マイナス金利の国債が欧州を中心に拡大(日経15*1*24*3)

欧州中央銀行(ECB)が1月22日に量的緩和を決定しました。

これは、国債を大量に買い入れることで、現金を市中に大量供給するということを意味します。

つまり、国が発行する債券がたくさん買われることになるわけです。

国債とは、国が財政の財源として資金を集めるために発行する債券です。

一般的には、その国にある会社よりも信用が高いということから、社債(会社が発行する債券)よりも安全性が高く、安全資産などといわれることがあります。

したがって、通常発行される株式会社の債券(社債)とくらべると、安全性が高い分だけ金利が安くなります。

金利が安いということは、その債券の価格が高いということを意味します。

(設例)
A国が発行する国債の価格が98円であったとして、一年後の満期に100円で償還し、さらにその間に額面100円に対して2.9%=2.9円の約定利息がつくとしたときの投資利回りは、5%となる。

<計算過程>
(償還差額2円(※1)+約定利息2.9円(※2))÷98円
=4.9円÷98円
=0.05
=5%

(※1)償還差額2円=100円-98円

(※2)約定利息…社債発行者と社債権者(投資家)との間で約束されている利息のこと。額面100円に対して何%というかたちで表現されることが多い。

以上のように、ある時の国債の価格が98円で、1年後の償還額100円、約定利息2.9円の場合には、投資利回り(金利)が5%になります。

つぎに、このA国債の価格が99円に上昇したとしましょう。

この場合、1年後に受け取れる債券からのリターン合計は、(100-99)円+2.9円=3.9円に変化します。

そして、投資利回りは、3.9円÷99円=0.393939…=3.939…%と、当初の5%よりも低くなるのですね。

以上より、債券の価格が上がると金利が下がり、債券の価格が反対に下がると金利が上がるだろう、ということがおおむねイメージできます。

超低金利になれば、その分だけ債券の価格が上昇する、ということも、おわかりいただけるでしょう。

なお、この時の新聞記事では、EU域内の金融機関がECBに余剰資金を預ける際の金利をマイナス0.2%とすることがきめられた、と報じられています。

ECBは日本における日銀のようなものです。

民間の企業は、日銀のような中央銀行に預金を預けることがありますが、その際の金利がもしもマイナスになってしまうと、中央銀行に預金を預けることで、利息をもらえるどころか、かえって手数料を取られるといった格好になり、預金することが損になるという変な状態になります。

そこで、民間銀行がお金を中央銀行に預けずに、市中に融資などでまわすことを意図してこのようなマイナス金利にすることが考えられます。

そして、その影響として、民間の金融機関は中央銀行への預け入れができない一方で、デフレ懸念の下、貸し出しに行きにくく、いきおい安全資産の国債を買いやすくなる、という流れなのですね。

これによって国債の買い圧力が高まり、価格が上昇して、ついには、額面を超える金額で取引される、なんていうこともあるのです。

たとえば、100円で償還される国債を101円で購入する、なんていう事態ですね。

社債では、新株予約権などのプレミアムが付くと、このような額面を超える価格で発行されることもありえます。

ちなみに、通常は額面よりも低く発行されることが多いので、そのような発行方法を「割引発行」といいます。

額面と同じ価格で発行される場合を「平価発行」といいます。

さらに、額面よりも高い金額で発行されると、それは「打歩発行(うちぶはっこう)」と呼ばれます。

満期まで保有する目的で、国債を額面よりも高く購入した場合は、その企業は、当初は額面より高い金額で評価します。

たとえば、額面100円の国債を101円で買ったら、最初は101円で評価します。

しかし、その後、満期に向けて、実際の償還額100円に近付くように、徐々に、毎期の決算などで評価を下げていきます。

そのさいに、満期保有目的債券の評価が下がるため、利回りの減少という形で費用が発生するのですね。

以上、国債のマイナス金利とそれを購入した企業の有価証券としての評価に関するお話しでした。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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