取引の8要素【知識ゼロからの会計学入門012】

知識ゼロからの会計学入門第12回、今回は「取引の8要素」というテーマで解説をしたいと思います。
今回も楽しく、短時間で、会計学の基礎的な理論の知識を学んでいきましょう。

「取引の8要素」とは、簿記の入門の教科書や会計学のはじめのほうで時々出てくる学問的な知識です。こういったものもあるということを頭の片隅に入れておくと、理解が深まります。

これを知っていなくても実務はできますが、こういうことを1つ1つ知っておくことで、将来のあなたの会計について深みのある話ができるようになります。
それでは見てみましょう。

仕訳・転記という借方記入と貸方記入において、それぞれ、資産の増加はどちらか、資産の減少はどちらかというように、借方・貸方の記入と資産・負債・純資産・費用・収益の増減関係をパターン化したものを「取引の8要素」といいます。

それほど大したことは言っていませんし、そのうちだんだん分かってきますけれども、みなさんが1回1回の取引を検討するときに、その取引が資産(あるいは負債)の増加なのか?減少なのか?ということを覚えておいてほしいと思います。

借方に記入するパターンはどういうときかというと、「①資産が増えたとき」「②負債が減ったとき」「③純資産(資本)が減ったとき」「④費用が発生したとき」です。

ここで「費用の“発生”」と言っていますが、費用というのは使ってなくなってしまうことなので、財産や借金のように実体がありません。
費用というのは実体がない単なる消費行為です。

①は現金という資産、②は借入金、③は権利関係という実体があるので「増加・減少」といいますが。

消費行為は「増えた」「減った」とは言いません。
費用だけは実体がありませんので「発生」というのだと考えてください。
もしこの説明が難しいと思ったら気にしないでください。

一方、貸方の記入パターンは「⑤資産の減少」「⑥負債の増加」「⑦純資産(資本)の増加)」「⑧収益の発生」があります。
こちらも⑤~⑦には実体がありますが、⑧は実体のない行為です。

もしわからなければ、今の時点では「費用と収益だけは『発生』という言葉を使う」とだけ覚えていただければ結構です。

このように、借方の4パターンと貸方の4パターンで合計8個の要素が代表的なものです。
このなかから、よくある組み合わせで分かりやすいものは資産の増加と減少が同時に出てくるケースです。

そして、資産が増加する原因には⑤~⑧の4つのパターンがあります。
たとえば、現金などの資産が増えることで別の資産が減少をしたり、借入金が増加したり、純資産が増加したり、収益が発生します。

逆に、資産の減少を軸にした場合は、その理由として他の資産の増加との入れ替えや、借入金の減少や、資本金の減少や、費用の発生が挙げられます。

このように、資産の増加・減少それぞれで4つのパターンがあります。
他には負債の減少と負債の増加が入れ替わるケースが日商簿記検定3級でありますが、これは将来やりましょう。

資産の増加・減少を中心に、相手がどういう状況かで、取引の8要素を組み合わせて、色々な仕訳や転記のパターンを理解すると考えてください。

今回はよくある取引の組み合わせを6つほどご紹介しますので、見ていきましょう。
まずは資産が増えるパターンで、①と⑤の関係です。

パソコン(備品)を購入して、現金150,000を支払ったケースでは、現金という資産のマイナスと備品という資産のプラスになります。

次に①と⑥の関係です。
パソコン(備品)を購入して、代金150,000は翌月払いとしたケースです。

ここで「未払金」という勘定科目が出てきますが、これは将来支払う義務(負債)を表すものです。

「借入金」としてもいいのですが、簿記の世界では一時的な後払いは「未払金」という勘定科目を使うことがあります。

備品という資産が増加して、一方で未払金という負債が増加します。
「未払金」という名前もこの機会に覚えておきましょう。

次に①と⑦の関係です。
株主から現金160,000の出資(元入れ)を受けたケースです。

お店や会社の中に現金160,000という資産が増えましたが、その原因は株主からの出資によって純資産が増えたということです。

次は①と⑧の関係です。
商品を売り上げて現金170,000を受け取ったパターンです。
現金170,000という資産が増えましたが、その現金は売上という収益がプラスになったことです。

柴山式総勘定元帳を使えば、このパターンがビジュアルで理解できると思います。
ここからは資産が減るパターンで、まずは②と⑤の関係です。

借入金返済のために現金100,000を支払ったケースです。
借入金を返済(負債の減少)したために、現金が減った(資産の減少)パターンです。

次に④と⑥の関係です。
タクシーに乗って現金3,000を払ったパターンです。

タクシーに乗ることは交通機関を利用するので「旅費交通費」あるいは「交通費」と表記するのが一般的ですが、会社や問題文によって勘定科目が異なります。

電車やバスに乗ったり、定期券を買った場合もすべてここに含まれます。
交通費という費用が発生して、現金という資産が減ったパターンです。

このような6つのパターンをしっかりイメージしていただくと、あなたの簿記の取引に対する理解が深まると思います。

この6つの取引を仕訳の形にしてみました。
パターン1は(借方)備品150,000 (貸方)現金150,000
パターン2は(借方)備品150,000 (貸方)未払金150,000
パターン3は(借方)現金160,000 (貸方)資本金160,000

パターン4は(借方)現金170,000 (貸方)売上170,000
パターン5は(借方)借入金100,000 (貸方)現金100,000
パターン6は(借方)交通費3,000 (貸方)現金3,000

この6つの組み合わせが、典型的な資産・負債・純資産・収益・費用の増加・減少と、借方・貸方の記入の関係です。

ここまでの話は難しいと思った部分は飛ばしてしまって構いませんので、分かる範囲でイメージをしてください。
今回の講義はここまでです。

次回は「貸借対照表等式と資本等式」についてお話をします。
難しそうな内容と思われるかもしれませんが、貸借対照表の見方をもう一度勉強するだけですので安心してください。

貸借対照表が読めるようになると会社の財務体質が分かりやすくなるので、ぜひご期待ください。

以上で今回の解説を終わりにします。
お疲れさまでした。

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