東京電力が企業向けに平均17%の値上げ(日経12*1*18*1)

東京電力は4月から実施する企業向け電気料金の上げ幅を平均で17%とする方針を発表しました。

1月17日付のプレスリリースで値上げの内容が説明されています。

⇒ http://www.tepco.co.jp/cc/press/12011702-j.html

火力発電所の燃料コスト増により、東京電力の収益構造が悪化したのが原因のようです。

料金の引き上げで約4000億円の採算改善につなげたい考えである、と同日の日経朝刊で報じられています。

2011年3月期の連結売上高が約5兆3685億円、
経常利益が約3177億円ですから、営業利益の額以上の収益改善が必要!って…、どんだけ火力発電にコストがかかるんかいな、って話です。

原価削減努力の成果が不透明ですよね。

ふつうの民間企業では考えられない、けっこう無茶な値上げっぷりと価格政策です。

たとえば、柴山ソリューションズが、
「4月から、毎月3,000円の柴山塾の値段を、17%アップして、3,510円にします!理由は製造コストアップなんで、そこんとこヨロシク!!♪(*^^)v」

なんていったら、
受講生が一気に半分は減る自信がありますよ~((+_+))

それだけ原子力発電が低コストだった、ということのアピールなのでしょうか。

去年、あれだけテレビで専門家の人が、「原子力はそんなに低コストではない」みたいに言っていたのですが、あれはいったい…。
消費者は何を信じたらいいのやら、ですよね。

とりあえず、目先の事を考えますと、電力の消費額アップがまさに収益を圧迫する工場や店舗などの事業者は、かなり深刻な問題です。

同日の日経3面に企業(自由化部門)の値上げの試算例が出ています。

たとえば、月間使用量240万KW時の大規模工場などは、月額約3370万円から月額約3990万円になり、値上げ幅は18.5%、金額にして620万円も毎月のコストアップが見込まれます。

月給30万円の従業員がこの金額で20人も雇える計算です。

中小のスーパーや事務所などでも、月間の使用料が3万3000KW時のケースでは、月額約64から月額約73万円と、毎月9万円のコストアップになります。

ちなみに、会計処理との関係でお話ししますと…

(1)工場における電気の消費量は、製造原価(間接経費)になり、完成した製品在庫の売上原価を構成します。

したがいまして、売上高にダイレクトに関係します。

粗利(売上総利益)の段階から影響があります。

価格転嫁できる場合は、もっとも製品の販売価格の上昇圧力につながりやすいですね。

損益計算書
売上高        ×××
売上原価     ▲ ××× ←この中に電気代アップが反映!
販売管理費      ×××
営業利益       ×××

(2)スーパー、事務所などは、製造原価がないので販売費及び一般管理費に含まれます。

工場に比べ、売上原価ほど販売価格に直結しませんが、それでもじわりじわりと販売・管理コストが上昇すれば、いずれは営業利益への影響が無視できなくなり、やはり販売価格上昇への圧力となるでしょう。

損益計算書
売上高        ×××
売上原価       ×××
販売管理費     ▲××× ←この中に電気代アップが反映!
営業利益       ×××

このように、平均17%もの電力料アップは、企業の利益を圧迫し、ひいては末端の販売価格への転化を引き起こし、消費者の生活をも圧迫する事になる可能性が高いです。

「今回は、家庭に電気代のアップが影響しなくて、ちょっとほっとしたわ!」なんて胸をなでおろしていると、生活必需品などへの価格転嫁を通じて、結局は消費者が負担することに…なんて心配があることを、忘れないでおきましょう。

「東電さん、ほんとうにその値上げ、必要なんですか?
もっとぎりぎりまでコストダウンの努力できませんか??」

と、おもわず懇願してしまいたくなるようなニュースですよね。

ほんとうにさらなる企業努力を切にお願いしたいところです。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
商品に関するご質問・ご相談はこちら