住友大阪の配当性向20%以上をどう捉えるか?(日経14*12*4*15)

日経新聞が12月4日の15面で報じたところによりますと、住友大阪セメントの関根福一社長が、今後の株主配分について「最低でも20%の配当性向を目安とする」という方針を明らかにしたそうです。

従来は安定配当と言って、業績のいかんにかかわらず、常に一定額の配当をしてきたようです。

2014年3月期の有価証券報告書より、過去5年間の1株あたり配当(DPS)を見てみました。

ついでに、1株当たりの連結利益(EPS)も併記してみます。

DPS EPS
2010年3月 4.00 △2.41
2011年3月 4.00 2.21
2012年3月 4.00 8.76
2013年3月 5.00 17.92
2014年3月 5.00 32.03

こうしてみると、2013年までは、EPSの20%をはるかに超える配当性向(配当の比率)になっています。

2014年は、5.00/32.03=約15.6と20%を下回っていました。

こういったことも背景にあってか、今回の新聞記事では、これからの住友大阪セメントにおける配当政策がどうなるかをテーマにしたインタビューとなったのでしょう。

今後は、EPSがさらに上昇した場合、その20%以上の配当を目指すということで配当額のアップが予想されるのでしょう。

さて、ここで基本的なことですが「配当とはなにか」というと、「株式会社がこれまで稼いできた利益のストックの一部を株主に金銭で分配すること」です。
預金の利息みたいなものでしょうか。

一般的に言われていることとしては、配当が実施されると株主にいくばくかの現金が入ってきます。

同時に、資本が減りますから、次の2点で財務比率が変化します。

1.自己資本比率(資本÷総資産)が多少なりとも下がる。
2.自己資本利益率(利益÷資本。ROE)が上昇する。

新聞では、ROEが上昇するというメリットの引き上げ効果に言及しています。

直近では9%と、10%の大台まであとひといきというところまで来ているので、まあ、たしかに自己資本を圧縮したくなる気持ちはわかります。

ちなみに、自己資本比率は47.1%と高いので、配当によって少々流出しても、財務体質的にはほぼダメージはなさそうです。

なお、配当と並んで、株主への利益還元方法として、自社株買いがありますが、こと株価対策という点でのメリットを考えたら、じつは自社株の方が大きく株主にとってメリットがあります。

なぜなら、同じ利益を原資とする両者であっても、配当は市場に出回っている株式数に変化がないのに対して、自社株を買えば市場に出回っている株式数は減少します。

となれば、供給株数が減るので株価は上がりやすくなり、さらにひと株当たりの利益や議決権が労せずしてアップするので、投資効果は非常に高いです。

だから、資金に余裕があるならば、自社株買いをやってくれた方が、じつはトータルの投資成果の上昇をもたらしてくれるので、ありがたいのですね。

配当をすれば税金を取られますが、自社株買いで株数が減る分には、税金が取られません。

それで、議決権が増えて株価があがるなら、無税で手持ちの株の勝ちが上がるので、うれしさ倍増!となりますね。

したがって、私個人の意見としては、株価という観点から見れば、配当性向は大した問題じゃなくて、むしろ自社株買いの方が気になるなあ、という話です。

ただ、この時の新聞でも触れていますが、住友大阪セメントは将来的に自社株買いを検討しているそうです。

たしかに、現状でROEが10%を下回っているという、あまり宜しくない状況ですから、このままでは社内で利回りの高い事業機会が見いだせていないと判断して、このさい自社株買いは大いにありだと思います。

配当と自社株買い、企業価値に与えるインパクトは意外に違うのですねー。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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