期末商品と棚卸減耗、商品評価損の計算例【がんばろう!独学で日商簿記2級合格53】



みなさん、こんにちは。
がんばろう日商簿記2級合格、今回は「期末商品の評価プロセス」というテーマでお話をしたいと思います。

色々なテキストや授業で出てくるような重要な仕訳について紹介します。
これは日商簿記検定1級にも関係しますし、色々な所で応用が利きます。
簿記2級の第三問では決算手続に関する問題がありますが、8割以上の確率で出るところです。

次回も出題される確率が極めて高いです。
出題されれば2点から4点以上は取れる可能性が高いです。
ほぼ確実に配点が来るといっても良いぐらい重要な部分ですし、期末商品の評価は簿記3級・簿記2級・簿記1級のいずれの級でも大事になるので、ここを押さえておけば点が取れるという話をします。

簡単な計算例を用意しました。
決算整理前の試算表で繰越商品が7,000(A)ありました。
手順には(A)(B)(C)(D)(E)というふうに記号でマークをつける癖をつけてください。
本番の試験でも役に立つので、やってみてください。

私は実際に柴山式の簿記講座で、特に簿記1級の説明をするときにはマーキングをします。
繰越商品7,000というのは期首商品の残高なので、「借方仕入 貸方繰越商品」の仕訳です。
これは簿記3級のレベルなので、出来なければまずいです。

次に、期末商品のデータがあって、帳簿数量が80個、帳簿上の取得原価が@110円です。
期末は実地残高75個(C)で、これはボックスを書くとわかります。
ボックス図は重要で、大抵の教科書などにも載っているはずで、私も講義の中で、1分ぐらいで早く書けるように言っています。

期末の時価ですが、今は商品売却価額と言っていて、これが@100円です。
下がった場合には、取得原価ではなく商品売却価額で評価し直します。
このときに商品評価損が出るということは既にわかっていると思います。
帳簿数量と期末の実地数量の差は、今は棚卸減耗損と言います。
このあたりを頭に入れておいて、あとはボックスが書けるようになります。
20秒から30秒でひな形を書いて、1分ぐらいで数字まですべて書けるようになってください。

今回は便宜上「評価損」や「減耗」という言葉を書きましたが、実際にはもっと簡単に書いていいです。
そして、それぞれに記号を振ります。

期末の帳簿数量8,800は@110円×80個で(B)で、「繰越商品 仕入」の仕訳です。
期首は「仕入 繰商」、期末は「繰商 仕入」とやったら、次は「棚卸減耗損 繰越商品」、次が「商品評価損 繰越商品」、そして最後は貸借対照表残高というパターンは決まっているので、10回ぐらい繰り返せば誰でもできるようになります。
簿記2級ではここを落としてはいけません。

ここを落とすということは、簿記2級を受ける資格が無いと思ってもいいぐらい重要です。
ここはパターンが決まっていて、こんなに取りやすい問題はないのにもかかわらず、落とす人が後を絶ちません。

これは簿記2級の合格に必要な努力を怠っているとしか言いようがありません。
ここは絶対出来てほしいのです。
これを知らずして簿記2級に受かったといっても、私は認めません。
最低限やってほしい、超重要論点で、100パーセント出ると言ってもいいぐらいです。
なので、ここが出たら絶対に取ってほしいのです。

これを落とすようでは簿記2級には受かりません。
柴山式はこういった重要な所を絞ってやっているので、商業簿記でも12時間のインプットで終わるのです。
試験に必ずといっていいほど出るところを抽出しているので、ここを押さえれば8割か9割ぐらいは余裕で取れます。
最初から全部やろうとしないで、まずは重要なところを押さえましょう。
「選択と集中」という言葉が流行っていますが、受験勉強も選択と集中です。

話を戻します。
(B)は「繰越商品 仕入」です。
まずはボックスの右側からやっていきます。
棚卸減耗を先にやるのは、原価で評価するからです。
@110×差額5で550円(C)です。
仕訳は「棚卸減耗損550 繰越商品550」となります。
これは覚えるべき仕訳です。

実地数量が出たら、次にやるのは、実地数量のなかで時価、すなわち正味売却価額が減ったものについて評価損を出します。
110-100で10、10×75個で750円(D)です。
この仕訳は「商品評価損750 繰越商品750」となります。
最後に(E)です。いままでの数字をすべて計算すると、100×75になります。
したがって、(E)は7,500になります。
これ以外にも、8,800-550-750でも7,500が出ます。
この練習を徹底的にやってください。

ここまでで5分、早ければ3・4分で出来るようになっていただければ、第三問の商品売買は必ず得点できます。
ここは減価償却と並んで必ずと言って良いほど出題されます。
決算整理後の試算表は、(E)の繰越商品が7,500、(C)の棚卸減耗損が550、(D)の商品評価損が750になります。
このように、問題文の資料、下書き、解答に記号を振っていくと、見直しをするときに参照しやすいです。

こういった勉強もやってみてください。
目標時間を常に意識してやってください。
この問題は4分でできるように頑張ってください。
私はいつもあなたの簿記検定2級の合格を応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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