東急電鉄、新施設の開業費などで経常減益

東急電鉄が5月13日に2015年3月期の決算を発表しました。

売上高が1兆670億円、営業利益が715億円、
経常利益が666億円、当期純利益が410億円です。

売上高は前期比で1.5%のマイナス、
営業利益は前期比で15.0%のプラス、
経常利益は前期比で6.4%のプラス、
当期純利益は前期比で27.3%のマイナスです。

減収減益という印象ですが、途中の営業利益と経常利益はプラスなので、基本的なコスト体質は強化されているのではないかと思われます。

さて、以上の決算を踏まえ、決算短信では、来年度(2016年3月期)の業績予想を発表しています。

それによると…

○2016年3月期の業績予想

売上高1兆820億円(1.4%)
営業利益650億円(△9.1%)
経常利益580億円(△12.9%)
当期純利益440億円(7.2%)

来期の業績予測は、ちょうど当期の決算と逆で、売上高と当期純利益がプラス、いっぽうで営業利益と経常利益がマイナスの予想となっています。

まず、営業利益および経常利益が減少する大きな要因として、東京・世田谷の二子玉川駅近くで開発中の大規模複合施設「二子玉川ライズ」で、新施設が相次ぎ開業し、費用が膨らむことが挙げられています。

会社設立後に新事業を開業するまでに、掛かる費用は、「開業費」といって、一定の要件のもとに、次のいずれかの処理方法を選択できます。

・発生した期の費用として処理する。
・繰延資産としていったんバランスシートの資産に計上し、その後数年間にわたって少しずつ償却して費用化する。

繰延資産とは、本来は費用だが、その性質上、支出後も長期にわたってその効果が期待できる項目については、一時の費用とはせず、いったん資産として計上し、その後数年間にわたって一定額を償却するなどの方法で費用化していくことができる項目です。

現在の会計実務では、次の5つに限定されています。

1.創立費
2.開業費
3.開発費
4.株式交付費
5.社債発行費等

これらは、支出したあとも、それらに関連した設備投資や営業活動を経て、長期的に収益獲得に貢献するだろう、という仮定のもと、建物や設備のように、いったん資産としておき、その後、償却計算を通じて徐々に費用とすることができるものです。

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ちなみに、多くの上場企業は繰延資産として計上せず、発生した期の費用として全額損益に計上するのが普通ではないかと思います。

将来に効果が及ぶといっても、実態がない支出項目ですし、早めに費用にしておいたほうが利益を控えめに計上し、配当や納税による資金の社外流出を抑えることにもなりますからね。

逆に言うと、業績が苦しい会社は、費用を先送りする効果があるため、繰延資産計上の方法を検討するかもしれません。

立場変われば、会計処理が変わることもあるのです。

なお、営業利益・経常利益ともに減少するいっぽう、当期純利益が増加する原因としては、横浜市に所有する不動産を東日本旅客鉄道に売却し、今季は約160億円の売却益が発生することが予定されているそうです。

新事業の立ち上げや大型案件の不動産売却など、ネタは満載です。

東急電鉄の今後の業績がどうなるか、楽しみですね。

(日経15*5*14*17)

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