王子HD、2021年3月期に海外売上50%目標?(日経15*1*22*17)

日経新聞2015年1月22日17面の記事です。

王子製紙をはじめ、製紙会社が海外事業を強化しているそうです。

王子ホールディングス(王子HD)は、2014年12月に、ニュージーランド製材大手からの紙パルプ・段ボール事業買収を完了し、来期以降の収益に貢献する見込みです。

大王製紙は紙おむつの海外販売が好調で、海外売上高比率を2015年3月期に初めて5%超となる見通しだそうです。

最近の円安傾向から、原材料が値上がりしているはずですので、海外向けの収益を増やすことで、逆に円安の恩恵を受けようという思惑もあるように思われます。

王子HDに話をもどしますと、2015年3月期の連結海外売上高比率は21%が予想されており、翌年度の2016年3月期には28%、そして2021年3月期には、連結売上高2兆円、うち海外売上高50%を目標としているといいます。

ちなみに、2014年3月期における有価証券報告書を拝見しますと、このときの地域ごとの情報として、売上高の内訳が次のようになっていました。

売上高(百万円単位。カッコ内は2013年3月期(前期))

(1)日本 1,061,429 (1,034,683)
(2)アジア 155,072 (121,479)
(3)北米 34,722 (26,419)
(4)南米 23,715 (20,500)
(5)欧州 46,739 (29,849)
(6)オセアニア 8,155 (6,868)
(7)その他 2,675 (1,671)
合 計 1,332,510 (1,241,471)

これらの情報は、連結財務諸表の注記事項のひとつである「セグメント情報」のなかに含まれています。

地域別の売上高を前期と比較すると、(1)日本国内の売上高はわずかに下がっていますが、(2)~(7)の海外売上高はどれも増加しているのがわかります。

円安傾向が顕著であるという理由を考慮しても、たしかに新聞歩道の通り、海外売上高を重視しつつある傾向がうかがえますね。

ちなみに、連結売上高に占める海外売上高(日本以外)の比率を上記データから計算してみましょう。

・2013年3月期
(1,241,471-1,034,683)÷1,241,471
206,788 ÷1,241,471=16.65…%

・2014年3月期
(1,332,510-1,061,429)÷1,332,510
271,081 ÷1,332,510=20.34…%

2013年3月期に比べ、2014年3月期は4%近く海外売り上げの割合が上昇しています。

このようなところからも、企業の海外進出の状況が読み取れるのですね。

今後は、国際情勢や為替相場の動向によって、企業の海外戦略がいろいろと変わってくることもあるので、ぜひ、この機会にセグメント情報および海外売上高に関する情報をチェックしてみてください。

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