コーチの役割は、「教える」より「気づかせる」【前を向いて歩こう159】

前を向いて歩こう、今回は「コーチの役割は『教える』より『気づかせる』」というテーマでお話をしたいと思います。

「コーチング」と「ティーチング」の一番の違いは何かというと、ティーチングが「教える」のに対して、コーチングは「導く」あるいは「併走する」という意味合いがあります。
「一緒に走る」のと「教える」のは何が違うのかというと、前提が違います。

ティーチの前提は「相手が知識を自分で手に入れられない(知識を持っていない)」のに対して、コーチングは「相手が知識を持っている、または自分で探せるけれど、どう使っていいのかがわからない」あるいは「どういう知識を使っていいのかがわからない」ということが前提になっています。

相手に知識がないという前提でスタートするのが「教える」なのです。
つまり、知識を与えることが目的なのですが、そうするとゴールは「知識を得ること」なので、知識を得たら満足してしまって、生徒はその先に行きません。

だから、教えても、研修をしても、次の日に続かないのです。
これがほとんどの研修や教室の講義です。

簿記検定の講座も同じですが、知識を得ることを目的に来てしまうと復習しないのです。
だから、私の経験上、教室に何千人という生徒が来て、「次の週までにこれをやっておいてね」と言ったとき、言われたことをきちんとやってくるのは10人中何人いると思いますか?

やったとしても、3人です。
7割はやらないのです。
場合によっては9割やらないです。

ということは、ほぼ8割前後の人たちはやりたくないのです。
なぜかというと、知識を得ることが目的になっているからです。

これが潜在的な意識ではないでしょうか。
ご自身が研修を受けるときはどうでしたか?
「知識を得よう」と思っていませんでしたか?

「教わろう」「何か新しい気づきを得よう」というように、「与えてもらう」というマインドで参加するから続かないのです。
これがティーチングの限界なのです。

もちろん、ティーチングにもいいところはあります。
その知識を自力で得ようと思ったら1年かかったり、いろんな遠回りが必要になる場合は、ストレートにその知識を得るためには教わったほうが早いです。

成果を出すための「前工程」と「後工程」があるとしたら、知識を得ることは「前工程の途中経過」と考えないと、その知識はモノになりません。

しかし、ほとんどの研修は知識を得ることがゴールになっています。
研修では、よく「研修の目的」というのが掲げられることがあります。

たとえば「これについてこういったことを知っていただきます」という形になっている研修は、たぶん使えない研修です。

それは、そのセミナーのレベルが低いというわけではありません。
受ける側の気持ちの問題なのです。
これがティーチングの限界なのです。

だから、私は「コーチング」という考え方を取り入れようと、いろいろなクライアントでやっています。
コーチングは知識ではなく「行動」に着目するところが面白いです。

ティーチングは知識を受け身として受け取るところに目的があるのですが、そこで終わるから研修やセミナーのほとんどが役に立たないのです。
知識は得られるかもしれないですが、その知識を役立てることができないのです。

一方、コーチングはどうかというと、知識はすでにあったり、自分で少し努力すればすぐに手に入れられる、あるいは持っているけど気づかないということが前提にあります。
だから、相手を見極めるのです。

「ティーチングというのはゴールではなくて中間地点だ」ということを、教える側も常に意識していないと、知識を得ることでお互いに達成感を得てしまうのです。
だから続かないのです。

私の研修の一番大事なところは、知識を得るのは“仕掛品”だということです。
私が思っているのは、知識を得るのはわずか2割、場合によっては5パーセントです。

研修で得た知識は5パーセントで、それを実践するのが95パーセントです。
そしてその「95パーセント」に「3つの壁」があるから役に立たないのです。

多くの方はいままで10回以上は研修を受けたことがあると思いますが、そのなかで得たものはあるかもしれないけれど、それによって何か行動は変わりましたか?

95パーセントは変わらないでしょう。
もしかしたら98パーセントかもしれません。
だから、「研修には意味がない」と思ってしまうのです。

要するに、研修の使い方を教わっていないのです。
繰り返しますが、ティーチングは5パーセント、コーチングがその人の人生を決める95パーセントなのです。

この情報化社会において、知識はすぐに手に入ります。
ちょっとした基礎知識であれば、大抵のものはネットで手に入れることができます。

「Wikipedia」は正確性が云々といいますが、それ以前の問題ですから、マニアックに考えることはありません。

一般常識であればWikipedia、AllAbout、OKWaveなどでも充分なので、知識は5パーセントに過ぎないのです。

コーチングは、その後行動に移すというところにモチベーションを転換させる「技術」なのです。
コーチングは完全に技術です。

しかし、「技術」とはいっても、冷たい技術ではなく、血の通った技術です。
コーチングの面白いところは、「できないだろうな」ということを前提としながらも、できないことに対して評価しません。

できないことを受け入れた状態で、器を広げて、その人が自分でできるようになるまで問いかけるのです。
コーチングのポイントは「聞く」「認める」「問う」です。

「聞くスキル」というのは「傾聴のスキル」と言いますが、私は「傾聴のスキル」という言葉が嫌いなのです。

音読みが嫌いで、ただ「聞く」と言ったほうが血が通っていると思うので、「傾聴のスキル」という言葉はあえて使いません。

「傾聴」という言葉はよそ行きのような感じがして好きではないのです。
「聞く技術」「認める技術」「問いかける技術」です。

言い換えると「聞く」「承認」「質問」です。
聞いたら「そうですね」と、一度認めます。

「なんで?」や「えーっ!?」などと返してしまうことがあると思いますが、これは受け入れてないということなのです。

コーチングは「聞く」「受け入れる」「問いかける」という3つの作業を、言葉を変え品を変えて、延々と繰り返すのです。
これがコーチングの基本だと私は思っています。

教わった知識というのは、人から押しつけられた受け身の知識なので、使えないのです。
ティーチングはあなたの行動を変える要素の5パーセントに過ぎません。
95パーセントは、行動を変えるためのモチベーションなのです。

このモチベーションを高める、あるいは自立心を育てるために、コーチングがあるのです。
コーチングは行動を変える技術。
ティーチングは知識を与える技術。

「与える」と「行動を変える」は雲泥の差です。
両者の間には、まるで日本海溝ぐらいの深い溝があります。

教わるというのは、与えてもらうこと、要するにテレビのスイッチを入れて見るのと同じですから、楽なのです。
この気持ちがある間は、研修は身に付きません。

大切なのは、「研修で得た知識を次の日に使ってやろう」という意識でなければ無理です。
「知識を得よう」と思うから失敗するのです。
「行動しよう」というところまでいかなければダメです。

知識を得るのは第1段階です。
得た知識を行動に繋げるということをやってみてください。

「自分はこれをどうやって行動に繋げるか」と、自分に問いかけてみてください。
自分の心の声を聞いて、自分の心の声を受け入れて、できなかったことも受け入れて、行動します。

「どうしたら行動できるかな」というのが“魔法のクエスチョン”です。
「できなかった」となったら、それは仕方がないです。

「じゃあ、できなかった原因を一緒に考えよう」というのがコーチング的な発想です。
できなかった点を挙げて「これをできるようにするためには、どうしたらいいか」という問いかけもあります。

コーチングは行動を変えるための技術です。
コーチの役割は「教える」よりも「気づかせる」です。
「気づかせる」というのは、行動に移すための気づきです。

行動を起こすというのは「自分はこうすればいいんだ」と自分で気づくことです。
与えられることではありません。
「行動をしよう」という方向の意識に気づくことです。

与えるのではなくて、気づかせるのです。
自分で気づかせるのです。

ただし、無理矢理気づかせてはいけません。
それでは「与える」になってしまいます。

「どうしたらいいですか」「どうしましょうか」と聞きます。
そうすると「じゃあ、僕はこうします」と自分で宣言をさせます。

そうしたら「本当にその行動を自分の心の底からやりたいと思えますか」と聞きます。
「YES」と言ってもらったら、「じゃあ、がんばりましょう」となります。

でも、そう言っても、多くの方は1週間経つと「すいません、できませんでした」となるのです。

そういう場合でも「なんでできなかったの」と言うのはNGです。
「できなかったのですね。何か事情があるのですね。その事情を一緒に考えてみましょう」というふうに、できなかったことを受け入れるのです。

聞いて、受け入れて、問いかけるのです。
「では、どうしたら自分できる範囲で行動に移せますか」と聞かれたら、「こうすればいい」と言います。

「なるほど、こうすればいいんですね」と気づいてもらいます。
自分で気づいてもらえたほうが、圧倒的にその知識を活かせる人間になります。

コーチの役割は、相手を自立的な人間にすることです。
依存心の強い人間にすることではありません。
知識を与えられるだけでは依存心が強くなるばかりです。

依存心が強くなると、どんなに素晴らしい講義を受けても、それは無意味なものになります。
なぜなら、その人の行動が全然変わらないからです。

行動が変わることが、最も重要な人生を楽しくするひとつの原理ではないかと思います。
同じ行動をしていたらつまらいですから、少しずつ変えたほうがいいです。

今回のテーマは「コーチの役割は『教える』より『気づかせる』」としましたが、「気づかせる」というと強制している感じなので、「気づいてもらう」のほうがいいです。

コーチの目的は「教える」より「気づいてもらう」です。
気づいてもらうように、質問を重ねて、気づいてもらえるような環境を整えます。
その場を整えるのが、コーチなのです。

参考になれば嬉しいと思います。
あなたの部下との会話にも参考にしてみてください。

部下は答えを持っていることが多いです。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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