フィードバックは3秒以内が効果的 【前を向いて歩こう172】

前を向いて歩こう、今回は「効果的なフィードバックの3秒ルール」についてお話をしたいと思います。
「フィードバック」という言葉はコーチングの領域で有名です。

今、相手が何を行ったかの事実を、感情や評価を抜きにして、客観的にありのまま返してあげることをフィードバックと言うのですが、これは何かのトレーニングやスキルアップをするときにはほぼ100パーセント必要です。

トレーニングにはいくつかの段階があって、前半は基礎技術を身に付ける時期で、後半は基礎技術を使って実践の環境に応用する時期です。

そのうち、今回お話するフィードバックの3秒ルールが役に立つのは、前半の基礎期です。
応用期にも役に立ちますが、基礎期で非常に役に立つケースが多いのです。

まずは単純なパーツの行動・動作のレベルを上げることです。
たとえば、仕事でいくならば「計画を立てる」「計画を指示する」「実行する」「実行した後に確認をする」などの局面における手順や技術があります。

あるいは、学校の先生ならば、教室で生徒と円滑な関係を維持しながら授業を進めるという技術もあります。

あるいは、部下の前で何かの指示をしたり会話をするなど、いろいろなことがあります。
あるいは、お客さんとの対話やクレームの処理や注文の処理の手順など、いろいろなことがあります。

そのようなときに、いろいろな基礎技術があると思いますが、その基礎技術を学んでいる過程で、端から見ていて明らかな間違いに気づいたときに、後になってから言うという方法もありますが、可能ならば、特に基礎的な技術の習得は早めに声をかけます。

1分単位で、後になればなるほど記憶がなくなってしまいます。
「現在の定義」とは何かというと、人間の意識のなかでの「今」というのは7秒という説もあります。

そうすると10秒先、20秒30秒先、60秒先というのは、ある意味で「未来」なのです。60秒先の自分から見て60秒前は過去なのです。

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」といいますが、今を7秒とするならば「喉元」は7秒以内になります。

しかし、私は瞬間的な対応が大事だと思っているので、3秒だと思っています。
間違えてから3秒以内に相手がフィードバックを受け入れるような状況をつくって、最初にポイントを伝えます。

3秒以内に伝えるということを意識するだけで、あなたの行動のシャープさが変わってきます。
周りに対する指示の与え方が変わってきます。

「あれ、ちょっと手順が違うな」と思った瞬間に、できれば3秒以内に声をかけます。
そのときも、ムッとしたような顔をせずに、あくまでも自然に声をかけます。

相手の気持ちもありますから、作業や今やっている練習を止められて嫌な気分になるということもあるので、「あなたの気分を悪くさせようと思ってやっているわけではなく、今伝えたほうがこの後ステップアップできると思うので」という愛情を踏まえて、3秒以内に伝えます。

「ちょっとA君いいかな。今、A君はこれをこの手順でやっていました。本来の手順はこうですね」ということを3秒以内に言い始めます。

これが1分経ってしまうと「そういえば、A君、さっきのあれさあ」と言われたら、言われたほうは「『さっき』ってなんだろう」と思ってしまいます。

時間が先に進めば進むほど、その間にいろいろな行動が入ってくるので、「さっきのあれって何かな」というふうに、探すことが大変になります。

その瞬間に脳はストレスを感じてしまうので、しつけや教育訓練というのは、極力、基本的なものであればあるほど、間違ったら瞬間的に伝えます。

その「瞬間」というのは、3秒だと私は思っています。
そして、そのときには表情も大事ですが、まずは「3秒ルール」です。
極力フィードバックは早めにします。

慎重な方は自分の頭の中で整理をして、間違ってないアドバイスをしようとして時間がかかってしまう場合がありますが、それは逆に相手にとっては迷惑なのです。

不十分でもいいからその場で言ってほしいのです。
とにかく気づかせてほしいのです。

気づかないで先に行ってしまうと、その間に積み重なっている行動がでてきますから、時間が空けば空くほど、どの行動について言われたのかがわからなくなってしまいます。

しかも、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」というのは本当のことですから、私の経験上、やはり3秒以内に伝えることが大事です。
これを意識しているコーチやトレーナーは優秀です。

よく「犬のしつけは、今言わないとわからない」といわれています。
ちょっと時間が経ったときに言われても、犬は何について怒られているのかわからないといいます。

つまり、3秒なのです。
犯した間違った手順について、3秒以内に正しい手順を伝えてあげます。

そして正しい手順の確認をして、「ちょっと前に戻ってもう1回やってみようか」というふうに言います。
これでいいのです。

行動の修正は3秒以内のフィードバックが非常に効果的です。
よかったら、今日からいろいろな場面で使ってみてください。
ここまでご視聴いただきましてありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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