金100はB社が持っていて、現金120はA社が持っています。
連結上、この2つを足すと220になって、元に戻ってしまいます。

元の姿(3月19日時点でのA社の個別B/S)を覚えておいてください。
では、今度はA社とB社のB/Sを合算します。

A社の現金は120で、B社の現金は100です。
資本金がA社は150でB社は100ですが、B社の資本金100は後付けしたもので実体がないのです。

Aは「子会社株式100」というのを作りましたが、これはB社という別会社ができたからこのような投資が出たのです。

ここで、いったん分離させたものをもう1回合体させます。
そうすると、A社の現金が120、B社の現金が100ということになります。

そして売掛金が180、子会社株式100となります。
借方を合算すると500になります。

貸方を見てみると、資本金Aが150、資本金Bが100、利益剰余金250で、合計500になります。

しかし、借方の「子会社株式100」というのは、AとBが分離したからこそこの勘定科目に意味があるのですが、1つに合体させたら最初の個別B/Sと変わらなくなって、子会社株式という勘定は意味がなくなります。

ポイントはそこで、連結というのはいったん分けたB/Sをもう一度個別B/Sに戻しただけなのです。

いったん分けたB/Sを再び個別B/Sに戻すときには「資本と投資の相殺消去」という仕訳処理が発生しますが、ここを難しいと感じている方も多くいらっしゃいます。

「資本」と「投資」と表現するから面倒に感じるだけで、要するに資本金と子会社株式の相殺です。

コンセプトとしては「設立前の個別B/Sの状態に戻しましょう」ということなのです。
具体的には貸方の資本金B100を借方に変えて減らします。

そして、子会社株式も必要ありません。
B社の設立時の連結というのは、結局設立前の個別B/Sと同じなのです。

借方は資本金220、売掛金180で、貸方は資本金150で、利益剰余金は250です。
つまり、連結上は株主はシバしかいないのです。

AとBが分かれてB社という独立の存在ができたから、B社にとってはA社がオーナーですが、そもそもA社のオーナーはシバなのですから、わざわざ「BのオーナーがAで、なおかつAのオーナーがシバ」というような面倒くさいことをやる必要はないのです。

「A社のオーナーがシバなのだから、B社のオーナーもシバだ」ということなのです。
ということは、連結になったら大本の親会社のオーナーの出資だけを残せば良いのです。
これがポイントです。

これは税理士試験の連結会計に関する問題でも出る可能性があります。
結局、連結というのは親会社の資本金しか残らないのです。

なぜかというと、連結全体の一番の「大ボス」は親会社の株主だからです。
ですから、連結をしたら株主はシバだけで良いということです。
色々な子会社の株主は気にしなくても良いのです。

繰り返しになりますが、子会社を設立した初年度の連結は、A社の元の(B社を設立する前の)個別B/Sに戻しただけです。

これが基本ですので、ぜひ覚えてください。
ということで、実は子会社を設立した場合の初年度というのは簡単なのです。

連結したら設立前に戻すということだけ分かっていただければOKです。
連結は意味が分かればそれほど難しくありませんので、まずは簡単に考えましょう。

私はいつもあなたの日商簿記検定2級の合格、そして連結決算のマスターを心から応援しています。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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