キャッシュ・フローと利益の違いについて理解しよう!

今回の「前を向いて歩こう」は会計のお話です。
会社が儲かっている状態を表して、お金が増えたということもあります。
これをキャッシュ・フローが増えたと言います。

その一方で、儲け、つまり利益が増えたと言いますが、会計が苦手な方は「キャッシュが増えた」というのと「利益が増えた」というのを混同している方もいらっしゃいます。
 
キャッシュ・フロー(お金が増えること)と利益(儲けが発生すること)の2つの関係について、似ているけど違うということについて今回は明らかにしていきたいと思います。
 
会計のイロハのイということで、簿記検定を勉強するにあたってもビジネスをするにあたっても、全ての基本になります。
 
お金が増えるというのは大きく2つのパターンがありまして、まずは儲けがあったときです。
 
商品を売れば普通はキャッシュが増えますので、儲けを得てキャッシュが増えるというパターンがあります。
 
もう1つ、銀行あるいはカードローンなどでお金を借りて現金が増えるパターンがあります。
 
特に会計が苦手なベンチャー社長さんであるのが、お金を銀行から借りると売上があがったように勘違いして、それを使ってしまうことがあります。
 
しかし、借金は将来利息も払いますし、返済義務を負いますので、もしこのままお金を消費して使い切ってしまうと、返済するのに負担が多くなって困ります。
 
借金で調達したお金というのは何かできちんと運用して返済できるようにしなければいけません。
ですから、お金が増えることを計画しておかないと借金というのは簡単にできません。
 
逆に言うと、お金が増えるチャンスがあるならば借金しても良いのです。
お金が増えるという予測がつかないならば借金はできないのです。
これが基本です。
 
お金が増えるというのは儲けが出るだけではなくて、借金からもお金が増えることがあるのです。
借金でお金が増えるということに注意してください。
 
きちんとビジネスの見込みがあってお金(儲け)が増え、ビジネスチャンスをもっと増やして沢山儲けを得たいと思うならばお金を借りればいいということです。
 
当面の経費を賄うつもりでお金を借りるとジリ貧になってしまいますから、きちんと増やすという計画があってこその借金なのです。
だから事業計画というのは大事なのです。
 
次に、儲けを得たからといってそれがすぐに現金に入るかどうかという話ですが、そうはいきません。
 
ツケ(月末締め翌月払い)というふうに1か月ぐらい待たされることがあります。
要するに未回収の売上代金が上がることもあります。
 
これを売掛金といいますが、利益が増えてもツケばかりが増えたらお金が出ませんので、利益があっても全てそれがお金だとは限りません。
利益の一部がお金なのです。
 
利益はお金が増える以外には売掛金(ツケが増えた)、あるいは来月の商品を調達するために在庫を買う。
つまり儲けの一部で在庫を買う。
 
したがって月末や決算日で切って、決算日現在で利益が1億あったとしても現金が1億増えたとは限りません。
1億のうち2,000万は未回収だとすると8,000万が現金になります。
 
しかし、8,000万の現金があるとはいっても、決算日段階で来年の商売の準備として在庫を1,000万買ったとしたら、棚卸資産が1,000万で売掛金が2,000万だと1億の利益があっても1億-2,000万の売掛金と1,000万の棚卸資産で差し引き7,000万しか現金が残りません。
 
このように、利益の分が全部現金で残るとは限りません。
こういった意味で両者に違いがあるということを知っておいてください。
 
現金は利益だけではなくて借金で増えることもあります。
借金で増えた場合は注意です。
 
将来ビジネスを拡大してきちんとお金が入ってくるという予定がなければ、借金をするとあとで苦しい思いをします。
 
もう1つは、利益が上がったからといって全て現金で増えるとは限りません。
未回収のツケもありますし、在庫投資をして来年に備えることもありますので、お金は目減りするものなのです。
 
この両者の関係が分かるとキャッシュ・フローが増えることと利益が上がることが必ずしも一致しないということが理解できると思います。
 
これを知っておくとビジネスの感覚も鋭くなりますし、簿記の勉強にも役立ちますので、ぜひ参考になさってください。
 
私はいつもあなたの成功・スキルアップを心から応援しております。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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