株高が財務改善の追い風に(日経13*3*16*15)

2012年の6月には一時8,238.96円まで日経平均が下がっていました。

それが2013年3月16日に12,560.95円を記録するなど、わずか9カ月ものあいだに約1.52倍も株価が回復しています。

ちなみに、野田前総理が解散表明した2012年11月14日の前後、および第2次安倍内閣が発足した2012年12月26日前後の株価の動きを、週足で見てみると…

2013年 2月 25日 11,606.38
2013年 2月 18日 11,385.94
2013年 2月 11日 11,173.83
2013年 2月 4日 11,153.16
2013年 1月 28日 11,191.34
2013年 1月 21日 10,926.65
2013年 1月 14日 10,913.30
2013年 1月 7日 10,801.57
2012年 12月 31日 10,688.11

【安倍政権発足】2012年12月26日

2012年 12月 24日 10,395.18
2012年 12月 17日 9,940.06
2012年 12月 10日 9,737.56
2012年 12月 3日 9,527.39
2012年 11月 26日 9,446.01
2012年 11月 19日 9,366.80

【野田氏、解散表明】2012年11月14日

2012年 11月 12日 9,024.16
2012年 11月 5日 8,757.60

民主党政権の晩年が9,000円台以下で、安倍政権スタート時には日経平均が10,000円の大台に手が届いていた、ということがわかります。

すくなくとも野田さんの電撃解散発表の前までは、日経平均が9,000円すら下回っていました。

政権交代が株価、ひいては経済に好影響を与えた典型例となりそうですね。

「アベノミクス」といわれる所以です。

さて、これだけ株価が持ち直してくると、以前、増資に応じて新株発行分を取得した投資家や、転換社債を購入したときの行使価格を株価が上回った投資家もいることでしょう。

新聞の調査によると、マツダ、みずほFG、三井化学、川崎汽船、東芝、りそなHDおよび三井住友FGなどが公募増資の価格を最近の株価が上回った代表例のようです。

たとえばマツダのケースで行くと、新株発行価格が124円だったのに対し、2012年11月21日には301円をつけました。

2013年3月18日の終値でも286円ですから、まだ倍以上高くなっています。

当時、増資に応じた株主は、その株が今や2倍以上の価値になっているのですから、これは良い投資をしましたね。

もうひとつ、転換社債という商品があります。

これは、当初は社債(満期になったら額面で償還される投資商品)として購入しておき、後に株価が上昇した時には、社債購入時に決めておいた買い取り価格(行使価格)で手持ちの社債を株式に転換してもらい、行使価格と転換時の株価との差を利益としてゲットすることができるという、複数の金融商品を組み合わせた「複合金融商品」と呼ばれるものの代表選手です。

社債は、会社が経営破たんしない限り元本が保証されているという意味で安全資産ですし、転換社債という形式ならば、株価が上昇したのを確認してハイリターンを狙えるタイミングで株式に転換する権利を手にしているので、転換権があると、株価上昇の際にはいいとこどりができるのですね。

会社としても、社債を発行した時には、将来の返済義務を伴う負債としてバランスシートの貸方(右側)に表示しますが、ひとたび株価上昇で株式に転換してもらった場合、それは負債から純資産に組入れられますので、返済不要の資金が増えて、財務体質が強固になります。

株価上昇時には、転換社債という複合金融商品の存在価値がグーンとアップするわけですね。

今のところですが、滑り出しはともあれ、アベノミクスが日本経済を明るくする効果をもたらしている、と考えてもよろしいような気がいたします。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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