4-6月における企業の資金調達が4割減(日経12*6*18*1)

4-6月を対象とした株式および社債発行による資金調達額の合計が、5979億ドル(約48兆円)となり、前年同期比で4割減少したとのデータが出たそうです。

米調査会社のトムソン・ロイターの調べによる数値として、日経一面に出ていました。

このうち、株式発行額が1186億ドル(15日時点)で、社債発行額が4793億ドルだそうです。

社債発行による資金調達の方が4倍も大きいのね、という一つのツッコミが可能です。

ここで「教科書で教える会計学」のお話しをしましょう。

株式発行による資金調達と、社債発行による資金調達の違いは何でしょうか。

☆株式発行による資金調達
・・・株主から受け入れる出資の増加を意味します。

つまり、「返済不要の元本を追加してもらう」と考えればよいでしょう。

バランスシート
(資産)         (純資産)
現金預金 100億円      資本金 100億円 ←返済不要(資本)

☆社債発行による資金調達
・・・長期的な経営目標を達成するために、社債権者(債権者です)から資金を一時的に集め、利息を支払うとともに、満期(返済日)には約束の金額(通常は当初の調達額より多い)を支払う、という契約に基づきます。
つまり、「返済が必要な長期利用目的の資金調達」と考えることができます。

バランスシート
(資産)           (負債)
現金預金 100億円       社債 100億円 ←返済必要(負債)

投資家にとって、株式の取得という形で資金を預けるのがもっとも「ハイリスク」です。

なぜなら、会社が経営破たんした時、いちばん返済順位がひくいからです。

債務超過にでもなったら、一銭も返ってきません。

つまり、「元本保証は全くない」というわけですね。

これなら、当然、「最も高いリターンをよこせよ!」という強気の姿勢で経営者に対峙することができる(はず)ですね。

だから、株式発行による資金調達が、もっとも調達コストが高い、といわれるわけです。

ちなみに、ここでの調達コストは、
(1)配当による利益還元…投資家にとってはインカムゲイン
(2)株価アップで売却益…投資家にとってはインカムゲイン

の2つに代表されます。

この2つを合わせた利益と投資額を比較したものが、投資利回りとなり、他の金融商品(投資信託やら預金やら)の利回りとの競合関係(どっちを選ぶか?)になるのです。

つぎに、社債の場合は、株主よりも優先して返済を受ける権利を社債券の所有者は持っていますので、株式よりも安全性が高いと言えるでしょう。

満期における償還請求権を持っています。

いってみれば、貸付金や売掛金と同等に、株主よりも優先的に支払いを受ける権利を持つ債権者の立場にあるわけですね。

だから、投資家他の立場では、一応の元本保証(債務超過にならない限り)があるわけですから、株を買うより、債券を買う方が安全だよねえ、という理屈になります。

したがって、株主ほど、高いリターンを要求しないのが社債権者(社債券を持っている人)の特徴です。

なお、株式の発行も社債の発行も、「資金を出す人に、直接会社が証書を発行して、一対一の取引をしている」ので、直接金融・間接金融という分類の考え方を持ち出すと、どちらも直接金融というグループに入ります。

はい、ここで中間総括です。

株式発行と社債発行の相違点

返済不要か返済必要か→所有者は、会社の持ち主か債権者か

株式発行と社債発行の共通点

直接金融か間接金融か→投資家から直接調達=直接金融

ご参考までに、間接金融の代表例は、銀行からの融資です。

(間接金融の例)

会社←(借入れ)←←銀行(仲介者)←←預金者(資金提供者)

会社が銀行からお金を借りる、と言っても、その資金をそもそも提供したのは預金者です。
したがって、銀行は、一連の取引行為の中では、たんなる資金流通の「仲介業者」にすぎません。

しかし、企業財務の分析の専門家(のはずです)である銀行に貸出先の選定を任せておけば、それなりに分散して安全に預金を運用してくれるだろう、という信頼の下、預金者は銀行にお金を預けるのです。

こうなると、銀行からの借り入れによる資金調達は、リスク分散の原理にもかなう間接金融ということができそうですね。

間接金融のリスクが社債よりもさらに低い大きな理由は、このように、仲介業者の分析力・資産管理能力の高さを根拠とした貸出先の多様化によってもたらされるリスク分散効果に求められます。

社債は、もう「その会社が発行する債券、買った~~!」みたいな気合一発のところがありますから、その会社がコケたらアウトです。

なお、資金の貸付元である銀行は、会社に対して返済を請求できる権利を持っていますので、債権者です。

株主の立場からすると、自分よりも優先的に会社の財産による返済を求められる人たちということですね。

・会社の所有者である株主からの調達分を「自己資本」といいます。
・株主以外の人からの調達分を「他人資本」といいます。

上記の言葉は、株主を主語とした場合の比較用語ですね。

はい、それでは社債と銀行借り入れの比較のまとめです。

社債と銀行借り入れの相違点
直接金融か間接金融か→社債は直接金融、借り入れは間接金融

自己資本か他人資本か→社債も借り入れも他人資本(返済義務あり)

今回の日経記事が言っている「企業の資金調達」というのは、比較的リスクの高い「株式発行」と「社債発行」による資金調達をテーマに、前年同期比で4割減った、というお話しをしているわけです。

つまり、「リスクにお金を投下する人が減ったよ~」ということを伝えたかったのですね。

今は、みなさん経済の先行きに不安を持っている、ということを暗示する記事でした。

でも、こういうときに、意外なビジネスチャンスってあるものなんですけどね~。

けっきょく、稼ぐ能力のある人は、どんな環境でも稼げる引き出しをたくさん持っている、ということです。

さあ!今日もいっしょに脳みそに汗をいっぱいかきましょう!!

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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