「価格」と「時価」と「公正な評価額」の違い(日商簿記1級・独学)

今回の「頑張ろう日商簿記1級合格」のテーマは、値段についてです。

簿記1級の勉強をしていると、棚卸資産の期末評価であるとか有価証券の期末評価のような、貸借対照表に表示すべき資産の値段について「公正な評価額」という言い方をすることがあります。

これは「時価」のことだと会計基準では定義することが多いです。

では、「時価」とは常に公正な評価額なのか?ということですが、ここで時価について考えてみましょう。

 

まず、価格というものは、ある物と貨幣との交換比率です。

たとえば缶コーヒー1本が100円ならば、日本の100円硬貨1枚と缶コーヒー1本、あるいは10円硬貨10枚と缶コーヒー1本というような形になります。

 

あるいは、パソコンが10万円ならばパソコン1台と1万円札10枚のように、貨幣との交換比率で色々な物の価値を比較します。

 

これを価格と言います。

そして、これにつきまして大きくは2つあると思ってください。

 

価格がある期間一定であって安定しているものを定価と言います。

スーパーマーケットやコンビニなどで売っているお菓子であるとか、誰もが店頭で確認できる、あるいは箱に表示されているものです。

 

たとえばポテトチップスが190円ならば、一般的なお店では90円となっています。

誰もが分かりやすいので安心な金額です。

 

ただし、定価の欠点は何かというと、1年前と今とではメーカー側の材料の調達費や人件費や製造方法など周りの経済環境が変わっていますから、材料代などのコストが変化しているはずです。

 

そのコストが変化しても売る側の値段が変わらないと利益が変動するので、メーカー側からすると業績が安定しないことがあります。

 

ですから、定価というのは買う側からするとありがたいのですが、売る側としては利益を圧迫する1つの要因にあったりします。

 

同じ定価でコストが下げられればいいのですが、世界というのは2パーセントか3パーセントのインフレ率で、物の値段が上がることを想定していますので、もし売る側が定価だとコストが上がると利益が下がってしまいます。

 

それに対して、これが本来あるべき姿なのですが、時間と共に変化するものを「時価」と言います。

 

よく寿司屋で「時価」などと言います。

明日にならなければ分からないというのはあまりにも変化が激しすぎますが、3か月後には変わっているということはよくあります。

 

スーパーで売っている物だと、野菜などがこれにあたるでしょう。

野菜はそのときの収穫量などによって変わってきますので、環境の変化を反映するのが値段の本来のあるべき姿なので、時価というのがあります。

 

そして、ここからがポイントで、時価には2つあります。

「価格」というのは物とお金の交換比率で、ある程度一定しているのが定価です。

 

一方、「時価」というのは変動するため、売る側としては利益が安定する可能性もあります。

ただ、自然の流れはどちらかというと、環境の変化によって調達コストなどや消費者心理も変わりますので、値段が変化します。

 

だから、時価というのが自然な流れです。

ただ、その時価にも2つあり、「相対価格」と「市場価格」というのがあります。

 

会計上の時価は基本的に市場価格を想定しています。

相対価格というのは何かというと、11の密室における合意です。

不動産取引などは完全に相対価格です。

 

売り手がどうしても相続税を3か月後には払わなければいけないので、この3か月で1億円の不動産を売らなければなりませんが、3か月で売るのは難しいので、1億ではなく7,000万に大幅に値下げをして売ることがあります。

 

あとは流通量が少ない、参加する業者が少ない場合は11の密室における合意に近いです。

 

これは割と力関係で歪められやすい面もありますので、交渉相手との交渉力などが影響するのが相対価格です。

 

一応お互いの合意があるので、それなりに納得した上で決まる価格であることもありますが、圧倒的に力の差がある場合は不利な価格になることがあります。

 

ある程度対等な立場ならばそれほど大きな差にはなりませんが、市場価格よりは力関係が反映されるので、歪められやすいリスクはあります。

 

会計学が想定しているのは市場価格で、これを「公正な評価額」と言います。

「公正」というのは何かというと、不特定多数の目が通っていればその多数決は一応合理的であるということです。

 

11の密室で決まる相対価格だと2人しかいないので不公正な可能性がありますが、公正な評価額というのは時価の中でもさらに不特定多数の参加によって色々な人の意見を反映した合意だから公正だと言われています。

 

不特定多数の参加をもって決められた合意が不特定多数の参加による公正な評価額です。

従って、会計学における時価というのは公正な評価額を意味するのだと敢えて言っているのは、相対価格は基本的に除くということなのです。

 

こういったことも知っておくと簿記1級の勉強が少し面白くなります。

「公正な評価額」という言葉は結構出てきますので、参考になさってください。

 

私はいつもあなたの日商簿記検定1級の学習、そして合格を心から応援しております。

ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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