平成28年度の2級(144,145回)は、ある意味チャンスです!【がんばろう独学簿記2級160】

がんばろう日商簿記2級合格、今回は「平成28年度の簿記2級は、ある意味チャンスです」というテーマでお話をしたいと思います。

6月12日には第134回の試験がありましたが、受験された方はお疲れさまでした。
今回の試験というのは注目されていて、大幅な出題区分の変更があってから初めての試験と言われていました。

どのような問題が出るのかと思っていましたが、予想通り、簿記2級に関しては出題範囲が狭くなった分だけ前回よりは取り組みやすくなったと思っています。

141回と142回は非常に合格率が低かったのですが、今回はもう少し上がると思います。
一時的に出題領域が狭い状態なので、その恩恵だと思っています。

平成28年が大幅に出題区分の変更があった初年度なので、少し配慮されているようで、追加の論点が少なくなっているのです。

平成29年度と平成30年度に税効果や連結のような重たい論点が入ってきます。
あとは圧縮記帳や外貨換算会計といった、簿記1級で受験生が少してこずるような大型論点も入ってきます。

それを考えると、平成28年度というのはすごく勉強の範囲が狭いのです。
では、どのような部分が削除されたのかというと、大きいもので5つあります。

まずは特殊商品売買で、代表的なものでは未着品、委託販売、受託販売、試用販売、割賦販売などです。
これらの部分だけでも10時間ぐらいの勉強時間を使います。

しかし、これらは簿記1級でやるので、簿記1級の受験をするときに改めて勉強することになりますが、これが原因で簿記2級に苦手意識を持っている方もたくさんいらっしゃったので、大幅に削除されたというのはとても大きいです。

実務でも特殊商品売買のビジネス形態はありますが、簿記の勉強で出すような形の会計処理はそれほどやっているわけではないので、実務に則して、簿記2級が想定する中小企業の会計ではそれほど本格的に扱う内容ではないだろうと、特殊商品売買は外したということで、この決定は英断だと私は思います。

2つ目は、特殊仕訳帳です。
個人的には「ようやくなくなったな」と思っています。

20世紀のうちになくなっても良いと思っていましたが、特殊仕訳帳は実務では使わないのです。

商業高校や大学の学問としてやるのは良いですが、実務の場面で特殊仕訳帳を見かけることはないので、実態に合わせて外しました。

昔は特殊仕訳帳と伝票会計が50パーセントぐらいの確率で出題されていました。
伝票会計の集計も簿記2級からは外れたので、これも大きいのですが、特殊仕訳帳が外れたのは大きいです。

その分、簿記2級の出題傾向が読めなくなったという副産物も出てしまいましたが、それを差し引いても特殊仕訳帳がなくなったことで10時間ぐらい勉強時間が減るのは大きいです。

3つ目は本支店会計の決算です。
未達利益と内部利益の控除という、本当に面倒な処理がなくなりました。

特に内部利益の控除は面倒でした。
これも実務ではそこまで扱いません。

特に中小企業では内部利益というもの自体が浸透していないので、実態に合わせて、本支店会計の決算手続は簿記2級からは外して簿記1級に移りました。

特殊商品売買と特殊仕訳帳と本支店会計の決算を簿記2級の範囲を外しましたが、これだけで20時間から30時間の勉強時間を節約できる人もいるかもしれません。

他には社債も外されましたが、社債は基本的なものは簿記2級でも出していいと思います。
それから、繰延資産も外れました。

社債と繰延資産だけでも5時間ぐらいは勉強時間が減るので、トータルで30時間ぐらいは減ります。
その一方、細かい論点は増えています。

例えばクレジット売掛金、売上原価対立法、電子記録債権などですが、大きな論点で「その他有価証券」というのがありますが、すべて“小粒”です。

どれもせいぜい20分ぐらいでできるような論点ばかりで、これらを全部足しても5時間ぐらいだと思うので、プラスされた論点の5時間と除外された論点の20時間を考えても、15時間から20時間ぐらいは節約されるので、出題範囲の広さという意味では、平成28年度は一番勉強時間が少なくて済むはずです。

これから行われる144回と145回はチャンスです。
特殊商品売買、特殊仕訳帳、本支店会計の決算、社債、繰延資産という5つの論点が簿記2級から外れたのは大きいです。

その一方で、平成28年から30年にかけて段階的に論点がプラスされますので、流れからいって平成28年が一番範囲は狭いです。
そう考えると、やはり平成28年度はチャンスです。

もし簿記2級を受けたいと思っている方で、「来年でいいや」と思っている方は、チャンスがあれば今年受けてみましょう。
出題範囲が一番狭い状態で受験できます。

がんばってください。
私はいつもあなたの簿記2級合格を心から応援しております。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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