イオンがウェルシア子会社化で特別利益300億円(日経14*12*10*17)

イオンは、持ち株比率37.4%で関連会社だったウェルシアを株式公開買い付けにより過半数の株式を取得し、子会社化しました。

(イオンのリリース記事)
⇒ http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1198376

それにより、2015年2月期に300億円規模の特別利益を計上する見通しだと新聞で報じられていました。

ここでいう特別利益というのは、連結決算上の株式評価益です。

論点を整理しましょう。

(1)ステップ1:イオン単体の「関連会社株式」評価

個別決算上は、関連会社株式や子会社株式は「取得原価」、すなわち買った時の支出額で評価されます。

その後、時価が変動しても、原価のまま据え置きます。

なぜなら、事業戦略上、売却する予定はないはずですので、時価評価する必要性がないからです。

(2)ステップ2:イオン連結上の「関連会社株式」評価

イオン連結上は、関連会社株式(公開買付前のウェルシア株)の評価につき、取得原価プラス取得後の関連会社の利益×持ち株比率(0.374)のように、取得の後、利益に持ち株比率を掛けた額を加算してバランスシートに記載します。

グループ企業全体の業績を計算するうえで、関連会社の利益の一部(持ち株比率の部分)は、とりこんで表示すべき、という考え方なのですね。
このような特殊な株式の評価方法を「持分法」といいます。

(3)ステップ3:イオン連結上、「子会社」になった時点の評価

37.4%から50.14%へと公開買付で過半数を超えたときに、イオンはウェルシアの支配を獲得した、と考えます。

その時点で、ウェルシアの株をすべて、いったん時価評価するのです。

(理由)
あなたがもし、どこかの土地を買うとき、何を基準にお金を払いますか?

買うときの時価ですよね?

連結も同じ考えです。

支配を獲得した時点を「子会社として買収した時」と考えますので、買収=買った時の時価で子会社を受け入れるのが当然です。

そこで、子会社の値段=支配獲得時の株式時価として、連結するのです。

たとえば、A社の株を30%、450万円で買ったとすると、取得原価は450万円です(関連会社株式の個別決算上の評価額)。

ちなみに、1%あたりの株式の取得原価は15万円ですね。

その後、1年間のA社の利益が100万円だったとすると、100万円×30%=30万円を連結決算上の株式評価に加えます

連結上の持分法評価額:450+30=480万円

そして、1年後の期末に60%の株式を1,200万円で買ったとします。

1%あたりの時価は20万円になりました。
ここで、30%の所有分についての持分法評価額は480万円です。

1%あたり16万円ですね。

しかし、60%の追加取得時の価格は20万円ですから、1%あたり4万円の値上がりです。

そこで、(20-16)万円×30%=120万円を時価評価益と考えます。

これを「段階取得に係る差益」といいます。

結果として、90%支配時の子会社株式は、480+120+1,200=1,800万円となりますね。

これは、90%×20万円=1,800万円と計算することもできます。

このように、ある会社を子会社化するときに、それまでに買っていた株式の評価額と子会社化した時の価格との差額を連結決算上の特別損益として計上することがあるので、頭の片隅に置いておきましょう。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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