1級の受験を意識して、2級を学習してみよう【がんばろう独学簿記2級017】

がんばろう日商簿記2級合格、今回は「1級を意識して、2級の勉強をしてみよう」というテーマでお話をしたいと思います。

通常、簿記3級を目指す場合は簿記3級の合格をゴールと考えます。
そして簿記2級の勉強をされる方は、簿記2級の合格を当面の目標として置くと思います。
もちろん、それはそれで間違ってはいません。

しかし、成功率・合格率を考えた場合は、目先のゴールよりも少し先のゴールを意識して努力をすると、成功率・合格率が高まりますので、今回はそういうお話をします。

たとえば、100メートルを走る場合、100メートルの地点をゴールとしてしまうとゴールの手前で手を抜くとか、100メートルまでの全力と考えてしまいます。
脳というのは多少楽をしようとしてしまうのです。

しかし、100メートルの少し先、たとえば120メートル先をゴールと考えると100メートルは通過点になるので、そのまま全力を出し切れるという発想です。

私は野球をやっていましたが、ホームベース一塁まで走るときには、よく「一塁をゴールと考えるな」と言われます。

一塁に着くことを考えるのではなくて、一塁の5メートル先ぐらいをゴールと考えると、一塁を駆け抜けるときのスピードが違うのです。

人間の脳というのはゴールまでのところを限界と考えるので、ゴールの少し先を限界と考えるとゴールを通過点にできるのです。
そうなると、もっと潜在能力が発揮されます。

この発想を簿記の勉強にも応用すると、簿記2級の勉強をする場合は簿記1級を意識するのです。

私は何百人もの合格者を見ていますが、多くの方は簿記2級に合格した後は簿記1級に色気が出て「簿記1級を受けてみよう」思うのです。

しかし、そのほとんどは簿記1級のテキストを見て「これはできない」と思って止めてしまう人が多いのです。

それはなぜかというと、簿記2級を受験する場合というのは簿記2級をゴールにしているので、簿記1級のマインドがないのです。

簿記1級の勉強をするという心の準備がない段階で「あわよくば」と思う気持ちで見てしまうとできないのです。

簿記2級の勉強をしている段階から「あわよくば簿記1級をゲットして、会計の専門家になってやろう」という、少し高い志を持ってみます。

そして実際に簿記2級に受かってから「やっぱり簿記1級の受験はやめよう」というのは構わないのですが、最初の段階で「簿記1級も受けてみよう」というつもりで、最初から気持ちを簿記1級の目線にしておくと簿記2級の勉強が楽になります。

たとえば特殊商品販売のなかで割賦販売というものがありますが、これは日商簿記検定1級でもとても大事な論点です。

簿記2級の合格だけをゴールにするならば、第一問対策の仕訳ができれば問題ありません。
しかし、1問4点ですし、割賦販売ができなくても合格はできるので、場合によってはこれを捨ててしまう人もいます。

「割賦販売の仕訳はできなくてもいい」と思って、そういう形で1つ1つの簿記2級の論点に取り組むと、いざ簿記2級に受かって簿記1級に進んだとき「割賦販売が難しい」ということになってしまいます。

しかし、簿記2級の時点でしっかりやっておけば応用力もつきます。
たとえば簿記2級の割賦販売を勉強するときに、回収基準というのがありますが、「将来、簿記1級をやるときには応用的な問題が出るな。じゃあ、今の段階でしっかりできないとまずいな」と思ってしっかり勉強しておけば、少し応用的な仕訳が出題されてもできるようになります。

このように、1個1個のテーマに対して掘り下げ方が違ってきて、腰の据わった勉強ができます。

簿記2級の合格を最終目標にするのも悪くはありませんが、実際に受けるかどうかは別として、「簿記1級に受かることができたらいい」という、簿記1級を意識した状態、「この勉強が簿記1級に繋がる」という意識を持つだけでも、気持ちの上だけでも簿記2級合格が最終ゴールではなくなります。

したがって、手を抜かなくなります。
そうすると、あなたの毎日の勉強が1個1個深掘りできます。
簿記2級の勉強をしている3か月間の、この深掘りの蓄積が大きいのです。

工業簿記であれば、直接原価計算や損益分岐点というものがありますが、これらの論点も日商簿記検定1級でよく出題されますし、実務でも使います。

そのため「最低限の例題がちょっとできるぐらいでいい」という考えではなくて、もう少し掘り下げてしっかりと理解をする状態まで持っていけたら、当然、その後簿記1級に進むときにも取り組みやすいです。

実際に6月7月ぐらいから、柴山式簿記1級講座でも、割引や簿記3級のDVDがプレゼントできる、簿記2級簿記1級セットコースの申し込みが最近すごく増えています。

簿記2級の勉強をする段階から、あわよくば簿記1級を目指そうというつもりで、早めに簿記1級を意識したほうがいいです。

「まずは簿記2級合格」という考えで簿記2級合格のためだけの勉強になってしまうと、1つ1つの論点の掘り下げが甘くなってしまいます。
その甘さが簿記1級に進んでから影響してくるのです。

したがって、今の段階の勉強をちょっと掘り下げるだけで、すべての論点がしっかりとあなたの基礎力になります。
日々の積み重ねが大きいのです。

あと20パーセント深掘りした状態で100日間勉強してみてください、全然違います。
簿記2級合格を最終合格にするのか、あるいは簿記1級を意識して勉強するのか。

つまり、「今の勉強は必ず簿記1級にも活きる」と思えば、もうちょっと踏み込んで丁寧に勉強するはずです。

勉強のちょっとした丁寧さの日々の積み重ねが、あなたの簿記2級合格率を結果的に上げるのです。

したがって、簿記2級合格で終わったとしても簿記2級の合格率が高まりますし、合格点も85点90点と、さらに実のあるものになります。

簿記2級というのはかなりの方が85点以上で合格できます。
70点台での合格も構わないのですが、80点や90点で受かれば、それはそれでいいものです。

普段の勉強から簿記1級という高い目線を持つだけで、普段の勉強で少しぐらい分からなくてもすぐに嫌になることがなくなります。

「こんなところで負けていられない」という強い気持ちが持てるようになり、日々の勉強が少し掘り下げられるようになって、あなたの基礎力がさらにしっかりしたものになります。

この方法を試してみてください。
普段のあなたの簿記2級の勉強が変わってきます。

柴山会計はいつもあなたの日商簿記検定の合格を応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
商品に関するご質問・ご相談はこちら