精密大手が株主への利益還元を強化(日経13*1*12*13)

日経新聞2013年1月12日の13面です。

2014年3月期に、ニコンとリコーが年間配当を今期見直しから増やす公算が大きいと報じられていました。

キャノンも自社株の取得を検討するそうです。

精密機器関連は海外売上高の比率が高いので、最近の円安傾向が業績の追い風になっていると、見ることができそうです。

円相場は1ドル89円前後、1ユーロ118円前後で推移するなど、最近の傾向としては各社の想定レートよりドル円で9円、ユーロ円で19円もの円安傾向にあります。

この水準で行くと、精密7社の来期の営業利益をなんと2千億円以上も押し上げる要因となる模様です。

ニコンのケースで言えば100億円以上の増益要因が発生する見通しさえあると言われています。

こういった傾向をふまえ、精密大手各社が、株主への利益還元を手厚くしようという方針になりそうな気配なのですね。

会計的に見て、株主への利益還元の方法は、一般に2つあります。

(1)株主への配当・・・利益などの財源から金銭を支払う
(2)自社株の取得・・・利益などの財源から自社株を買い戻す

配当も自社株買いも、会社法の規定により、一定の財源が必要になります。

具体的には、純資産の項目のうち、「その他資本剰余金」と「その他利益剰余金」が主な配当の財源となります。

貸借対照表
(資産)  (負債)
      (純資産)
        資本金
        資本剰余金
        (資本準備金)
        (その他資本剰余金) ←配当の財源1
         利益剰余金
        (利益準備金)
        (その他利益剰余金) ←配当の財源2

・その他資本剰余金とは、いったん取得した自社株を再度売却した時の処分益などです。

・その他利益剰余金とは、損益計算書で計算される当期純利益の累積額のうち、配当などで減少した分を引いた残額です。

このように、自社株の処分益や純利益のストックの合計の範囲内で、株主への利益還元が行われます。

もちろん、株主としても、利益の還元が多ければ、それだけリターンが増えるので、大歓迎ですよね。

株価が上昇する要因にもなります。

配当が増えたり、自社株の取得が増えるということは、通常では利益が潤沢にある、あるいは最近儲かっているという場合が多いので、資本市場は好感を持ちます。

株主への利益還元は、株価対策にもなるのです。

株価が上昇すれば、その会社を買収しようとする他者からの買収攻勢に対する予防策にもなります。

株価が上がれば、買収資金が跳ね上がり、M&Aしにくくなります。

以上を考えると、精密大手の今後の株価の動向が、このような財務方針の報道によってどうなるか、注目してみたいですね。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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