ソフトバンク、個人向けに劣後債を発行(日経15*1*14*15)

14日の日経朝刊15面で、ソフトバンクが個人向けの劣後債を2月に発行する予定であると、報じられました。

金額は4,000億円で、期間は7年です。

調達する資金の使途はM&A(合併・買収)などの長期投資案件とのことです。

ソフトバンクはこれまでの積極的にM&Aを活用しているので、なるほど、十分にあり得ますね。

申込期間が1月27日~2月6日で償還期日下2022年2月9日だそうです。

想定利回りが2.20~2.80%ですから、これは今の金利情勢を考えると、かなり高い利回りと言えます。

ここで基礎知識です。

劣後債
一般の債権者(会社にお金を貸している人)よりも、返済の順位が後にくる社債のことです。

劣後債を買うと、会社が解散する時に、財産を処分して会社側は債権者に対して債務を返済していきますが、その順番が他の債権者よりも後になるので、劣後債の債権者(購入者)は、全額の返済を受けられないリスクが一般債権者よりも高くなるのですね。

そういった、返済における不利な立場を容認する代わりに、高い利回りで利息を受け取るという条件になります。

だから、今回のソフトバンクのように、発行条件として金利がかなり高いわけです。

劣後債は、形式は社債であることから企業にとっては負債なのですが、他の一般債権者への支払いをすべて終えた後に最後に債務の返済を受ける立場になるため、限りなく株式に近い性質であるということができます。

銀行などは、自己資本比率を高くするために、優先株などと同様、劣後債の発行をすることもあるのですね。

さて、ソフトバンクによる劣後債の発行ですが、つい最近にも実績があります。

2014年12月3日に、劣後債発行の発表をしています。

→ http://www.softbank.jp/corp/news/press/sb/2014/20141203_01/

このときは、社債の金額が100万円であり、利率が年2.50%でした。

100万円あずけて2万5千円の利息がもらえるなんて、銀行預金だったら、いつの時代だったかな~、とおもわず遠い目になってしまいます。

今後、生きている間に、こんな預金利率を見ることができるのだろうか…

それくらい、今の低金利は歴史的に見ても異常なんですよね。

さて、ソフトバンクですが、劣後債といっても、これだけの大企業がそうかんたんに7年以内にヤバくなるとは常識的に考えにくいので、ぜったいとはいえませんが、やはり買いたい人は多いのでしょうね。

定期預金に預けても、これだけの利息は今つきませんから…。

こういった資金調達が活発ということは、ソフトバンクとしても、次のM&A戦略を着々と練っているのかもしれません。

同社の周辺でこれからどんなニュースがとびだすか、注意してみていきたいところです。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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