物価上昇と資産・負債価値の関係(日経12*11*20*1,3)

本日の日経朝刊で、自民党の公約として物価目標2%を掲げるという話が報じられていました。

これが何を意味するか、考えてみましょう。

会計にも大いに関連するんですよ。

たとえば商品在庫。

先入先出法という期末在庫の評価方法を採用していれば、期末の商品単価は最新の価格情勢が反映されますから、インフレになると資産評価が膨らみます。

結果として売上原価に配分される費用が減るので、利益がガツン!と上がってしまうのですね。

このような物価上昇の影響による資産保有の利益を「保有利得(ほゆうりとく)」といいます。

ちなみに、インフレになると、貨幣の価値が下がります。

どういうことかというと、次の事例を考えてみてください。

(1) 去年、缶コーヒー1本を買うのに100円かかっていた。

(2) 今年、缶コーヒー1本を買うのに300円かかるようになった。

かなり強引な例ですが、もしも缶コーヒーの価格変動が、世間の一般的な物価変動とおなじ様子を示していたならば、一年間で物価上昇率が200%だったと考えられます。

※インフレ率の計算:△P/P(Pは価格、△は増加幅)

(300円-100円)/100円(一年前)×100%=200%
これが何を意味するか、といいますと、「去年は缶コーヒー1本を100円で買えたが、今年は300円出さないと買えない」状態です。

つまり、円という貨幣の価値が3分の1に減ったことを意味しますね。

反対の見方をしましょう。

去年の100円=缶コーヒー1本、
今年の100円=缶コーヒー0.33333・・・本(3分の1本)
です。

つまり、インフレで困るのは、お金をいっぱい持っている人なんですね。

ただ持っているだけではそのお金の価値がじわーりじわりと目減りしていきます。

気が付いたら、その1,000万円、○年後にはその半分の価値に…

なんだかホラーな話です。

これは、お金そのものではなく、貨幣で決済する資産・負債にも言えます。

たとえば、今年の初め(期首)に100万円の土地を持ち、同時に100万円の借入金を負っている場合を考えてみます。

バランスシート
土地 100万円   借入金 100万円

この状態で、土地を100万円で売却処分して借入金を返済したら、手元に一銭も財産が残りません。

なお、その1年後に一般物価が2倍に上昇し、土地の値段が200万円に上がりました。

税金を無視すると、1年後に土地を売れば200万円の現金が手に入ります。

バランスシート
現金 200万円   借入金 100万円
          利益 100万円

バランスシートの借方(左側)にある実物資産としての土地は貨幣との関係で相対的に値上がりしましたが、借入金自体はその金額が100万円のままで不変です。

この「2分の1の価値に目減りした現金」で借入金100万円を返すことができたら…(もちろん、できるんですが)。

あら不思議、インフレによって、現金が100万円ほど残っちゃった!

…とまあ、こんな感じで、インフレ後の価値が目減りした貨幣で返済すると、借金の負担がかなり軽くなるんですね~。

政府がインフレターゲットを言っているとき、一つの見方として、「そういえば、国の借金って、もうすぐ1,000兆円とか言っているよね…。あれ、インフレになるとどれくらい実質的な価値が目減りするんだろ」

みたいに疑問を持ってみるのも、会計と経済の行ったり来たりの思考トレーニングができて、面白いと思いますよ。

経済って、わかってくると興味深い世の中のうごきがいろいろと見えてきます。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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