消費税の逆進性と給付付き税額控除の「アメ」(日経11*12*1*5)

民主税制調査会の藤井裕久会長は、30日に日本経済社のインタビューに答え、消費税引き上げの低所得者対策として、給付付き税額控除を
2015年をめどに導入する方針を表明しました。

これは、私たち庶民の「今後何十年もの」生活を直撃するテーマです。
みなさん、心して世論を形成しましょう!

たぶん、政権与党の将来シナリオは消費税15~20%への引き上げと政権維持の同時達成です。ついでに納税者背番号制ですね。

給付付き税額控除の導入を餌に、納税者背番号制の導入が必要だ!とセットで国民に迫るのでしょう。

これに対して軽減税率※ の制度は導入したくない、というのが本音です。

なぜか。めちゃめちゃ利害調整と実務が面倒で、税率引き上げのメリットがかなり減殺されてしまうからです。

(※軽減税率・・・生活必需品などについては税率を下げたりして低所得者の負担を軽くして上げる制度のこと。)

議論の根本から目をそらそうという意図が、日常の新聞・テレビの報道から見え隠れしていると思うのは、私だけでしょうか・・・。

政治家・行政府の立場上は認めたがらないでしょうが、大局的に見まして、問題の根本はあきらかに「多すぎる支出」、これにつきます。

欧米の財政苦境を見ればそれは自明。

つまり、かつては列強と言われてきた国を中心に、国家財政の支出が世界共通で多すぎる「ぜいたく病」以外の何物でもありません。

・・・でも、いったん憶えたぜいたくはやめられません。
要するに、ぶっちゃけ「支出を下げたくない」んです。

人間って、本当に弱い生き物ですよね。
その覚悟がまだ世界のどの国もできていないだけです。

日本がその先陣を切って成功例になれば、すごく存在感を増すと思うんですが・・・

(もちろん、大変な苦難は待っていますが、100年後以降の子孫の予想される惨状を考えれば、挑戦する価値はあると思います)

この点、日本の歴史では、財政逼迫を見事立て直したトップが何人もいるではないですか。

なぜ歴史に学び、それを実践できないのか。

慣れと怠惰と変化への抵抗感ですよね。

増税よりも、まずは一般会計の総支出を60兆円以下に下げることが、今の日本に必要な最優先課題です(つまり、3分の1の歳出カットね)。
これ以外にありません(と私は思っています)。

しかし、「現体制の常識」としてヤル気がなさそうなので、仕方なく増税論議につきあってあげることにしましょう…((+_+))

・・・で、話は冒頭に戻って、仕方なく消費税増税を前提とした議論をいたします。

給付付き税額控除の例として、新聞では、
たとえば納税額が10万円、給付付き税額控除額を15万円と仮定して、差額の5万円が現金で支給されると書いてあります。

(計算例)
消費税率が10%の国で、年間10万円の消費税を払うとしたら、いくらの生活費支出をすることになるでしょうか?

(答え)
10万円÷10%=100万円。

月額にすると、100万円÷12ヵ月=8.3万円です。

これが新聞に出ている例として現実的な数字なのかどうかは、各自のご判断にお任せします。ご興味がおありの方は、ぜひ2011年12月1日の日経朝刊5面をご覧ください。

さて、この新聞記事の事例では、「差額を現金支給」と言っていますが、海外で消費税について、給付付き税額控除制度を採用しているケースには、どのようなものがあるのでしょうか?

そこで、サイトをいろいろ見てみると、このような報告書がありました。

給付付き税額控除 具体案の提言
~バラマキではない「強い社会保障」実現に向けて~   東京財団

http://www.tkfd.or.jp/admin/files/2010-07.pdf

(同報告書からの引用です P64)

カナダの消費税(GST)税額控除が挙げられる。
同税額控除は有資格本人と配偶者に各々、年間242 カナダドル、
子ども(18 歳以下)は一人当たり127 カナダドルを給付する。
家族所得(ただし、6歳未満の子どもに月100カナダドル給付する
普遍育児手当(UCCB)は除く)が年間31,524 ドルを超えた分の5%
相当が差し引かれる(数値は2007 年納税申告分)。

インターネットでこのような様々な情報が手に入るのですから、便利な世の中です。

さて、この情報の中で触れている内容を確認すると、
年間31,524カナダドルまでは、
本人・配偶者にそれぞれ年間242カナダドル、子供(18歳以下)は127カナダドルを支給すると言うことです。

仮に子供2人の4人家族なら、
242×2人+127×2人=738ドル の給付になります。

現在のレートで換算すると、76円×738カナダドル=56,088円となるようですね。
(2007年時点だと、だいたい100円なので、73,800円という感じです。)

☆☆☆この時事問題を考えるときのポイント☆☆☆

とにもかくにも、「消費税率アップによる家計の負担バランス」が、庶民としては最も気になる所でして、社会政策の観点から行くと、「消費税の逆進性」が克服すべき最重要テーマの一つだと思います。

可処分所得(おおむね給料等の手取り分です)に対して、生活必需品への支出の割合が高い低所得者層にとって、消費税率が倍になるというのは、それこそ生活への影響が甚大で、死活問題になりかねません。

すでに長引く不況でかなりの支出カットしている状況で、消費税率アップがあったからといって、すぐに生活費を削ることは相当困難だからです。

この逆進性に対する対策として給付付き税額控除を導入すると言っても、本音としては税収を増やしたいのですから、「じゃあどこから多く取るの?」
という問題を明らかにする必要があります。

けっきょく、所得がそこそこ多い人のお財布が狙われるのだろうな~、と思うわけです。

なお、消費税率アップの被害者は、へたをすると個人以上に、小規模事業者になりかねません。町のお店や下請け工場などです。
なぜか?

・お店なら、消費税率アップをこの不況期にまともに価格転嫁できますか?

・大企業に対して力の弱い下請け工場が、協定価格に転嫁できますか?

・・・多くの場合、NOです。

となると、いちばんきつい負担を強いられるのは、もしかしたら中小・零細事業者ですよ。ここのところ、もっと注目してあげて下さい。

大手資本は、還付も数百億・数千億と規模が大きいし、下請けに対しては値下げ要求もしやすいはずです。

大手資本に関しては、実は海外展開なども進んでいるので、日本での消費税率アップは、思ったより打撃にならないと個人的に見ています。

そして、店頭価格への転嫁が十分に進まないと・・・

日本の自殺者が年間三万人と言われていますが、消費税率アップなどの負担を原因として、個人事業主などの自殺者が増えないことを祈るばかりです。

話がいろいろとそれてしまいましたが、中途半端がいけないわけで、もしも増税がいやなら、国民が一致団結して「増税は嫌だ!行政サービスは今より不便になってもいいから、根本から見直して歳出カットに本気で取り組んでくれ!」ということができれば日本ってすごい国だなあ、と思えますが・・・、難しいですよね、人情としては。

私が危惧しているのは、世の中がなんとなく「増税やむなし」の誘導にのって、消費税率アップなどの空気になっていることです。

「本当に消費税率アップしかないんですか?だれが負担するんですか?」

ムードに流されず、何度でも根本に立ち返って、「歳出カット」の主張をやめてはいけないのではないか、と今は考えています。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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