貸借対照表の表示原則 【知識ゼロからの会計学入門022】

知識ゼロからの会計学入門、第22回。
今回は「貸借対照表の表示原則」について勉強していきます。

まず、貸借対照表の意味について、言葉の定義を確認します。
定義を覚えることが理論の第一歩だと思っていただいて結構です。

貸借対照表とは「企業の一時点(決算日など)における、資産・負債・資本(純資産)の残高の状態を表示する財務諸表のひとつ」です。

3月決算の場合、毎年3月31日時点における一枚の“写真”のような状態で、今どれぐらい資産などが貯まっているかということを表しています。

例えばお風呂の水で考えてみてください。
3月31日の段階でどれだけ水の量が貯まっているか(ストック)を表しています。
1年間で新しい水が増える一方、排水されていく水もあります。

給水量と排水量はそれぞれメーターで測ることができます。
これはあくまでどれぐらい水が出入りしたかという動きの記録にすぎません。
こういったものは実体がないので「フロー」といいます。

売上も同じで、どれぐらいお金が入ったかということですし、支出というのもどれぐらいお金が出ていったかということなので、売上という給水量と費用という排水量の差し引きで給水が多ければ利益になりますし、排水のほうが多ければ量は減るので損失になります。

このように、動きというのはフローなのです。
365日で入ってくる量と出ていく量をメーターで確認する状況をフローといいます。

1年間の動きの測定値を「フロー」といいます。
その結果、残った実体が「ストック」です。
動きがフロー、実体がストックです。

柴山式総勘定元帳でいうと、エリア4番の収益のエリアとエリア5番の費用のエリアはフローです。
収益のエリアは水が入ってくる量で、費用は排水量です。

その結果どれぐらい残ったかというのは、柴山式総勘定元帳でいうところのエリア1番の資産エリアとエリア2番の負債エリアです。

資産・負債・純資産を繰り越すための繰越試算表もつくりますが、決算日時点でのストックの状態を静止画像のように表すのが貸借対照表です。

1年間の動きを動画のように時系列で動かしていくのが損益計算書です。
損益計算書が「連続写真」なのに対して、貸借対照は「静止画像」だと思ってください。
資産・負債・純資産の一時点におけるストックの状態を表すのが貸借対照表なのです。

では、このようなストックを表す貸借対照表の表示原則についていくつかご紹介します。
貸借対照表というのは3つの区分に分けます。

「区分表示の原則」ともいいますが、「資産の部」「負債の部」「純資産の部(資本の部)」の3つ区分に分けます。

さらに資産の部には「流動資産」「固定資産」「繰延資産」と分かれます。
負債は「流動負債」「固定負債」に分かれます。
純資産は「株主資本」「評価・換算差額等」「新株予約権」という区分に分けます。

今回は資産の部と負債の部の流動・固定だけ見ていただければいいです。
貸借対照の表示の主な原則のなかで大事なものは「貸借対照表完全性の原則」です。

つまり、会社が所有しているすべての資産・負債は漏れなく貸借対照表に表示するということです。

そして、完全性の原則とも近いため混同されがちですが「総額主義の原則」というものがあります。

例えば資産と負債を意図的に相殺したりして除外せずに、総額で表示するということです。
完全性の原則と同じように見えますが、完全性の原則は会社が所有している資産や負債をすべて盛り込むという内容ですが、総額主義というのは総額で書くということです。

「それならやっぱり同じではないか?」と思うかもしれませんが、この部分は次回に詳しくお話します。

次に、「流動固定分類」といって、すぐに換金できるものか、なかなかお金に換わらないものかで分類します。

あるいは、すぐにお金を払うべきものか、しばらく払わなくてもいいものかで流動負債と固定負債に分類します。

これは大事ですし、学問的にも色々難しい話はあります。
簿記3級や2級では出てきませんが、実務上大事な内容です。

そして、流動固定分類と併せて出てくるのが「流動性配列法」です。
レベルが高いのですが実務に関係するので、第24回でお話する予定です。

今回は「区分表示の原則」「貸借対照表完全の原則」「総額主義の原則」「流動固定分類」「流動性配列法」の紹介をしました。

これらはすべて会計実務に関係しますし、財務分析にも大きく影響を及ぼします。
なんとなくでいいので、イメージを持ってください。

次回は「貸借対照表完全性の原則」を中心に、総額主義の原則も解説します。
ではここまでお疲れさまでした。

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