シャープがみずほと三菱に資本支援を要請(日経15*3*3*1)

シャープが主要取引先銀行である、みずほと三菱東京UFJに資本支援を要請する方針となったそうです。

このことについて、さっそくシャープのホームページを見ましたが、とくにこの報道には触れられていませんでした。

もう少しあとになってから、何らかのニュースリリースが出るのでしょうか。

日経新聞の記事によりますと、シャープが今週中にも主力2行と協議のうえ、1,500億円の債務を折半で優先株などの資本に振り替えるなど、詳しい支援策についての方針を検討するようです。

2014年12月時点で、シャープの有利子負債(借入や社債などの合計)は1兆円近くあります。

また、第3四半期決算短信における業績予測は、300億円の最終赤字となっていますが、新聞報道では1,000億円を超える見通しということで、厳しい状況はさらに深刻化しているとも見ることができます。

そんななか、経営再建の足かせとなる債務の整理を具体的に進めていく、ということなのでしょう。

ここで、債務を優先株などの資本に振り替える、ということの意味を考えてみましょう。

いわゆるデット・エクイティ・スワップとも呼ばれている手法です。

デットとは借りているお金のことで、エクイティとは資本のことです。

スワップは交換することなので、借りているお金を資本と交換する、という感じのイメージです。

銀行などが債権を放棄することとは、まったく異なります。

いちおう、注意しておきたいですね。

ちょっとかんたんな計算例を示してみましょう。

なお、優先株式については、税理士簿記論で出たことがあります。

(例)
S社は、昨今の経営環境悪化の影響で業績が低迷しているため、1億円の借入金のうち、1,500万円分について、優先株式を発行して資本金に振り替えることで、借入先の銀行と合意した。

(仕訳例)

(借方) 借入金 1,500万円 / (貸方) 資本金 1,500万円
(負債-) (資本+)

会社としては、当面の返済義務を免れて、とりあえず優先株という形で株式を発行し、借入金を資本金に転換することに成功します。

貸手である銀行側でも、貸出金を放棄するのではなく、優先株式の出資に振り替えることで、将来、経営再建に成功して業績が上がってきたときに、株が値上がりしたり、普通株式よりも高い配当を受取ったりして、リターンを得るチャンスが出てきます。

考えてみれば、バブル崩壊後は、大手銀行が一斉に優先株式を発行して公的資金を注入したことがあります。

あれは、日本経済の行く先を左右する非常に大きな動きでした。

当の銀行も、優先株式発行による資本注入で助かったことがあります。

今回は、シャープが同じように優先株式発行の手法を使うのも、経営再建に有利な状況を作ろう、という意図があるように思います。

バランスシート的には、この分だけ負債が減少して資本が増えますので、財務安全性の指標となる自己資本比率が向上します。

自己資本比率=(自己資本÷資産(負債+純資産))

ここで、自己資本はおおむね純資産と同じなので、 特に専門的な分析をするのでもなければ、おおまかな目安でもわかればずいぶんと違うので、便宜上は同じ金額を使っても差支えないと思います。

より正確には、株主資本という項目または株主資本プラスその他有価証券の評価差額金など、一定の調整項目を加減しますが、そのような調整は日商簿記1級レベルの会計知識に相当するので、専門家の方以外は、あまり深入りしなくてもOKですよ。

ちなみに、2014年12月末時点では、10.8%という、一般事業会社としてはとても低い数値といわざるを得ない状況になっています。

会社が持つ総資産の90%ていどは自己資本ではない借金などで調達されたものである、ということですから、自己資金10%では経営再建も何も、なかなか思い切った手が打てないだろうと推察されます。

地獄の沙汰も金次第、経営再建も金次第というわけですね。

資本主義社会の宿命です。

シャープの製品については、柴山会計も電子黒板でお世話になっており、とても役に立っていていい製品だと思うので、ぜひこれからのV字回復に向けてがんばってほしいですね。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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