商品を売り上げた時の相手勘定(簿記3級)

今回は「商品を売り上げたときの相手勘定」というテーマで、5つのパターンについてお話をしたいと思います。

 

問題文の中に「商品を引き渡した」「出荷した」「発送した」というような、相手に渡すような表現があれば右側(貸方)に「売上」と書きます。

 

仕訳という書き方と転記という書き方がありますが、できれば早いうちこの2つを覚えてください。

多くの場合、初心者の方は仕訳ばかりやってしまうことがありますが、仕訳しか勉強していないと、試算表や精算表などの総合問題が出たときに全体像が掴めなくてストレスが溜まる場合があります。

 

したがって、柴山式の場合は最初の頃から総勘定元帳の書き方を教えています。

今回も仕訳と転記の両方について学んでいきたいと思います。

 

簡単な取引例を用意しました。

(例)得意先x社に商品を引渡し「○○○」を

A「受け取った(入金した)」①②③④

B「充当した」⑤

 

例は以上です。

得意先というのは、いつも商品を買ってくれるお客さんのことです。

 

先ほどお話したとおり、商品を引き渡したということは売り上げたということです。

この時点で右側(貸方)は「売上」と書いて、金額を書きます。

 

では、左側(借方)は何を書くのか?

今回はこのバリエーションについて学んでいきたいのです。

 

例題には「○○○」と書きましたが、ここには「現金」「当座預金」「受取手形」「売掛金」などというものが当てはまります。

 

さらに「受け取った」「充当した」という2つのパターンがあります。

Aの「受け取った」というのは、財産を受け取ったという形です。

Bの「充当した」というのは、何かの負債を充当したということです。

 

たとえば「残りの金額を掛け(売掛金)とした」というような言い方をします。

この言い回しは試験によく出るので、覚えておいてください。

 

「受け取った」のパターンについて解説します。

まずは①の現金を受け取った場合、仕訳は左側に現金と書き、転記は資産グループのT字勘定に現金と書きます。

 

現金には通貨以外にも他人振出の小切手や送金小切手や郵便為替証書とういうものがあるということを前回学習しました。

 

②当座預金口座に入金があった場合は、仕訳は左側に当座預金と書き、転記は現金勘定の下に当座預金のT字勘定をつくり、左側に金額を書き入れます。

 

③約束手形を受け取った場合は、仕訳は左側に受取手形と書き、転記は受取手形のT字勘定をつくり、左側に金額を書きます。

 

④は売掛金の場合で、「掛けとした」「代金は月末に受け取ることとした」などというような形で出題されることが多いです。

 

仕訳は左側に売掛金と書き、転記は売掛金のT字勘定をつくり、左側に金額を書きます。

そして⑤の「充当した」ですが、これは手付金を充当する場合です。

 

商品の注文を受けたときに、前もって前受金として現金で受け取っていたような場合です。

この場合、売上があると前受金が減ります。

 

この場合、仕訳は左側に前受金と書き、転記は負債グループに前受金というT字勘定をつくり、左側に金額を書きます。

 

①②③④の場合は左側に書くと増えますが、⑤の場合は左側に書くと減ります。

このような違いもイメージとして実感していただければ面白いと思います。

 

現金と当座預金と受取手形と売掛金はプラスになるけれど、前受金だけはマイナスになります。

 

この大きなイメージを持っていただいて、もしよければ後でこの仕訳の形だけでもいいので、3回以上書いてみてください。

 

一番試験に出るこの5つのパターンですので、パッと瞬間的に思い出せるように何度も見て、口に出したり書いたりして練習してみてください。

 

今後のあなたの簿記3級の勉強に役立つと思います。

ぜひ参考になさってください。

 

以上で今回の講義を終わりにしたいと思います。

ここまでご視聴いただきましてありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
商品に関するご質問・ご相談はこちら