勉強できる幸せに感謝する【がんばろう!日商簿記1級合格173】

がんばろう日商簿記1級合格、今回は「勉強できる幸せに感謝する」というテーマでお話をしたいと思います。

今回のお話は過去にもお話したことがあるかもしれませんので、聞いたことがある方は、柴山が伝えたい大事なメッセージなのだと思ってください。

この動画ももうすぐ200回に届こうとしているので、最初に話した内容は覚えていないのです。

その時その時のインスピレーションで話すことを決めていますので、そろそろ内容が被ってきてもおかしくないのですが、“復習”だと思って聞いてください。

今回は「簿記1級の勉強ができることは当たり前ではない」というお話です。
勉強ができるというのは実はすごく幸せな環境で、周りの人の気遣いやサポートがあるのだということを1つのエピソードを交えてお話したいと思います。

私は1992年に公認会計士試験に合格していますが、試験を受けたのは7月下旬で、試験期間は3日間ありました。
試験時間は3日間で合計14時間と長く、きつかったのを覚えています。

私は3回目の受験で合格しましたが、3回のうち2回は早稲田大学で受験しました。
当時の早稲田大学では、真夏の暑い中を冷房なしで3日間試験を受けるのです。

私の記憶では、地下1階の教室は冷房が効くらしいのですが、地上階の教室との公平を期すために、早稲田大学で受験する人は全員が冷房なしの環境で受験しました。

とてもつらくて、暑さを紛らわすため鉛筆を膝にグサグサ刺しながら受験している人もいたくらい、過酷な環境でした。

使われている紙もわら半紙のような安い紙で、教室の窓を開けていると夕立が来た場合に窓際で受験している人たちの紙がグシャグシャになったり、いろいろなことがありました。

私は最初の2回は早稲田大学で受験したのですが、それでは受からなかったので、験をかつぐという意味もあって3年目は仙台で受けました。

私の母方の実家が宮城県栗原郡(現・栗原市)にあって、近くに新幹線のくりこま高原という駅がある場所です。
仙台の試験会場は冷房が効いているので、そこで受験して合格しました。

試験が終わった後、母の実家に何日か泊まろうと思い、お爺さんとお婆さんが2人で暮らしているところに行きました。

母親には「実家についたら電話する」と話していたので、夕方頃に電話したら母親の声が意外に暗いのです。

何か元気がないなと思って「どうしたの?」と聞いたら、「実は、今まで黙っていたけど、ガンだったのだよ」と言われました。
これには「えっ!?」となって、ビックリしました。

結構前から体調が悪かったらしく、精密検査を受けたところガンだったということがわかったのです。

「それは大変じゃん!なんで言わなかったの?」と母に聞いたら「試験の直前期で心配をかけたくない」ということで、ずっと我慢していたのです。
だから、おそらく手術も待っていてくれたのではないかと思って、ビックリしました。

「命に関わることなのだから……」ということは言いましたが、やはり「私の試験に影響がないように」ということなのでしょう。

さすがにこれは頭が下がりました。
ガンは進行していたらしいので、これはまずいという話になりました。

弟もいますし、私自身も、手応えはあったとはいえまだはっきり合格と決まったわけではないですし、その状況で当時27歳の私が弟の面倒を見るのはきついということも頭の中で考えました。

この時点では、試験で手応えがあったなどということはすべて吹っ飛んでいましたが、そのときの試験で受かる実感があったのは、母親がマイナスの部分を引き受けてくれたからではないのかと考えました。

「受かるという運を得るときに母親が身を挺してくれたのかな」と思いながら、感謝もしながら「親ってすごいな」と思いました。

私は気が弱いところがあるので、もしガンだとわかったら怖じ気づいてあたふたするでしょう。
しかし、母は会ったときにも何のそぶりも見せず、どっしり構えているのです。

こういうときに母親は強いと思いました。
というわけで、そんなことがあったため一晩泊まって次の日に東京へ帰りました。

この話で何が言いたいかというと、「試験は自分1人で受けているわけではない」ということです。

母親だってガンがわかっているわけですから、これも人生の一大事なわけです。
普通に考えたらすぐに入院して精密検査を受けるべきなのです。
しかも、少し進行しているという話だったので、私だったら死の恐怖に怯えます。

しかし、電話口ではまるで悟ったかのように落ち着いているのです。
それにも私はビックリしました。
命の危険に直面しながらも子どものことを考えるというのはすごいことです。

それを考えると「やっぱり支えられているのだな」と思います。
私に対して「試験前に動揺させない」という一点のみで黙っていたのです。
しかも、その時点では入院もしていなかったのです。

家族というのはありがたいもので、周りに気を遣ってもらっていることに感謝しました。
翻って、現在、日商簿記検定1級を受けるというのは結構大変なことだと思います。
半年ぐらいは1日2時間から3時間ぐらいの勉強時間を作るわけです。

場合によっては、家族なども土日には一緒に遊びに行きたいと思っているところを、勉強のために我慢したり気を遣うのです。

簿記1級を受けるということはそれなりに大変なことなので、周りがいろいろとあなたに気遣ったり、自分の欲求を抑えてくれているのかもしれません。

勉強が上手くいかなくてイライラしているときにも、気を遣ってくれているかもしれません。

あなたの見ていないところで、案外、周りの人たちはあなたをサポートしてくれているのです。

専門学校や教材だけではない、見えないサポートがあなたの簿記1級の勉強を可能にしているのかもしれません。

たとえば、経済的に厳しいとか、社会不安があるとか、政治の不安があるときは勉強どころではありません。

しかし、なんだかんだ言って簿記1級の勉強が毎日できているという環境があるということは、あなたは支えられている証拠なのです。

私は公認会計士を受けて本当にそう思いました。
家族の助けというのは本当に大事です。
勉強できる環境に感謝するということも大事かもしれません。

感謝の気持ちがあれば、少々思いどおりに勉強が進まなくても頑張れるはずです。
受験勉強というのは自分ひとりだけの戦いではなくて、周りがあなたを支えているのです。
いろんな助けがあって今のあなたがいるわけです。

それは私も同じです。
だから、お互いに、簿記の勉強に意識が集中できる環境に感謝しましょう。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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